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皆さんは、世界的なベストセラー『金持ち父さん 貧乏父さん』(ロバート・キヨサキ、シャロン・レクター 共著)を読んだことはありますか? 

この本では「お金のために自分が働くのではなく、自分のためにお金に働かせなさい」というメッセージが込められていて、投資・資産運用によって不労所得の源泉を築くことが推奨されています。

また、いつまでたってもしんどい状態が続く「ラットレース」から抜け出すヒントが書かれているとの評価もあるのです。

ラットレースとは、収入が増えたにもかかわらず、自分の使うお金も増えてしまったため、常に支払いに追われ続ける様子を表しています。

私は「歯科医師の方を専門とするファイナンシャルプランナー」として、これまで何百世帯という歯科医師の方の家計相談を受けてきました。

その経験を踏まえて感じているのは「歯科医師の中には、ラットレースにはまってしまう“損する生き方”をしている人が多い」ということです。

この連載では、私に寄せられてきた歯科医師からの資産運用のご相談を基に、ラットレースにはまりやすい理由などを紹介していきます。

今回は「年間売り上げが1億円以上なのに、なぜか人生が満たされていない」という歯科医師のお悩みを取り上げます。

今回のご相談:一体どのくらいのお金を貯めれば良いのか分からない

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(画像=pixta)

相談者:いつも気持ちに余裕がなく、せかせかしているA先生(40歳)

【相談者のプロフィール】
7歳と5歳の2人のお子様がいる。いずれは2人にも医師や歯科医師になってもらいたい。

今後の教育資金のために、精力的に仕事に取り組む真面目な方。

歯科医院経営もすこぶる順調だが、経営が軌道に乗れば乗るほど「自分の時間がない」と感じ、常に気持ちに余裕がない。

売り上げが1億円を超えた辺りから「なんか疲れちゃった」という愚痴が増えた。

なぜ、いつも気持ちに余裕がないのか?

お話を伺っていると、A先生は「子供と遊んでいる時も、仕事が頭から離れない。

何をしても思うように楽しめない自分がいる。家にいても何もしていない時間が苦手だ」との思いを吐露しています。

そうした気持ちを落ち着かせるため、ついつい仕事をしてしまうとのこと。

その結果、奥様に「家のことを手伝って! 子供の面倒みて!」と言われ、喧嘩をしてしまうこともあるそうです。

また、A先生の医院では経営拡大に向けた改革を断行したことで、スタッフが悲鳴をあげてしまい大量退職されるという苦い経験もされ、心労が重なるつらい時期を過ごされてました。

A先生は「忙しく慌ただしい人生で悩みは尽きず、目の疲れや首肩のコリもあって慢性的な疲労感を覚える」と終始暗い表情を見せていました。

「お金に対する漠然とした不安を解消する」ことが解決の糸口

A先生の現状を聞いた後、私は「お金に対する漠然とした不安の正体は何でしょうか? それを探りましょう」と質問しました。

それに対して、A先生は「一体どのくらいのお金を貯めれば良いのかが分からない。

それが分かれば、気持ちの余裕も生まれる気がする」と答えました。

A先生のように、お金の不安で悩む歯科医師は意外と多いのです。

歯科医の先生だけでなく内科・外科等の開業医。税理士・弁護士・司法書士など士業の専門家、いわゆる個人事業主として社会に貢献している方々はラットレースにはまりがちだと思います。

自分が働かなくても、お金が働いてくれる仕組みを作る

ご相談を受け、私は「自分が働かなくても、お金が働いてくれる仕組みを作る」ことをご提案しました。

「お金が働いてくれる」という表現に疑問を持たれた方もいるかもしれません。

多くの方が「お金というものは、労働の対価として得るもの」と考えられているのではないでしょうか。

お金が働いてくれるとは、「お金がお金を生み出す」という意味を持ちます。

具体的には、使っていない、眠っているお金、浪費していたお金を資産運用(投資)することです。

お金を増やす方法には、大きく以下の三つがあります。

  • 支出を減らす(節約)
  • 収入を増やす(労働)
  • お金に働いてもらう(投資)

その中でも、ぜひおすすめしたいのが「資産運用(投資)」です。

働きすぎの傾向もあるA先生の場合、これ以上労働することは難しいですし、節約は努力すればもちろん効果はありますが、収益性が低いのが難点です。

資産運用は、他の2つの方法よりも労働力は少なくて、収益性が高く見込めるという特徴があります。

まずは、現在の資産状況を把握するために「資産管理表」を表計算シートで作成しました。

6月と12月の年2回に見直して資産管理表をその都度アップデートしています。

次に「ライフプランニング」を実施しました。

ライフプランとは、ご自身の将来の夢や目標を考えて、いつどのように実現していくかの計画を立てることをいいます。

ライフプランニングでは「いつまでに、いくら必要となるのか」をキャッシュフロー表などで具体的な数値などに落として明確にします。

また、ライフプランやそれを実現するための方法として、実際に金融商品を購入して投資を開始しました。

これらの取り組みを通じて、A先生は「65歳まで働いて、リタイヤしたい」という将来の目標を見据え、その時点で仕事をしなくても生活できることをイメージできるようになりました。

まとめ

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(画像=pixta)

一般的に、A先生のように「お金に対して漠然とした不安を抱え、お金と対等に付き合えていない」個人事業主は増えています。

そのお悩みを解決するために、まずはご自身の現状をしっかりと把握し、思い描くライフプランに合わせた資産形成を進めることが大切です。

「お金に対する漠然とした不安を解消する」ためには、正しく資産形成することがカギを握ります。

ぜひ日ごろから意識するようにしてください。

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本間 博史

プルデンシャル生命保険株式会社 東京第十支社 ライフプランナー

歯科医院の経営サポートの「攻め(マーケティング)」と「守り(お金の対策)」をバランス良く提供。歯科医院の院長先生の「夢」を設定し、将来を明確に思い描く。

キャッシュフローの試算を基に、まずは単年度予算を作成し、歯科医院経営を見える化。ここをスタートに目標と実績のギャップを示し、ギャップの改善をPlan-Do-Check-Actionサイクルを通じて実行。

これまで数々の支援を通じて「資産運用の悩みは、それぞれの家庭で違う」ことを強く実感したうえで、歯科医院の院長先生ごとのライフプランナーとして寄り添う。