歯科治療の押し売りはしたくない 患者が自ら行動する電話連絡のやり方

年々、経営環境が厳しくなっていると言われる歯科医院。

多額の初期投資によって開業したものの、さまざまな経営上の問題に直面して悩んでいる院長は多くいらっしゃいます。

この連載では、多くの歯科医院の経営に関するコンサルティングを手掛けているユメオカの代表である丹羽 浩之が、歯科医院が事業拡大を目指す中で出てきたお悩み相談を受け、これまでの経験を踏まえて課題の解決のヒントを提示していきます。

今回は、「患者さんに寄り添うフォロー」に関するご相談です。

患者への治療提案が“ただの押し売り”と思われないためには

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(画像=pixta)

■相談内容
「インプラントに関心がある」という問い合わせが増えています。

その中には、『また後で連絡します』という患者さんが毎月います。

後日連絡して治療する方は、半数程度。なるべく多くの方に治療を受けてもらいたいと思いますが、押し売りだと思われたくないという考えもありこちらから連絡することをためらっています。

何かよい方法はありますか?

その後の連絡が来ない患者の3つのパターン

問い合わせした後に連絡が来ないという患者には、

  1. 治療しないと決めた
  2. 忘れている」
  3. 迷って判断がつかない

の3つのパターンがあると考えられます。

それぞれへのアプローチとしては、

「1⇒連絡して、無理な説得はしない」
「2⇒連絡して、再度検討してもらう」
「3⇒治療を受けたくなるきっかけを提供する」

という方法を取ることをお勧めします。

特に2、3のパターンのフォローでは、今後の自院の成長にもつながることも多いです。

それでは、インプラントなどの治療提案を無理強いしていると思われないためには、どうすればいいのでしょうか?

そのためには、まず患者に対して「営業電話ではない」ことが明確に伝わるように工夫する必要があると思います。

その上で、その患者がインプラント治療で来院しやすい流れを作ることが重要です。

患者さんの自発的な行動をサポートできる連絡例

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(画像=pixta)

実際、どのように連絡を取ればいいのでしょうか。

そのポイントとしては「患者さんが自発的にインプラント治療をしてもらえるようにする」ことです。

以下、電話での連絡事例をご紹介します。

■具体例
「インプラント治療に関心があるとお伺いしておりますが、当院の今後の対応状況についてご説明したくご連絡しました」

先述の2、または3という状況であれば、「何かお困りごとなどありますか?」など来院しやすいように支援することが大切です。

より良いフォローのために取り組むべきこと

こうしたフォローを自院で実現するためには、まず何から始めるべきなのでしょうか? 

その方法として、私たちユメオカでは、受付スタッフや歯科助手などを中心に、定期的なトレーニングを実施することをお勧めしています。

また、医院スタッフ全員で情報共有することも望ましい場合もあります。

「どうすれば患者さんの後押しができるか」について、トークスクリプトを考えて実際にロールプレイングなどを実施することに取り組んでみてはいかがでしょうか。

定期的に実施することで、現場スタッフのマインド設定や下地作りが可能になります。

患者さんに寄り添うスタンスが大切(支援例)

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(画像=pixta)

ユメオカでは、パートナーになった歯科医院との定期的なフォローやミーティングの場を通じて、そうした患者に寄り添った対応の定着化を支援しています。

たとえば、院長と対応方針を決めた後、スタッフとのミーティングで全体的に共有したり、個別面談を通して各スタッフのフォローを実施するという枠組みが考えられます。

その際の前提となるのが「ビジョンの共有」です。

医院のビジョンを全員で理解した上で最適な対応を構築していくことが大切です。

また、「患者さんが迷っていれば、来院しやすいように努める」ことを、「やめたいということであれば、その考えを尊重する」ことが大切です。どちらの場合でも、患者さんに寄り添った対応が重要です。

