歯科医院のスタッフを「真の味方・サポーター」にする“急所”とは

新型コロナウイルスの蔓延により、歯科医院は診察控えによる経営難など様々な影響を受けています。しかし、経営を揺るがす今回のような事態は、今後いつ起こっても不思議ではありません。現代社会は先が読めず、萎縮しているだけでは停滞・衰退し、歯科医院経営二極化の波に呑み込まれてしまいます。

それを肌で感じた今こそ、経営にとって『緊急ではないけれど非常に重要』な施策や試みに取り組むべきタイミングではないでしょうか。この連載では、スタッフ管理で絶対に外せない「急所」と「その理由」を4回にわたりお伝えし、経営に生かす方法を解説します。

私が歯科医師にスタッフマネジメントをお伝えする3つの理由

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(画像=taka/stock.adobe.com)

理由1つ目:歯科医師に豊かな人生を歩んでほしいから

私がスタッフマネジメントについてお伝えしたい理由のひとつは、「真摯に診療に取り組む歯科医師にこそ、豊かな人生を歩んでほしい」と思っているからです。

かつて私が歯科医院を経営していた頃、親しくしていた真面目な先生の歯科医院が、ある日突然、閉院に追い込まれたことに衝撃を受けました。勤勉で実直な先生だったから、というだけではなく、私の経営が上手くいっていたからです。今となれば経営がうまくいっていたのは偶然だったのですが、当時は経営について歯科医師同士が話し合う環境は無かったので、胸中では「一体なぜ?ひとこと相談してもらえれば…」と思ったのです。

これが経営について改めて考え直すきっかけとなりました。「自分の経営はなぜ上手くいっているのか?」「まだまだ改善点があるのではないか?」。そして「経営面で苦しむ歯科院長に、いつか伝えられる日が来るかもしれない」と思い、独自の学習と実践を繰り返しました。

そしてある日、「どんな経営をしているのですか?」と相談を受け、歯科コンサルティング活動を本格化しました。これが私の出発点であり、理念・使命の根源となっています。

理由2つ目:歯科医師がもっと認められる存在になってほしいから

2つ目の理由は、スタッフマネジメントを通じて自信や信頼、実績を手に入れることで「医師が再び一目置かれ、認められる存在になってほしい」からです。

バブルの頃、歯科医師のステータスはとても高いものでした。トレンディドラマなどにも度々登場していたものです。それがここ20年の間に、歯科医師はワーキングプアと称され、人気のない職業になってしまいました。現在、中高生のなりたい職業に歯科医師が挙げられることはまずありません。歯科医師本人でさえ、子どもに就かせたくない職業だと言います。

実際には、決して収入が低い職業ではありません。真面目に診療に取り組み、日々の研鑽も怠らない方々も多いです。もっと自信を持って良いのだと、まずは読者のあなたにこそ自覚して欲しいと思っています。なぜなら、歯科医師は多くの人に幸せを分け与えることができる素晴らしい職業だからです。

歯科医師の社会的地位を向上させるには、業界の活性化が不可欠です。私の発信をきっかけに業界が活性化し、歯科医師の社会的地位が向上することを願っています。それが私の夢でもあるからです。

理由3つ目:私が歯科医師だから

3つ目の理由は、「私があなたと同じ歯科医師だから」です。私自身、経営に不安を抱いていた時期がありました。開業して6年目に業績の上昇率が不意に鈍くなったのです。それまで右肩上がりだったのに、なぜ鈍るのか理由も分かりません。

「このまま急にストンと落ちてしまうのではないか」と焦燥感に駆られていました。それこそ誰かに相談したいと思いましたが、当時は6年間の実績を預けられるほど信頼できる人がいませんでした。

実際にかつての私のような不安を抱いている先生は少なくありません。相談できる相手がいない、プライドがあって聞けない、門外漢からは机上の空論しか得られない。そんな閉鎖的な情報環境に身を置く先生に、たくさん出会ってきました。

また、正しい知識がなければ、やる気があっても空回りしてしまいます。「開業資金として4~5千万円借りている」ものの、その数字には何の根拠もないと、当たり前のように語る先生の多さには驚かされます。

さらに、半分詐欺師のような業者に頼ってしまう先生もいます。私は歯科医師の勤勉さも苦労も身に染みているからこそ、実力もなく言うこともおかしい、歯科経営コンサルタントを駆逐したいと思っています。実力があり、しっかり稼げる歯科医師が増えれば、如何わしいコンサルタントはいなくなるはずです。

スタッフ管理で絶対に外せない「急所」とは?

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(画像=buritora/stock.adobe.com)

急所を外さなければ業績もアップする

それでは早速「スタッフ管理の急所」について説明しましょう。私は今までに、主催したセミナーやコンサルティングなどで3000名以上の歯科医師と会ってきました。そして様々な相談に向き合い、医院を巡って比較しているうちに、スタッフ管理について絶対に外せない「急所」があることに気が付いたのです。

豊かに歯科医院を経営している先生は、スタッフに振り回されることなく見事にコントロールしています。そのような人は「急所」を外していません。安心して仕事を任せ、ストレスなく診療に集中しています。

「急所」を掴んでいる医院は雰囲気から明るいものです。院長・スタッフの双方が気持ちよく働いている為、仕事の質も上がります。結果として、患者満足度が向上し、業績がアップするのです。そのようなスタッフの急所とは、一体どのようなものなのでしょうか?

「急所」を知れば、経営センスや経験はいらない

私も開業当初は経営・マネジメントの素人でした。スタッフの扱いも失敗の連続です。無断欠勤、音信不通、さらには治療中に出て行く者までおり、とにかくスタッフの挙動に振り回されていたのです。結局、開業3ヵ月目にはスタッフ総入れ替えになりました。

ところが、偶然にも「急所」を知る機会があり、以降はスタッフ管理で苦労したことはありません。スタッフに振り回されるのは単に「急所」を知らないだけで、経営センスや性格、リーダーシップ、経験などは関係ありません。

高度なシステムやマニュアルを導入するのも良いでしょう。成功している医院を真似るのも良いでしょう。しかし「急所」を外している限り、残念ながら結果は出ないのです。

「スタッフの急所」とは?

急所とは、「スタッフに院長や歯科医院を理解してもらい、共感と好意を持ってもらうこと」です。

院長に共感し、好意や愛着を持つスタッフは、指示待ち、手抜き、反抗、急なシフト変更などの問題行動は起こしません。もしあなたの医院に怠慢なスタッフがいたとしても、「急所」を掴むことさえできれば協力的な態度に変わるはずです。積極的に行動し、努力や改善を惜しまず、院長の意を汲んだ自律的思考で働いてくれるでしょう。

逆にこのようなスタッフの問題行動であなたが悩まされているなら、それはあなたが急所をつかめていないからです。

「いろいろな性格のスタッフがいるし、そんな簡単な話ではない」「現状コミュニケーションが取れていないから不可能だ」と、思われるかもしれません。確かに、理想の環境を整えるには手間や時間がかかります。だからこそ、このタイミングで取り掛かる必要があるのです。ぜひ院長に共感するスタッフを増やすことを意識してください。

今回は、スタッフマネジメントの要である「急所」とは何かをお伝えしました。次回は、なぜ「急所」を外すとスタッフの問題行動が起こってしまうのかを解説します。

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