歯科医師の採用を成功に導く4つの方法

歯科医院を経営するなかで、スタッフの確保は多くの院長が抱える悩みです。

「優秀な人材を採用したくてもうまくいかない」、「すぐに辞めてしまう」といった問題は慢性的な人手不足を生み、歯科医院の経営を大きく左右します。

歯科医師の採用を成功させるポイントを理解しながら、歯科医師の採用方法について確認してみましょう。

歯科医院が歯科医師を採用する手順

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(画像=pixta)

人材確保は歯科医院経営に影響を及ぼす問題です。

自院にマッチした歯科医師を採用するためにも、歯科医師を募集する際に行いたいプロセスがあります。

以下では歯科医師を採用する際の手順を紹介します。

1.求める歯科医師を絞り込む

歯科医師を募集・採用する際はマーケティングと同様、ターゲットの絞り込みを行います。

求めるスキルや診療に対する姿勢など理想の歯科医師像を書き出してみましょう。

求める人物像があいまいだと、ミスマッチによる早期離職の可能性が高くなります。

他のスタッフとも共有し、すり合わせることも大切です。

理想の歯科医師を明確化することで、ターゲットに向けた求人票が作成でき、自医院の魅力や訴求ポイントをしっかりと伝えられます。

2.他院の採用状況をチェックする

歯科医師が転職先を探す際は、複数の候補から転職先を絞り込むのが一般的です。

なかでも経営理念や職場環境、ライフワークバランスなどを重視して勤務先を選ぶ傾向にあります。

自医院が見劣りしないように競合医院の募集方法や採用条件、アピール施策などをチェックしておきましょう。

また、歯科医師が退職する理由としては、人間関係や労働環境への不満、スキルアップといった点が挙げられます。

これらのポイントを重点的にチェックし、見直すことも必要です。

3.最適な採用方法を選ぶ

求める歯科医師像をベースに効果的な採用方法を検討します。

歯科医師の採用ではハローワークや求人サイト、教育機関、自院ホームページなどさまざまな媒体への求人掲載が可能です。

例えば、自院ホームページやハローワーク、教育機関といった方法は、採用コストを抑えられるメリットがあります。

歯科医師専門の求人サイトや転職エージェントなら、コストはかかるものの目に留まる可能性も高くなるはずです。

それぞれの特徴を活かして採用方法を選択しましょう。

歯科医院が歯科医師を採用する4つの方法

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(画像=Proxima Studio/stock.adobe.com)

歯科医師の採用にはさまざまな方法がありますが、数ある採用方法のなかから代表的な4つを紹介します。

最適な採用方法の選択のためにもそれぞれのメリット・デメリットについて理解しましょう。

1.求人サイト
2.専門エージェント
3.広告の掲載
4.自院ホームページ

1.求人サイト

1つ目は、歯科医師向けの求人サイトに求人を掲載する方法です。

例えば以下のような歯科医師に特化したサイトには全国の求人が掲載され、検索できるようになっています。
JobMedley(ジョブメドレー)
Doctor 104(ドクター104)
GUPPY(グッピー)

求職中の歯科医師がアクセスするため目に留まりやすく、応募が見込めるでしょう。

ただし、歯科医師に特化したサイトの多くが有料による求人掲載になります。

掲載は無料でも採用が決定した際に費用がかかる場合もあるため事前の確認が必要です。

2.専門エージェント

あまり数は多くありませんが、歯科医師を専門とした人材紹介会社も存在します。

例えば「ファーストナビ歯科医師」は、全国を対象に個人経営の歯科医院からグループ法人まで、幅広い求人を取り扱っている転職エージェントです。

キャリアエージェントが日程調整や条件のすり合わせなどを全て担当してくれるため、ミスマッチが起こりにくく、採用にかかる時間やコストも削減できます。

ヘッドハンティングなどの依頼も可能です。

3.広告の掲載

広告の掲載も歯科医師採用に利用できる方法の1つです。

近年ではスマートフォンやタブレットの普及に伴い、インターネットへの掲載が増加傾向にあります。

インターネット広告であれば検索エンジン、SNS、ポータルサイトなど掲載する媒体を選べるだけでなく、年齢や地域などターゲットを絞った配信が可能です。

また、表示回数やクリック数などが数字で表されることで施策に反映しやすく、費用対効果が高くなります。

4.自院ホームページ

歯科医師を採用する上で自院ホームページも立派な媒体といえます。

ホームページは自医院の経営方針や診療理念、イメージ、雰囲気といった情報を求職者にアピールできる手段です。

求職している歯科医師の多くは、気になる歯科医院があればホームページをチェックしているため、内容が充実しており、好印象であれば求人に応募する際の材料になるでしょう。

