歯科経営を変える鍵は「事務長」にあり?

歯科医院の顧客争奪合戦は年々激化しています。勝負を制する視点は「歯科医院はサービス業である」ことと、これを実現するための各種の「経営施策が必要である」ことを自覚できているかです。

歯科医院の価値を評価するのは、院長ではなく患者様です。患者様から選ばれるためには、技術は当然の前提として、サービス業に相応しい接遇や患者満足度も重要になります。

歯科医院をただのクリニックから顧客本位のサービス業へと転換するカギはどこにあるのでしょう。その答えが「経営であり、経営担当者としての『事務長』」です。

裏方であり、そして医院の発展のキーにもなる事務長の重要な役割を詳しく解説します。

「歯科医院はサービス業」の時代

歯科医院の数がコンビニよりも多い時代。家や会社の近くにあるだけで選ばれることはもはやありません。「サービス業であることを自覚した歯科医院でなければ生き残れない」ことは周知の事実と言ってもよいでしょう。

患者様は歯科医院をどうやって選択しているのでしょう。治療を受ける立場で想像してみてください。最も重視するのは「医療の信頼性」そして「苦痛や不安の少なさ」ではないでしょうか。

患者様が医院を選ぶ2つの視点

患者様は歯科治療の良否の判断が難しいため、多くの場合「医療の信頼性」や「苦痛や不安の少ない歯科医院」を次の2つの視点で選んでいます。

  • 丁寧なインフォームドコンセントを徹底しているか
    今の時代、説明もせずに削る・抜く歯科医院は、悪評があっという間に広がり、選択肢から真っ先に消されます。
  • 接遇やホスピタリティが優れているか
    ただでさえ「痛いんじゃないか」という不安が伴う歯科への通院。接遇やホスピタリテイが優れている歯科医院は、治療に伴う苦痛や不安にも当然配慮をしてくれているだろうという推定から、患者様から選ばれやすくなります。

多様化する医院の評価基準

患者様は歯科医院に関する情報を公式サイトやSNS、ポータルサイトの口コミなどから集めます。さらに、他の業種でさまざまな良質なサービスを受けているため、歯科医院のサービスに対しての欲求も高くなっています。患者様が評価するのは治療技術だけではなく、評価の判断基準が多様化しているのです。

「院長の治療技術が高ければお客さんは尽きない」 「丁寧に接客していれば、口コミや紹介だけで患者様が増え、安定経営が可能」

もしそのような認識を持っているなら今すぐ捨てましょう。今後は医療費削減による診療報酬の減少だけでなく、情報発信の巧拙、ホスピタリティの差など、さまざまな面からのさらなる競争激化が予想されます。

私たちがショッピングや旅行にいく時、まずすぐにスマホで情報収集をするのと同じように、歯科医院の情報もすぐにネットで調べられる時代です。他院との差別化を図るためには、歯科医院にもサービス業たる自覚と多面的な経営施策が必要なのです。

今なぜ事務長活用を検討する医院が増えているのか?

自院を時代に即したサービス業に育てたいーーそんな院長の思いに対する1つの答えが「事務長活用」です。弊社にも事務長活用を検討する歯科医院からの相談が増えています。

歯科医院のサービス充実と事務長活用がなぜリンクするのか疑問に思うかもしれません。これは歯科医院のビジネスを考えれば理解できます。

歯科医院は労働集約型ビジネスである

歯科医院の経営は「労働集約型ビジネス」です。歯科医である院長が率先して働かないと経営が成り立ちません。したがって稼ごうとするほど院長は忙しくなり、経営に手が回らなくなる……というジレンマに襲われます。ドラッカーいわく、院長が治療以外の経営面に直接関われる時間は、1日たったの20分しかないそうです。

しかも歯科医は技術職なので、大半の人は経営のことを学ぶ機会がなく開業と同時に経営者になっているのです。また開業後には目の前の業務に追われ経営について詳しく学ぶ時間はなかなか確保できないでしょう。

つまり、患者様に選ばれるためには経営面のテコ入れが不可欠だと分かっているものの、院長自身がその役目を果たすための時間や経験が不十分であるという構図が生まれてしまうのです。

