歯科衛生士の採用を成功させる6つのポイントと求人状況・成功の秘訣

「優秀な歯科衛生士を採用する方法が分からない」「どうしても歯科衛生士の採用に失敗してしまう」といった悩みを抱える歯科医院(歯科診療所)の院長も多いのではないでしょうか。

本記事ではまず歯科衛生士の採用に関する現状をご説明した後、歯科医院が歯科衛生士を採用する際の6つの方法やポイントと、採用に成功する3つの秘訣と事例について具体的に解説します。歯科衛生士の採用にお悩みの院長はぜひ参考にしていただければと思います。

歯科衛生士の採用に関する現状と採用が難しい理由

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(画像=taka/stock.adobe.com)

歯科衛生士の採用に関する現状として、圧倒的な売り手市場(歯科衛生士が歯科医院を選びやすい状況)という特徴があります。

例えば新卒の歯科衛生士について、全国歯科衛生士教育協議会「歯科衛生士養成教育に関する現状調査の結果報告」(令和3年6月)によると、歯科衛生士養成校を出て就職する歯科衛生士6,182人に対する求人数は約12万で、求人倍率は19.4倍に上っています。これは20の歯科医院が1人の歯科衛生士を取り合う状態です。

このような売り手市場の傾向は5年ほど続いているので、歯科医院は慢性的に人手不足のうえになかなかよい人材を採用できない環境といえます。そのようななかで歯科医院が採用に成功するには、採用方法をしっかり検討する必要があります。

歯科医院が歯科衛生士を採用する6つの方法

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(画像=taka/stock.adobe.com)

歯科衛生士の採用方法はさまざまですが、そのなかから代表的な以下6つの方法と、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。

  • 求人サイト
  • 求人検索サイト
  • 専門エージェント
  • web広告を掲載する
  • 紙媒体の広告を掲載する
  • 学校への求人票
  • 自院ホームページ

歯科衛生士を採用する方法1.求人サイト

1つ目は歯科衛生士向けの求人サイトに求人情報を掲載する方法です。代表的な求人サイトには以下があります。

  • Quacareer(クオキャリア)
  • GUPPY(グッピー)

求人サイトは、歯科衛生士が仕事情報を検索するためにアクセスしているサイトなので、「目に留まりやすく応募が見込める」というメリットがあります。求人サイト内の人気キーワードには「社会保険完備」「駅近」「土日休み」「残業なし」などがあります。

一方、求人サイトによっては数万~数十万円もの掲載費用がかかるというデメリットがあります。

メリットとデメリットをまとめると下記の通りです。

  • メリット:仕事を探している歯科衛生士にアプローチしやすい
  • デメリット:数万~数十万円の掲載費用がかかる

歯科衛生士を採用する方法2.求人検索サイト

2つ目は求人検索サイトを利用する方法です。歯科衛生士の新卒案件を掲載している歯科医院も多く、代表的な求人検索サイト(求人検索エンジン)には以下があります。

  • Googleしごと検索
  • Indeed(インディード)

求人検索サイトは、歯科医院ホームページや求人サイトなどに掲載されている求人情報を検索エンジンが自動で取得し、仕事を探している歯科衛生士が仕事を検索した際に該当する求人情報を表示する媒体です。求人サイト同様に「歯科衛生士の目に留まりやすい」というメリットがあります。

求人検索サイトの利用は基本的に無料ですが、優先表示させるために有料プランに申し込むと費用がかかるという点はデメリットといえるかもしれません。

メリットとデメリットをまとめると下記の通りです。

  • メリット:仕事を探している歯科衛生士にアプローチしやすい
  • デメリット:有料プランに申し込むと費用がかかる

歯科衛生士を採用する方法3.専門エージェント

3つ目の方法は歯科衛生士向けの人材紹介会社(専門エージェント)です。スカウトやヘッドハンティングなどの依頼も可能で、スキルが高い優秀な歯科衛生士を採用しやすいというメリットがあります。

日本歯科新聞社が発行している日本歯科新聞には、過去に歯科衛生士のヘッドハンティングに関する投稿が掲載されたことがあり、一般病院・歯科医院間での人材争奪戦が増えているようです。

人材紹介会社は採用が確定した段階で成果報酬が発生しますが、成果報酬は求人サイトや求人検索サイトよりも高額になりやすいというデメリットがあります。

メリットとデメリットをまとめると下記の通りです。

  • メリット:スキルが高い歯科衛生士を採用しやすい
  • デメリット:求人サイトや求人検索サイトよりも高額になりやすい

歯科衛生士を採用する方法4.web広告を掲載する

4つ目はインターネットなどで求人広告を掲載する方法です。インターネット広告は年齢、地域などで絞り込みが可能なので費用対効果が高いというメリットがあります。以下のような広告出稿先の媒体を任意に選ぶことができるという点もメリットです。

