曜日や時間の予約の偏りはどう解消する?歯科医院の生産性がアップする予約の分散化

こんにちは、歯科医院の経営コンサルティングを手掛けている丹羽浩之です。

歯科医院の院長は歯科医院の収支をはじめ、人材採用や教育、マネジメントなど悩みは尽きません。

これらの課題を1人で解決するのは骨が折れるものですので、専門家に助言を仰ぐのも1つの手です。

かく言うわたしも多くの院長からさまざまな相談を受けています。

そこで本連載では、わたしの経験を踏まえ、歯科経営のよくある課題を解決に導くヒントをいくつか提示します。

連載初回のテーマは「予約数の偏り(集中)を平準化する方法」についてです。

課題解決の手がかりとして役立てていただけますと幸いです。

曜日や時間によって偏りが大きい予約数、分散化するには?

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(画像=pixta)

予約について多い相談内容

わたしがクライアントから受ける相談の中でも下記は多くあります。

  • 「予約が土曜日に集中してしまう」
  • 「月・火は予約が入りにくい」
  • 「平日でも午前中や17時以降は混むが、ほかの時間帯はガラガラ」

このように「予約数が曜日によって大きくばらつく」ということにお悩みの先生は多いのではないでしょうか。

予約数の平準化を図ることは患者さまの数を増やすことにも繋がるため、必ず解決しておきたい課題のひとつです。

現状把握なくして予約の分散化はあり得ない

予約を分散させるためにまず行うべきは、予約の平準化を「意識」することです。

一般的に患者さまは、仕事休みの土曜日や終業後の17時以降を選びます。

何も意識しないで予約を受けていれば、当然土曜日や17時以降の時間帯から埋まっていきます。

当たり前と思われるかもしれませんが、まずは予約に偏りがあるという現状をスタッフ全員把握することが大切です。

現状把握は細かく具体的に

さらに意識の度合いも重要です。

単に「今週はレセプト500枚で、患者数は700人だった」程度の認識では、「新規患者数をもっと増やさないといけない」や、「リコールをさらに増やさないといけない」といった漠然とした打ち手で終わってしまいます。

「平日の中でも特に月曜の午前が少ない」「テレワークをしている患者さんが増えている」など、より細かな現状把握が、効果的な打ち手への手がかりとなり、患者数の増加につながっていくのです。

意図的なコントロールで予約の分散化を実現

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(画像=pixta)

予約の分散が働きやすい環境もつくる

予約数の平準化は、患者数の増加だけでなくスタッフの仕事にも良い影響を与えます。

仕事を効率的に行うには、集中力が途切れないリズムをつくることが大切です。

しかし、忙しい時間帯とそうでない時間帯が1日のなかで繰り返されると、良いリズムは生まれません。

「暇疲れ」という言葉があるように、患者さまがいない時間が続けばスタッフも疲れてしまいます。

予約の平準化によって、仕事のリズムをつくり、効率化を進め、早く退社できる環境を実現することが、経営者である院長の役割であるとわたしは思います。

歯科医院側からの提案が予約平準化への第一歩

では、予約が特定の曜日や時間帯に集中しないようにするにはどうすれば良いのでしょうか?

前段でご説明した通り患者さま任せでは、土曜日や17時以降の時間帯ばかりが埋まるスケジュールになってしまいます。

実際、「土曜日しか空いていない」「平日の夕方からしか通院できない」という患者さまは非常に多いです。

しかしこれは、「土曜日は歯医者」と勝手に決めて、習慣にしているだけのケースも往々にしてあります。

歯科医院側も「この人は土曜日しか来院できない人」と勝手に決めつけるのはNGです。

このような認識でいると予約時に「〇〇さんは〇曜の〇時でしたよね」といった聞き方になってしまい、土曜日や17時以降の呪縛から抜け出せません。

患者さま任せではなく、こちらから提案するという意識が大切です。

コロナ禍による環境の変化も追い風

提案といってもそれほど難しいことではありません。最近はコロナ禍の影響により、テレワークを取り入れている企業が多くなっています。

働き方の変化によって平日に使える時間も増えているはずです。まずは恐れずに「平日の午後などはいかがですか?」と聞いてみましょう。

しかし、歯科医院側の都合によるお願いになるため、「どこか言いづらい」という方もいると思います。

そのようなときは「土曜日の場合、次回は4週間後になりますが、平日なら来週の予約が取れますよ」など、患者さまへのメリットを伝えてあげましょう。

できるだけ早く治療を終えたいと思っているのが患者さまですから、お互いにwin-winの提案になるはずです。

いつ、どこで患者さんに提案すれば良いのか?

平日予約の確度を高めるためには、常に提案できる体制を整えておくことが重要です。

ポイントは受付、初診カウンセリング、リコール予約時の3つです。

・受付
「何曜日にしますか?」という聞き方ではなく、前述したような「平日なら早く予約できる」などのメリットを提示して話すことが大切です。

・初診カウンセリング
キャンセルポリシーなどと同じく、「比較的〇~〇時の時間帯が混んでおり予約が取りにくくなっております。おすすめの曜日と時間帯は〇〇です」

など、混む時間と空いている時間を伝えて、早く治療が終わるというメリットを促すのが良いでしょう。

・リコール予約時
「テレワークされているなら、平日の昼間はいかがですか?」など、予約を取りやすい時間帯を歯科衛生士がチェアサイドで伝えます。

・混雑マップを作る
混雑マップは、予約スケジュールを平準化するサポートツールのひとつです。

混んでいる時間帯を患者さまがひと目で認識できるよう、待合室やチェアサイドに掲示するのがポイントです。

わずか10%の予約変更で生産性が大幅にアップ

これらの取り組みを行ったとして、予約の曜日や時間帯を変更する方は恐らく10人中1~2人ほどでしょう。

10~20%では少ないと思われますか?いいえ、これでいいのです。

たとえば、患者数500人の歯科医院の場合、10%となると50人が予約を移すことになります。50人が変更した場合の収支というのは大きいものです。

当然母数が多ければ多いほどその効果は大きくなります。そもそも予約のスライドは患者さまにとって興味のない話です。

声掛けによって「歯科医院の予約とはスライドするものなんだ」という患者さまのアンテナを立ててあげることも目的のひとつです。

予約のスライドについて熱心に取り組めば、取り組むほど効果も高まります。

実際にコロナ禍以前のリコールは土曜予約が全体の3~4割であったが、現在は1~2割になり平日予約が増えたというクライアントもいます。

そもそも歯科業界全体としてリコールが増えている傾向にあり、すべてが土曜日予約になれば歯科医院はパンクしてしまいます。

「テレワークが盛んないまがチャンス!」と捉え、スタッフ一丸となって予約の平準化に取り組むことが大切です。

まずは歯科医院全体で共有し、協力し合って患者さまに発信していくと良いでしょう。

それが生産性を高め、早い時間での帰宅や給与アップにつながります。予約の平準化は歯科医院にとって、まさにいいこと尽くめの取り組みなのです。

次回は多くの院長が頭を抱える「人材採用」について解説します。

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