事務長は裏方の運営の専門家

この大きな矛盾を解決するには、マネジメント領域の仕事を一手に代行する機能が欠かせません。歯科医師が治療や診療スタッフのクオリティ向上に専念し、マーケティングや採用などの経営実務を代行してくれる存在との役割分担への希望。事務長活用へのニーズが年々高まっている背景には、こういった事情があるわけです。

この現実に気づいた院長は、経営や事務まわりを任せられる優秀な事務長を探すべく動きだしています。ただ、院長自ら優秀な事務長を見つけることはかなりハードルが高く、事務長活用に成功している歯科医院はまだまだ少ないようです。

労働人口の減少で優秀なスタッフを見つけにくいことに加え、どうやって優秀な人材を見つければいいのか、また良い事務長はどのようなスキルを持った人材なのか、といったことに対して院長自身に経験やノウハウがないからです。

なぜ歯科医院で事務長活用が難しいのか

事務長を採用していたとしても、上手に活用できている歯科医院は多くありません。その最大の理由は、事務長に求められる機能の多様さにあります。

多岐にわたる「経営実務」の仕事

事務長の仕事と一口に言っても、給与計算などの事務的な作業から、採用の媒体管理などの人事戦略、広告などのマーケティング業務に至るまで多種多様です。これらは本来複数のプロが担当するべき業務なので、これを一人でこなせる人材となると数が限られてきます。

当然、相応の待遇を要しますが、院長の中にはかなり安い給料で募集をかける方も珍しくありません。いわゆる「相場観」がズレているケースが目立ちます。

事務長の3つのタイプとは

事務長のタイプは、以下の3つがあります。

  • 経営パートナー型
  • マネージャー型
  • 事務兼秘書型

それぞれのタイプごとに必要なスキルや待遇が当然異なるので、すべてを一人の事務長で賄おうとすると必ず失敗します。

もっともこのようなミスマッチは、経営規模が小さい個人経営の歯科医院だと仕方の無い面があります。病院くらい大きければ、事務長に求める機能も分化しますから、相応のコストをかけて複数のスタッフを配置できます。しかし歯科医院の場合、そこでコストをかけるにはかなり売り上げがないと難しい面があるでしょう。

医院の規模に見る事務長の役割

事務長に求める機能と売り上げの関係について、私どもがサポートしている顧客の例で売り上げ別に説明しましょう。

⬛︎ 5千万〜7千万円クラス
まず、売り上げが5千万から7千万円クラスだと、もう一段の成長のために事務長に求める主な機能は「マーケティング(集客やカスタマージャーニーの構築)」です。この規模では一番大切なのは「患者様を増やす・売り上げをあげる仕組みをつくること」だからです。

⬛︎ 1億〜1億2千万円クラス
これが1億から1億2千万円クラスになると、スタッフが10名前後に増えるので、院長の目の届かない人事的な課題が増えてきます。スタッフの採用、労務、院内コミュニケーションをサポートする人材マネジメント的機能が加わります。またあらゆる雑務の量が膨大になるので、事務周りすべてをカバーしないといけません。

⬛︎ 1億5千万円〜2億円クラス
売り上げが1億5千万円から2億円以上の歯科医院では、チームビルディングやマニュアル作り、分院を設ける際の仕組み作りといった組織化対策まで求められます。

このように事務長の採用を検討する際は、医院の現在のフェーズや課題に応じて検討することが必要です。

まずは「事務長=万能」という意識は捨て、医院の規模によって求める内容が変わってくること、全ての事務的なことを一人でこなせる事務長はほとんど存在しないことをしっかり認識しましょう。それが事務長の採用及び活用の成功の第一歩となります。

弊社では、貴院のフェーズや課題にフィットした事務長活用を提案しております。「プロの事務長をアウトソーシングするとどんなメリットがあるのか」を具体的に知りたい方は、ぜひ一度「Mr.歯科事務長」にご相談ください。

■事務長活用にご興味ある方へ

我々「Mr.歯科事務長」では、貴院のフェーズや課題にフィットした事務長活用を提案しております。「プロの事務長をアウトソーシングするとどんなメリットがあるのか」を具体的に知りたい方は、ぜひ一度「Mr.歯科事務長」にご相談ください。