その求人票で本当に良いスタッフが集まる?良い求人と惜しい求人の例

現在歯科業界は、若手の歯科医師も歯科衛生士も圧倒的な売り手市場で、なかなか希望通りの人材を採用できなくなっています。さらにはコロナという特殊な状況のため、「見学は3院・面接は1院まで」と制限が出ている学校もあるなど、今までの採用方法が通じなくなっています。そのような中で満足のいく採用をするには、どうしたら良いのでしょうか?

採用活動をするに当たって、求人票こそが求職者とのfirst contactになります。貴院の求人票は、一番良い第一印象を与えられていますか?労働法がどんどん変わっているにも関わらず、何年も同じ求人を出していたりしませんか?今回は実例を踏まえ「良い求人」「悪い求人」をご紹介します。

あなたの医院の求人はちゃんと良い人に届く?惜しい求人はこれ!!

前回のコラムでもお伝えしましたが、今応募してくる20代前半の若者は「興味があることはインターネットでくまなく探す」ということが当たり前の世代です。そのため最新の労働法の内容なども驚くほど良く知っています。その結果、労働法にそぐわない求人を出していると「ブラック企業かも」と敬遠され、なぜか応募がサッパリないという状況に陥ってしまうのです。 気づかぬうちに評判を下げてしまう求人内容を具体的に見てみましょう。

求人票のこのような記載は注意!

あなたの医院の求人票にはこのような記載や表現は無いですか?良かれと思って書いていることが、実はマイナスイメージを与えてしまうこともあるのですよ。

・残業代は1分単位または「固定残業代」として記載がありますか。固定残業代が最低賃金を割っていませんか。残業代の記載が無いなどは絶対NGです。

・医院が良かれと思ってつけている様々な手当も、多すぎるのは怪しいと思われてしまいます。なぜなら「手当を増やして基本給を減らして、ボーナスや退職金を減らすためなのでは?」という印象を与えてしまうからです。手当の多さで条件の良さをアピールしていませんか?

・今でもよく見かける「有給100%取得可」という表現。有給は労働法の改正により、ずいぶん前に取得が義務化されました。「有給が取りやすい」とうアピールをすること自体、時代遅れの医院かなと思われてしまいます。

このように最新の労働法やトレンドをアップデートしていないと、求職者に良かれと思って書いたことによりいつの間にか「ブラック企業では?」という疑いをかけられてしまうケースが多く見られます。

今の20代が思うブラック企業とは?

20代の求職者から見るブラック企業とは以下のような企業です。

  • 長時間労働が当たり前
  • ハラスメントが常態化している
  • 残業代や手当の未払いなどの違法労働が行われている
  • 採用・離職が繰り返されている

実際には上記のようなブラックの実態がないにも関わらず、求人票一枚でそのような疑いを持たれてしまったらとても残念だと思いませんか?

地雷を踏まない!これが正しい求人票の書き方

それではこのような地雷を踏まないよう、注意点を一つ一つ解説をしていきましょう。

給与の記載方法の注意点

給与はしっかり内訳を記載しましょう。基本的にハローワークに掲載できない条件は、法律的にアウトとなります。

歯科医師例)
 ・ 総支給額45万円( 基本給40万円 残業代15時間/5万円含む)

手当が多すぎるのも基本給を下げてボーナスや退職金を抑える方法として浸透しているため、警戒されてしまう傾向があります。

残業代の記載方法の注意点

最も記載ミスが多い一つが、「残業代の表記」です。 残業代の計算法を間違えている医院も多く、残業代は「15分」「30分単位」の記載は違法です。現在は「1分単位」または「固定残業代」と決められています。固定残業時間を超えた分は1分単位で支給しなくてはなりません。

「残業代込み」「歯科医師は時間が延びるのは自分の責任だから残業代払わない」という考え方は法律的にもNGとなりますのでご注意ください。

「有給消化率80%以上」なんて書いてない??有給休暇の記載方法の注意点

貴院の求人票には「有給消化率80%以上」「100%取得可」といった記載はありませんか? 「有給が取りやすい働きやすい職場だよ」ということをアピールしているつもりでも、今の求職者の大半は有給休暇の100%取得は義務だと知っているため「取得可」と言われると「取れない可能性もある?」「取りづらいからわざわざ書いているのか?」と逆に怪しく思われてしまいます。

有給休暇については、歯科医師も歯科助手も重視する重要ポイントですので注意しましょう。有給取得に関してアピールになるのは「好きな時にいつでも取れる」「連休での取得も可能」などになります。

歯科衛生士も「社会保険完備が当たり前」って本当?今人気のある条件はこれ

次は歯科衛生士の求人についてです。

一昔前は歯科衛生士には社会保険が適用されていない医院も多かったため「社会保険完備」だけでもアピールになった時代もありました。しかし今では、圧倒的な売り手市場の上に厚生年金、健康保険、労働保険、雇用保険などの社保完備の医院がとても増えたため、これだけでは差別化やアピールポイントにはなりません。

今求人でプラスのポイントになる条件とは

以前に比べて様々な制度が整っている今、求職者にとって魅力的に映る求人はこのような条件があるものです。

  • 退職金を企業並みに支給
  • 保育園代全額負担
  • 社員寮
  • 引越し代や敷金礼金の支給

今は社会保険が完備されていないと採用が難しくなっていますが、社会保険が未完備でも採用ができたのは以下のような場合です。

  • 9時出勤17時半退勤
  • 祝日振替診療なし
  • 新規開業

まとめ

退勤時間が早い、通勤しやすい、新規開業など大きな採用の目玉魅力がない場合、小さな好条件を集めて大きな魅力とすることもできます。求職者は必ず複数の求人を見て良いなと思う求人を探していることを忘れないでください。是非、「うちの医院で勤めるとどんな良い事が起こるのか」をあらためてリストアップしてみましょう。

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