さらに採用専用ページなら求人を検索した際に発見されやすく、流入の可能性が高くなります。

SNSによる発信も合わせて行えば、認知される機会が増え、採用の可能性も高くなるはずです。

既存スタッフの紹介

前述のような外部を使った4つの方法に加えて、自院の既存スタッフから、知り合いの歯科医師を紹介してもらう方法もあります。

知り合いを介しての採用は「リファラル採用」と呼ばれ、近年は一般企業でも広く活用されている手法です。

背景には人材不足や早期離職等の問題から、外部サービスの利用だけでは人材確保が難しいという点が挙げられます。

似た採用方法に「縁故採用」がありますが、「リファラル採用」とは次のような点が異なります。

リファラル採用

スタッフ全員が推薦できるが、選考のうえで採用・不採用を決定

縁故採用

主に役員など影響力のあるスタッフが、採用を前提に推薦する

「リファラル採用」は、自院をよく知るスタッフからの紹介であるためミスマッチが起こりにくく、定着率も高くなる点がメリットです。

また、自院に対する貢献度(エンゲージメント)を高める効果があるとも期待されています。

紹介してくれたスタッフに報酬を支払うケースもありますが、人材紹介会社や求人広告を利用するよりコストが抑えられ、優秀な人材を確保しやすい採用方法です。

歯科医師の採用で成功するポイント

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(画像=Paylessimages/stock.adobe.com)

求める歯科医師像を絞り込み、採用方法を検討することは重要です。

しかし、自医院に興味を持たせ、働きたいと思わせることが何より大切ではないでしょうか。

歯科医師の採用を成功させるための対策を紹介します。

働き方を整備する

2019年4月から順次施行されている働き方改革関連法により、歯科医師にも時間外・休日労働を「月45時間・年360時間(特別条項を設ける場合720時間)」までとする上限規制が適用されています。

「歯科医師等の働き方改革に関する答申書」(2020年)によると、一般病院に勤務する歯科医師のうち、勤務時間が週60時間を超える割合は20%超であるのに対し、歯科医院(歯科診療所)に勤務する常勤の歯科医師では5.4%に留まっています。

働き方改革に取り組み、職場環境を整備することは、歯科医院の魅力として病院勤務の歯科医師に対するアピールポイントになるでしょう。

自医院の魅力をアピールする

歯科医師の採用を成功させるためには、求職者に対して自医院の魅力をしっかりとアピールすることが重要になります。

歯科医師が重視するのは労働環境、人間関係、成長性、待遇といったポイントです。

自医院が優れているポイントを洗い出し、読み手の歯科医師に対して分かりやすく、また目に留まるように訴求を行いましょう。

紹介した4つ以外にもさまざまな採用方法がありますが、どのような方法を選ぶにしても求職者は必ず候補とする歯科医院のホームページをチェックします。

内容を充実させておくことで「この歯科医院で働きたい」と思わせやすくなり、採用の成功につながります。

まとめ

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(画像=Ксения Левашова/stock.adobe.com)

歯科医師国家資格試験の合格率が低迷しており、今後、歯科医師が不足すれば人材の確保も難しくなります。

歯科医師を採用し、早期離職を防ぐには自医院にマッチした人材の絞り込みとターゲットに合った採用方法の選択が不可欠です。

さらに歯科医師の採用を成功させるためには、採用にのみフォーカスを当てるのではなく、歯科医院全体の人事・労務管理体制の整備を考える必要があると言えるでしょう。

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あきばれ歯科経営 online編集部

歯科衛生士でもある「あきばれホームページ」歯科事業部長の長谷川愛が編集長を務める歯科医院経営情報サイト「あきばれ歯科経営 online」編集部。臨床経験もある歯科医師含めたメンバーで編集部を構成。

2021年5月14日「あきばれ歯科経営 online」正式リリース。全国1,100以上提供している「あきばれホームページ歯科パック」による歯科医院サイト制作・集客のノウハウを元に、歯科医院経営を中心とした歯科医院に関する様々な情報を経営に役立つ観点からお届けする。