20代勤務医からの臨床スキルや開業資金などについての質問

開業から10年間、安定経営を継続するつゆくさ歯科医院の小塚義夫先生。自費率30%以上、売上もメンテナンス数も好調の忙しい日々の中、多くの若手歯科医師からの相談にも精力的に対応しています。

もともと教師への憧れがあり、「歯科は教育業である」と考える小塚先生。自身も様々な「師」の教えに助けられた経験への感謝から、後輩の育成のために今日も貴重なアドバイスを贈ります。 web版開業相談室、3回目の開講です!

ご質問者Cさん:卒後5年目の若手勤務医

⬛︎Question 1⬛︎

開業に向けて、持っておくべき臨床スキルは何ですか?

●Answer1●
「何を武器(売り)として開業するのか」によって違ってきますが、全般的に必要なスキルをお伝えします。

まず、一般歯科の開業医としてやっていくためのスキルとして、保険診療の適用範囲の治療を素早くかつ正確にできることが最低限、必要とされます。 また、開業医の安定した収入源となるのはメンテナンスです。安定経営の維持のためにはSPTⅡを行って定期管理型歯科医院を目指すことが不可欠でしょう。そのためにも、歯周治療の知識や治療システムを学んでおくことが必須といえます。

SPTⅡ算定のためには「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)」の認可を受ける必要があります。小児歯科、矯正、訪問歯科、自費診療など、専門性に特化したクリニックでない限り、か強診は目指した方がいいでしょう。そうしなければ、安定経営の維持は「しんどい」状態になります。

ここまでが、保険診療をベースとして開業する上で最低限必要なスキルです。そして、自分が得意分野とするスキルを十分に磨いておく必要があります。スキルがあったとしても患者さんにそのスキルを伝えるのは難しいので、可能であれば認定医とか専門医とかあれば患者さんにアピールしやすいと思います。

⬛︎Question2⬛︎

開業する際、スタッフマネジメントをする上での留意点があれば知りたいです。

●Answer2●
スタッフマネジメント。実はこれが、開業した後で一番ともいえるほどやっかいな悩みのタネになります。 歯科医院はチームプレーで成り立っていますからね。今の時点で気づけているのは素晴らしいです。ほとんどの人は気づかずに開業して、後で苦労しています。

スタッフマネジメントに関して語るとかなり長くなってしまうので、今回はポイントだけお伝えしましょう。 とりあえず、褒める、叱る、この2つを自由自在に使い分けてスタッフを成長させることができる院長になることです。褒めるだけでも、叱るだけでもダメです。勤務医時代からこの両方使い分けて、そのスタッフを心から成長させようとしてみてください。

明日からでも、周りのスタッフに対してそのように心がけながら接してみてください。勤務医時代の経験はマネジメントの実地トレーニングになりますので、将来、開業した際に必ず役立ちます。

歯科業界は、女性スタッフの数が圧倒的な業界ですから、女性スタッフを上手に活かすことが医院経営を成功に導く鍵になります。そのためには、まずは彼女たちをまとめるリーダーを育てなければなりません。リーダーを院長自らが育てられるならいいのですが、難しい場合は外部コンサルタントに依頼するという方法もあります。

外部スタッフに任せる際の秘訣は、意見を徹底して一致させておくこと。院長とのその人の主張が違うと、他のスタッフの混乱を招く元になります。 院長がすべての業務を自分でやるのではなく、時には外部スタッフに頼るという判断をすることも、医院経営やスタッフマネジメントの上では必要です。

⬛︎Question3⬛︎

歯科医院の新規開業のために、どれくらいの資金を用意する必要がありますか?

●Answer3●
私の場合は、1000万円を自分で貯めました。景気にもよりますが、その時はこの貯金が「着実にお金を貯めることができる」ことの信頼の証となりました。また、親が保証人になってくれたこともあり、銀行が8000万円を貸してくれました。

一般的に500~1000万円くらいの自己資金が一つの目標とも言われています。開業にどれくらいお金をかけるか、保証人になってくれる人の資産、担保物件の有無、などによって上下します。

ちなみに開業で、もっとも費用がかかったのは医療機器ですね。 医院を新しく建てるとなると建築費が大きな出費になりますが、当院はテナントで開業していますので建築費はかからず、改装費だけで済ませることができました。

CTを導入するためには、1千万円くらいかかります。診療チェアは1台600万円くらいでした。開業時は色々な準備で多忙を極める中、大きい金額をバンバン動かすことになります。それが心理的な負担にもなることもありますが、忙しいのを楽しむくらいの気持ちで乗り切りましょう。

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※7月29日10:30〜本放送・8月1日9:00〜再放送予定