年商1億円の歯科医院を最短で達成するために必要な設計図

歯科医院経営において成功のひとつの目安となるのが「年商1億円」です。

それは利益だけではなく、メンタル面も含めて順調な経営を行っている開業医は「年商1億円」を達成しているというデータからも導き出されています。

そこで「年商1億円医院の設計図」などの著者であり、歯科医院専門税理士でもある山下剛史さんに歯科医院を年商1億円へと導く最短ルートについてお話を伺いました。

連載最後となる今回は、年商1億円を達成するための医院の設計図や、それをベースとした投資方法について解説します。

年商1億円の歯科医院の設計図

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(画像=pixta)

歯科医院の設計図とはどのようなものですか?

歯科医院の支出額についてマイホームを例にお話しします。住まいについて、わたしは賃貸派です。

しかし数年前に妻の要望もありマイホームを購入することになりました。

そこでハウスメーカーの担当者に「まず設計図(間取り図)をつくりましょう」と促されたのですが、いくつかの設計図を机の上に並べてみて気づいたことがあります。

それは家の大きさ(面積)が同じであれば、どの設計図も部屋の大きさはほとんど同じということです。

これに気づいたわたしは、「歯科医院も売り上げが同じであれば、人件費や利益の大きさも同じではないだろうか?」という仮説を立てました。

そこで考えたのが「歯科医院の設計図」です。

家の間取りを考える場合、一般的には玄関、リビング、キッチン、風呂、トイレ、寝室などを必ず配置します。

それと同じように「医院の設計図」で必ず配置しなければならない部屋を以下の7つで設計しました。

  1. 「変動費」の部屋
  2. 「スタッフ給与」の部屋
  3. 「広告宣伝費」の部屋
  4. 「器材投資・借入返済」の部屋
  5. 「その他固定費」の部屋
  6. 「税金」の部屋
  7. 「利益」の部屋
山下剛史_1億円歯科医院の設計図_P60図1

部屋数を7つにした理由は、歯科医院の財務上の重要な指標はだいたいこの7項目におさまると思ったからです。

そして、それぞれの部屋の面積をお金の大きさに置き換えると、売上規模が同じであれば、各部屋の大きさもだいたい同じような間取りになるのではないかと考えたのです。

それぞれの具体的な数字などについては、拙著『年商1億円医院の設計図』をご覧いただければと思います。

投資のポイントを教えてください

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(画像=pixta)

投資の基本は「先行投資」と考えるべきです。

つまり「〇〇万円の投資をするから、年商1億円の歯科医院になれる」という姿勢で、投資に臨まなければならないということです。

ただし、心構えだけで投資は成功しません。

実際、みなさまも「年商1億円の歯科医院では、設計図に描かれたどの部屋が最も売り上げに影響するのか?」が気になっているのではないでしょうか。

売り上げは「広告投資」「人材投資」「器材投資」の3つのバランスで決まります。

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売上高の公式は「単価×数」で示します。しかし保険点数は全国一律なので、保険の売り上げで単価を上げるのは困難です。