歯科医師のパーソナルブランディング 5つのポイント ―強みをアピールして差別化を図る―

今回お伝えするのは、パーソナルブランディングのセカンドステップ「言葉にする=言語化」です。

パーソナルブランドの土台となる理念は、漠然と頭のなかにあるだけではなんの価値も力も生み出しません。

理念を自院の強みとしてアピールするためには、具体的な言葉にすることが不可欠なのです。

もっとも、理念を適切に言語化するためには、「パーソナルブランドとはなにか?」という問いに即答できるくらいに理解を深める必要があります。

そこで今回は、パーソナルブランドの理解を助けてくれる5つのポイントを解説した上で、パーソナルブランドにおける言語化とは具体的にどのような行動なのかをお伝えします。

パーソナルブランドの定義を確認しよう

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(画像=Zhanna/stock.adobe.com)

パーソナルブランドの定義は「99%の歯科医院が知らない パーソナルブランディング入門」で解説しましたが、復習もかねて再確認しましょう。

パーソナルブランドとは、文字通り「個人のブランド」という意味の言葉です。

より実質的に定義するなら「他者に期待される自分ならではの価値」と表現できます(一般社団法人日本パーソナルブランド協会による定義)。

パーソナルブランドの理解に欠かせない5つのポイント

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(画像=devenorr/stock.adobe.com)

そのパーソナルブランドには、5つのポイントがあります。

これらのポイントを押さえることでパーソナルブランディングの成功率が飛躍的に上がります。

ポイント1  自分を大きく見せるためのテクニックではない

パーソナルブランドは、「自分を大きく見せるためのテクニック」ではありません。

たとえば、なんの根拠もないのに「インプラント治療実績で地域ナンバーワン!」と宣伝している歯科医院があるとします。

誰でもインターネットで情報の真偽を調べられる時代においては、誇大広告は不信感を増幅させるだけであり、リスクが高すぎます。それに、本当にナンバーワンである自信があるなら、わざわざ煽るような広告は不要であるはずです。

つまりパーソナルブランドは、等身大の自分を表現するブランディングであるべきなのです。

ポイント2  理念のないブランディングは破綻する

たとえば「地域住民のみなさんが虫歯の苦痛で笑顔を失わないように」をミッションに据えて、自費診療中心の予防歯科を始めたとしましょう。

ところが、思うように集患できず経営が苦しい……。

そこで止むを得ず保険診療中心の一般歯科へと方向転換したとします。

方向転換自体は問題ありません。

しかし「地域住民のみなさんが虫歯の苦痛で笑顔を失わないように」というミッションはどこに消えたのでしょうか?一般歯科ではこのミッションを達成することはできません。

理念がコロコロと変わるような見せかけのブランディングでは、自分に対して嘘をつくことになりますから、いずれ破綻してしまいます。

ポイント3  生涯にわたって進化する

歯科医院としてのパーソナルブランドは、一時的・短期的な効果をめざすものではありません。

なぜなら、歯科医師のキャリア、経営する歯科医院は継続するのが前提だからです。

この観点から考えれば、豪華な設備や華々しい経歴をアピールしても、ブランディングにはつながらないとわかるはずです。

設備や経歴はいずれ古びてしまうからです。

ポイント4  すべての人は自分だけの価値を持っている

パーソナルブランドの土台となる自分だけの価値(理念、強みなど)は誰もが持っています。

ただ、「あなただけの価値を見つけましょう」と言われても、自分を客観視できない人にとってはなかなか具体的にイメージできないかもしれません。

そのような時は、ブランディングに理解のあるコンサルタントやコーチの力を借りるのもよいでしょう。

ポイント5  理念は明確な言葉にしないと伝わらない

パーソナルブランディングの実践には、コミュニケーションが不可欠です。

理念をスタッフや患者さんといった他の人と共有するためには、明確な言葉にして発信する必要があります。

メジャーリーグで大活躍している大谷翔平選手は、自身の理想像を「マンダラチャート」で細かく言語化し、目標を一つひとつ実現していくことで、自分の理想像を達成していきました。