  • 検索エンジン
  • SNS
  • ポータルサイト

あくまでも広告なので、広告費用がかかる点はデメリットといえます。なお、広告は最初の接点であり、広告を経由して自院ホームページに誘導するなどその先の備えも重要です。

メリットとデメリットをまとめると下記の通りです。

  • メリット:広告出稿先の媒体を選べて絞り込みが可能
  • デメリット:広告掲載のための費用が発生する

歯科衛生士を採用する方法5.紙媒体に広告を掲載する

5つ目は次のような紙媒体に広告を掲載する方法です。

  • フリーペーパー(地域求人誌)
  • 新聞折込
  • ポスティング

駅・コンビニ・飲食店などに置かれる求人用のフリーペーパー(地域求人誌)は、対象エリアを絞った求人募集に効果的です。

日曜日の朝刊に折り込まれることが多い新聞折込チラシも、地域を限定して求人広告を掲載することができます。

マンションや戸建ての郵便受けに直接求人チラシを入れるポスティングも検討の余地はあるでしょう。

メリットとデメリットをまとめると下記の通りです。

メリット:地域を絞って求人を募集できる デメリット:広告掲載・配布の費用がかかる

歯科衛生士を採用する方法5.学校への求人票

6つ目の方法は学校への求人票です。歯科衛生士を養成する大学・短期大学や専門学校の就職課に求人票を送付することで、採用につながる可能性があります。まずは自院の歯科衛生士のOB・OGの大学就職課への問い合わせを検討するとよいでしょう。

求人票の受付や掲載が無料な点は魅力ですが、基本的に新卒の歯科衛生士が対象となるため「即戦力としての人材は期待できない」というデメリットを伴います。ただし卒業生のネットワークを保有し、中途・パート向けの求人情報を募集している学校もあります。

メリットとデメリットをまとめると下記の通りです。

  • メリット:無料で求人票の受付と掲載を行ってもらえる
  • デメリット:基本的に即戦力の歯科衛生士は期待できない

歯科衛生士を採用する方法6.自院ホームページ

6つ目の方法は自院ホームページです。歯科衛生士を採用するうえで有用な媒体となり得ますし、採用ページを設置しておけば、求職中の歯科衛生士が検索した時に発見されやすく流入が見込めます。

ホームページが充実して歯科衛生士に好印象を与えることができればアピール材料になります。そのためには以下の要素が大切です。

  • デザイン
  • キャッチコピー
  • コンテンツ

GoogleやYahoo!といった検索エンジンで歯科情報を検索した時に、自院を検索結果の上位に表示させるSEO(検索エンジン上位対策)によるアクセスは無料なので、その点はメリットです。ただし、SEOにはそれ相応の時間がかかるため、短期間で有能な人材の採用につながるわけではない点にご注意ください。

メリットとデメリットをまとめると下記の通りです。

  • メリット:SEOによるアクセス流入は無料
  • デメリット:短期間で採用するには難しいケースがある

職場選びで歯科衛生士が注目するポイント

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(画像=pixta)

歯科衛生士の立場になって職場選びを考えることで、選ばれる歯科医院を実現しやすくなります。

職場選びで歯科衛生士が注目するポイントには次の3つがあります。

  • 働きやすさ
  • 職場の人間関係
  • 待遇・福利厚生

働きやすさ

「歯科衛生士の勤務実態調査報告書」(2020年)によると、「最後に勤務していた職場を退職した理由」(複数回答)として最も多かったのは「出産・育児」(16.7%)で、3位は「自分の健康」(14.4%)、6位には「勤務形態・勤務時間」(11.7%)が入っていました。

「勤務する歯科医院と家庭との両立」という観点は、歯科衛生士が勤務先を選ぶ時や、長く働き続けるかどうかを検討する際に重要です。

職場の人間関係

「最後に勤務していた職場を退職した理由」では、退職理由の2番目が「経営者との人間関係」(15.6%)で、10位には「同僚との人間関係」(7.6%)も入っていました。

「最後に勤務していた職場で改善してほしかったこと」という質問に対しても、「院長等、職場の人間関係」(26.9%)がトップなので、人間関係を重視する歯科衛生士が多いことがうかがえます。

職場の人間関係による退職は普遍的な悩みではありますが、この調査結果から、歯科医院で歯科衛生士を確保するうえでも人間関係は重視すべき課題だということが分かります。

待遇・福利厚生

「最後に勤務していた職場を退職した理由」の5位は「給与・待遇の面」(12.9%)でした。11位には「長時間勤務・過重労働」(7.0%)が入っています。

また「最後に勤務していた職場で改善してほしかったこと」では2位に「待遇改善(ベースアップ・定期昇給等)」(24.3%)、5位が「福利厚生の充実」(14.8%)となっていました。

歯科衛生士はスキルアップを重視している人も多く、「研修・セミナー」や「資格取得奨励金制度」の有無も注目されるでしょう。

歯科衛生士の採用で成功する秘訣

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(画像=milatas/stock.adobe.com)