単に経営目標を追いかけるためではなく、患者さんの考え方に寄り添うというスタンスこそが、地域住民に求められる、選ばれる歯科医院の姿ではないでしょうか。

「予防管理型経営」による業界の活性化を支援

ユメオカとは「夢とお金の作戦会議」の略。私たちは、これまで全国3,000以上の医院に教材を販売したり、経営改善の支援をしてきました。

歯科医院のリコール率を向上させる「予防型経営ビジョナリー・コンサルティング」によって、歯科業界のスタンダードになりつつある「予防管理型経営」による業界の活性化に取り組んでいます。

多くの経営コンサルティングサービスが「リコール率の向上」や「新規患者の集客」などの施策をアドバイスする形態を取っています。

一方、私たちが実践するビジョナリー・コンサルティングでは、リコール率向上以前の問題である「院長の漠然とした経営に対する不安の解消」に重きをおいています。

たとえば、院長が不安を抱えていると、目の前にいる患者さんに集中できなくなり、勤務医やスタッフとのコミュニケーションギャップやすれ違いが生まれ、経営にも悪影響を及ぼします。

不安の2大要素「スタッフとお金」をどう解決するか

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(画像=pixta)

また、院長の漠然とした不安の2大要因は「スタッフ」と「お金」です。

スタッフとのギャップや設備投資などでのお金の面での不安が解決しない限り、医院の成長は望めません。

そのため、ビジョナリー・コンサルティングでは、院長の心の平穏状態を確保できる環境を整えながら、医院のビジョンの実現に向けたアクションを支援する「2階建てのパートナー・コンサルティング」を展開しています。

1階部分では、院長の心が穏やかになる状態を保ち、診療や経営に集中できる環境を構築していきます。

たとえば、スタッフに対する不安についてはコンサルタントが個別面談を通して双方のギャップを早期に発見したり、その解決をお手伝いします。

2階部分では、院長の頭の中にある医院のカンパニースピリッツを引き出して整理し、具体的なアクションプランを形作ります。

それを院長やスタッフとの共通言語として活用し、実現の支援に注力するのです。

歯科治療の押し売りはしたくない 「患者に寄り添う歯科医師のフォロー」の仕方と具体例
2階建てパートナー・コンサルティングのイメージ図(株式会社ユメオカ提供)

ユメオカでは「ビジョン」と「お金(数値)」を両輪として、医院の成長に必要な条件を明確にした上で、その到達までの道筋を逆算して描いていきます。

また、コンサルタントは院長とスタッフの間に入って双方のギャップを解消し、細かく軌道を修正するお手伝いをしております。

医院経営に課題やお悩みを抱えている院長の方は、ぜひ気軽に相談していただければと思います。

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DXという言葉はよく聞くけどイメージがわかない、まずは知ることからはじめたいとお考えの院長は、こちらをご確認頂ければと思います。

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予防型歯科医院で「昇給・カリキュラム作成・空き時間活用」に悩む院長はこちらをご確認頂ければと思います。

予防型経営★実践アカデミー

予防型歯科医院づくりに邁進する全国の院長が集まっているのが、予防型経営★実践アカデミー。 会員制(月額5,500円)で「学び・交わり・相談できる」場となっていて、ユメオカ共通言語をもとに、他医院の事例を学び、zoomなどで交流し、個別相談も可能です。

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丹羽 浩之

株式会社ユメオカ 代表

大学時代に統計工学を専攻後、コンサルティング営業の世界へ(2004年に独立)。2008年に株式会社ユメオカを設立。

医院の想いが伝わらず、自費率やリコール率が低く苦難する多くの歯科医院の存在を知る。「単なるノウハウ提供、他医院の事例提供」ではない「考え方と豊富な具体例」により、院長の経営力育成と医院ビジョン実現に貢献するコンサルティングスタイルを確立。

「院長の考えを整理すること」「分かりやすく数字で裏付けること」「患者心理に沿った診療システムをつくること」を得意とする。2016年からは予防管理型歯科医院経営を業界横断的に推進する活動をはじめ、歯科界に新たな価値提供をし続けている。