大谷選手には天賦の才能があります。また努力を全く苦にしない精神力の持ち主です。

しかし、もし自分の目標を言語化せず、漠然とイメージしているだけだったら、今のようなスター選手としての地位にはなかったかもしれません。

歯科医師や歯科医院としての理念は、どれだけ強い想いに支えられていても、明確な言葉にできなければ行動につながりにくいのです。

言語化とは、具体的にはどのような行動か

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(画像=Paylessimages/stock.adobe.com)

パーソナルブランドのポイントを理解したら、次はいよいよ言語化に着手します。

パーソナルブランド構築における「言語化」は、具体的には以下の3つの手順を踏みます。

内省する

言語化するべき理念やミッション、強みなどを見つけるには、自分の半生を丁寧に振り返る内省が不可欠です。

「理念だけはアウトソーシングできない」というドラッカーの言葉通り、理念やミッションは院長先生自身で見つけ出すほかありません。

自分の半生を深く内省し、自分がどのようなミッションを実現するべく歯科医師になったのかを考えてください。

自己の価値をみつける

幼少期から、思春期、歯学部時代、そして開業に至るまで、それぞれの時期にたくさんの経験を重ね、成功や挫折を味わったことと思います。

それらの経験から、現在の自分を形作るなんらかの価値(理念、ミッション、強み)が生まれているはずですので、丁寧にすくい上げてください。

自分のなかにある言葉を引き出す

理念やミッションを言語化する際、ありきたりなキャッチコピーや定型句を使わないでください。

たとえ拙くても構いませんので、自分のなかから湧き上がる混じり気のない言葉を使いましょう。

パーソナルブランドの言語化を成功させる2つのコツ

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(画像=pixta)

パーソナルブランディングに不可欠な「言語化」を成功させるためには、やみくもに試行錯誤するのではなく、次に挙げる2つのコツを押さえるとよいでしょう。

プロにサポートしてもらう

ブランディングを解説した書籍は、たくさんあります。

それらを利用してパーソナルブランディングを独力で実践することも不可能ではないでしょう。

ただ一般的には、理念を探し出して言語化する工程を、ブランディングの経験や知識のない院長先生が実践するのは至難の技です。

ぶれのない確固たるブランディングを行いたいのであれば、やはりパーソナルブランディングに実績のあるコンサルタントやコーチの力を借りるのが近道でしょう。

失敗や挫折がマインドセットになる

自分だけの理念がスムーズに見つからないこともあるでしょう。

理念を探し当てるためのマインドセットが必要かもしれません。

マインドセットとは、凝り固まった考え方を変える「きっかけ」です。

パーソナルブランディングに着手したものの、なかなか上手くいかない……そんな人にとっては、「失敗」や「挫折」がマインドセットになります。

これは当然といえば当然でしょう。

人は、成功しているときにわざわざブランディングなど考えないからです。

理念を見つける過程で自分の半生を振り返る際、成功体験よりも失敗や挫折に着目しましょう。

壁にぶつかったときにどんな答えを出し、どんな道を選んだのか。そのなかに、あなたが求める理念があるはずです。

まとめ 

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(画像=Mihai Simonia/stock.adobe.com)

パーソナルブランディングで最も重要なのは理念です。

理念はブランドの土台ですから、まずは自分だけの理念や強みを見つけ出し、明確な言葉にしてください。

理念の言語化までこぎつければゴールは目の前です。

次回は、パーソナルブランド構築のサードステップ「人に伝える」を紹介します。

4回に渡ってお届けしたパーソナルブランディングの解説もいよいよ最終回。どうぞ最後までお付き合いください。

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廣田 祥司

株式会社オール・デンタル・ジャパン 代表取締役

1973年生まれ。立教大学大学院ビジネスデザイン研究科修了(MBA)。 現在10社の経営に携わる起業家であり、何度も倒産の危機を乗り越えた体験をもとに、起業家をビジョン実現に導く「ビジョナリーコンサルタント」として活動。

コンサルティングを提供する中で改善が持続しないケースを目の当たりにし、持続的成長を実現する起業家には「パーソナルブランド」があると気づく。

仮説、検証を繰り返すことで再現性の高い独自メソッドを生み出し、様々な専門家や起業を目指すビジネスパーソンを真の豊かさに導く活動を始める。

医療分野では300名以上の医師・歯科医師の人生を「パーソナルブランディング」を通じ総合的に支援。