歯科医院の院長は専門的に経営を学んでいることは少なく、収支や人材採用、教育やマネジメントなどに頭を悩ませている方が多くいらっしゃいます。
わたくし丹羽浩之はこれまで多くの歯科医院の経営コンサルティングを手掛け、歯科医院のさまざまな経営課題に接してきました。
そこで本連載では、わたしの経験を踏まえ、特に相談の多い課題をテーマとして、解決へのヒントを提示していこうと思います。
今回は「採用時に失敗しない、面接の質問について」です。「採用してみたものの、思ったようなパフォーマンスを発揮してくれなかった」では目も当てられません。
そのような失敗を繰り返さないためにも、ぜひ本記事をご参考ください。
こんなはずではなかった…。間違いのない採用面接時の質問ってなに?
面接について多い相談内容
自院にマッチする人材はどのようにすれば見抜けるのでしょうか?
「実際に勤務してからでないと、自院に合うかどうかは分からないのでは?」といった歯科院長からの相談もよくあります。
確かにその通りで、新人の活躍を採用前に保証するメソッドはありません。
しかし、自院に合った人材のマッチング率を高める方法はあります。
その1つが面接時の「質問の質を高める」ことです。
そして「履歴書に書かれていること以外に何を聞いていいか分からない」という相談もよく受けます。
では、どのようにすれば、面接時に質の高い質問ができるのか解説します。
フィーリングで行う面接は失敗が多い
「前の会社では人事課で採用担当をしていました」「会社員の頃は管理職だったので、新卒・中途採用に携わってきました」といった歯科院長はほとんどいません。
面接ノウハウのない先生が、診療直後のバタバタしている時間帯に、資料も読み込まず面接に臨むというのが現実です。
また、面接の直前に診療した患者さまのことが頭に残っており、切り替わっていないまま面接するケースも多いのではないでしょうか。
その結果、面接では履歴書をなぞるだけで、意図のない質問になってしまう…。
そして「なんとなく良さそうだから」で決めてしまうはめになります。
このような面接で採用された方の評判はあまり芳しくなく、「新しく入った方、ウチに合わないのではないですか?」などの指摘に心当たりのある先生もいらっしゃるのではないでしょうか。
結果として歯科院長は「自分はつくづく見る目がないな」と肩を落としてしまうのです。
しかし、これは見る目がないわけではなく、単に歯科院長がマインドセットできていないだけです。
マインドセットできていないがために、採用したい人物像が不明確であり、不明確であるから何を聞いてよいのかわからずに面接に臨み、撃沈しているだけです。
採用時の失敗が激減するマニュアル
ひと目で分かる面接マニュアルを用意
採用面接で失敗をしないために役立つのが、シンプルな面接マニュアルです。