歯科医院が歯科衛生士採用で成功する秘訣には、以下の3つがあります。

  • 希望する歯科衛生士の絞り込み
  • 自院の魅力の洗い出し
  • 歯科衛生士へのアピール

それぞれ具体的に見ていきましょう。

求める歯科衛生士を絞り込む

歯科衛生士の採用には主に次のパターンがあります。

  • 新卒
  • 転職
  • 復職

例えば「新卒の若手ならキャリアアップ・成長志向」「転職なら給与・職場環境」「復職なら働きやすさ・研修制度の充実」など、それぞれのニーズに応じて歯科衛生士を絞り込みましょう。

ターゲットを絞り込むことで、前述した6つの採用方法のどれを選ぶかも明確になります。例えば新卒なら学校への求人票、転職なら求人サイトや人材紹介会社、復職なら自院のホームページに復職に関する情報を掲載する、などの方法が考えられます。

なお、歯科衛生士側が選ぶ立場なので、常に「他院と比較されている」という意識が重要です。他院の福利厚生などもしっかりチェックしましょう。

自院の魅力を洗い出す

歯科衛生士それぞれのターゲットニーズに応じて、自院の魅力を明確化することも大切です。特に以下のポイントを重視しましょう。

  • 院長先生の人柄
  • 人間関係
  • 条件面

一般的に歯科衛生士は院長先生の人柄を気にしますし、他の歯科医師や歯科衛生士、歯科助手との人間関係も働きやすさに影響します。自院は客観的にどうなのか、給与や勤務時間などの雇用条件も含めて、どのような魅力があるかを洗い出しましょう。

歯科衛生士にしっかりアピールする

歯科衛生士の新規採用においては自院の魅力を洗い出し、必要に応じて整備するだけでなくしっかりアピールすることも重要です。求職者が当たり前の要素として求めているポイントには以下があります。

  • 残業が少ない
  • 社会保険完備
  • 有給休暇がしっかり付与される
  • 休みやすい

他にも求人サイトによっては、院長先生の動画、インタビュー、その他動画の有無で求人を絞り込めるようになっており、歯科医院の人間模様や雰囲気を伝えることは不可欠といえます。

また、歯科衛生士は歯科医院の雰囲気を探るうえでホームページをチェックします。院長先生・スタッフなどの人間関係や職場環境が伝わるようにホームページを充実させると効果的でしょう。

歯科衛生士の採用で成功している歯科医院の事例

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(画像=pixta)

歯科衛生士の採用で成功している歯科医院として「統鶴会スマイルデンタルクリニック」と「大村ファミリー歯科」の事例を紹介します。

統鶴会スマイルデンタルクリニックは求人専用サイトを作成し応募者にアピールし、大村ファミリー歯科は長崎県大村市で家族層向けに歯科治療を提供しています。

求人専用サイトを作成し応募者にアピール

千葉県で3件の歯科医院を展開する統鶴会スマイルデンタルクリニックは、患者向けのホームページとは別に、人材採用のための求人専用サイトを公開しています。

求人専用サイトでは、写真をふんだんに用いながら「働くスタッフの声」「働くメリット」「一日の流れ」などの内容を紹介しています。

そのような働き方をイメージしやすい工夫によって歯科衛生士や歯科助手・医師の採用につなげている歯科医院の好事例です。

求人専用サイト公開後、1ヵ月半という早い段階ですぐに応募があり、2017年9月までに歯科衛生士を5名採用という実績を残しています。

自院ホームページで理念・方針を積極発信

長崎県大村市で家族層向けに歯科治療を提供する大村ファミリー歯科は、自院ホームページに「院長の思い」「医院の特徴」というコンテンツを設けています。

「院長の思い」では、「愛情を持って、おせっかいスタッフになろう」というメッセージを打ち出しています。

そのように患者だけでなく働き手に対しても医院の理念・方針を発信することで安心感を与え、歯科衛生士の応募獲得につなげている歯科医院の事例です。

2016年の前半8ヵ月間は求人応募がなかったものの、自院ホームページ公開の12月から1ヵ月で4人集まったという実績を残されています。

まとめ

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(画像=Mihai Simonia/stock.adobe.com)

歯科衛生士は圧倒的な売り手市場なので、採用に際してまずは以下を考えるとよいでしょう。

  • 採用する歯科衛生士の絞り込み
  • 自院の魅力の洗い出し
  • 歯科衛生士へのアピール方法

その後に具体的な求人方法を検討します。一般的な採用方法には、以下の6つがあります。

  • 求人サイト
  • 求人検索サイト
  • 専門エージェント
  • 広告を掲載する
  • 学校への求人票
  • 自院ホームページ

なお、採用成功のノウハウを知るには、採用セミナーへの参加も効果的です。「コストがかさむばかりで採用できない」「半年以上募集しているのに採用できない」といった悩みが解決できる可能性があるので、ぜひ以下をチェックしてみて下さい。

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