歯科技工士採用のポイントと院内技工が与える医院・患者双方のメリットとは

歯科技工士は離職率が高く、養成学校への入学者も年々減っているため、優秀な人材の確保がとても難しくなっています。院内技工を行っている歯科医院でも歯科技工士の人材確保が悩みの種となっているケースは多いでしょう。

この記事では、歯科技工士採用の現状や具体的な求人方法を詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

院内常駐歯科技工士を採用するメリット

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(画像=ponsulak/stock.adobe.com)

義歯といった補綴物や矯正装置などの製作は歯科技工所に外注するのが一般的ですが、自院で歯科技工士を採用するという選択肢もあります。ここでは、院内技工のメリットをご紹介します。

患者さまをお待たせせずスピーディーに治療できる

補綴物を外注した場合、形成・印象からセットまでに1~2週間ほどの期間を要します。もちろんその期間は、患者さまに仮歯で過ごしてもらうことになるので、生活上の不便をかけてしまいます。万が一、仮歯が脱離したままの場合には、せっかく完成した補綴物が合わなくなるというトラブルが発生するリスクもあるでしょう。

院内技工の場合には、歯科医院側で技工物製作の優先順位をコントロールでき、配送の手間もかからないため、患者さまの状態やご要望に合わせてスピーディーに治療可能です。これによって患者さまの満足度向上が期待できます。

治療の精度を高められる

院内に歯科技工士が常駐していれば、歯科医師と直接コミュニケーションを取ることができるので、治療の精度を高められるというメリットもあります。直接診療に立ち合って患者さまの顔や口腔内の状況を目で見て確かめたり、完成後にその場で微調整をしてピッタリ合った技工物を製作することができます。

また歯科技工士が常駐していることによって、「セットしたセラミッククラウンが割れた」「義歯が破折した」などのトラブルが発生した際も素早く対応することが可能です。

他院との差別化を図れる

歯科技工士が常駐している歯科医院は少ないため、院内技工を採り入れている=歯を入れる治療完了までの時間が短いこと自体が他院との差別化につながります。

また歯科技工所に外注しないことで、中間マージンが発生しないのもメリットです。結果的に治療費を安くできるので、それが自院のアピールポイントになります。

このように、歯科技工士の常駐は、医院・患者双方にメリットがあると言えます。

歯科技工士採用の現状

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(画像=polkadot/stock.adobe.com)

新卒の有効求人倍率は10倍以上

歯科技工士の離職率は非常に高く、養成学校への入学者も年々減ってきています。そのため優秀な歯科技工士を採用することはとても難しく、新卒の有効求人倍率も10倍以上になっていると言われています。

歯科技工については、CAD・CAMなどデジタル化への移行が進んでいますが、まだまだ100%機械任せにするまでには至っていません。むしろ、患者さまからはより質の高い治療が求められるようになっており、確かな技術力を持った歯科技工士の必要性は高まっています。

それに加えて、高齢化による義歯・インプラントなどの欠損補綴や、セラミック治療などの需要増加も起こっており、歯科技工士の人手不足の問題はますます深刻になることが予測されています。

離職の理由は労働環境の悪さ

歯科技工士の離職理由を見てみると、そのトップは給与や待遇面です。

日本では、公定価格の低さと市場の競争激化により歯科技工料がかなり安くなっているのが問題視されています。歯科技工所としても、薄利多売で利益を確保するため、コストを抑えながら限られた人員で多くの注文を捌くしかありません。

その結果、現場で働く歯科技工士が長時間労働に疲弊しながらも、それに見合った給料が支給されないという問題が起こるのです。これが、離職率が高くなる最大の原因と言えるでしょう。

全国保険医団体連合会の報告によれば、新卒5年で75%の歯科技工士が離職しているというデータが出ています。また3人に1人が過労死ラインで働いているというデータもあり、労働環境の改善が叫ばれています。

歯科技工士を採用するためのポイント

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(画像=taka/stock.adobe.com)

魅力的な条件を提示する

前述の通り、歯科技工士の悩みは「労働時間が長すぎる」「その長時間労働に見合った給与が与えられていない」という点です。歯科技工士を採用するためには、できる限り魅力的な条件を提示するのが重要になります。

歯科技工士はその労働の特性上、どうしても労働時間が長くなりがちです。適切な給与を提示するのも大事ですが、まずは労働時間を是正するための取り組みをし、福利厚生などの労働環境を整備することが求められるでしょう。

もちろん歯科技工士に十分な給与を提示するためには、相応の利益率を確保できる経営状況が前提です。自費率を高めるための工夫など、院内技工のメリットを最大限生かして経営を安定化させる取り組みが必要でしょう。

働きやすい設備環境を整える

働きやすい設備環境を整えることも重要なポイントです。第一に、歯科技工士が安心・快適に作業できる技工室を用意しましょう。歯科技工作業に伴う健康被害の中で、特に問題となっているのが「じん肺」です。これは粉塵が舞う環境で作業をすることによって、肺の中に粉塵が蓄積されていくものです。

また、感染症についても十分に気を遣わなくてはなりません。粉塵や感染症に対しては、バキュームや空気清浄機などの設置によってリスクを緩和できます。

また、技工のための最新設備を導入するのも、技工士のモチベーションを保つ上で重要です。例えば、今後ますますニーズが高まることが予測されるスキャナーやミリングマシンなどのCAD・CAM設備や、マイクロスコープなどが挙げられます。

歯科技工士を採用する方法

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(画像=Mihai Simonia/stock.adobe.com)

ハローワーク

ハローワークは、現在でも転職先・就職先を探す方法として最も多く利用されています。ハローワークの一番のメリットは、無料で求人を掲載できること。登録しておくことによるデメリットはほぼ発生しないため、まずは登録しておくとよいでしょう。

ただし、掲載できる情報が限定的なため、自院の魅力をしっかりと伝えづらいのが難点です。

求人サイト

最近ではインターネットを使って求職活動をする人が多く、歯科業界専門の求人サイトも複数登場しており、歯科技工士の求人にもよく利用されています。エリアや待遇など条件で絞って検索するのが一般的なため、求めている人材にアプローチしやすいのが特徴です。反面、必然的に他の求人と比較されやすいため、自院の魅力を分かりやすく伝える必要があります。

民間の求人サイトは掲載費用や成功報酬などの費用がかかるため、費用対効果をしっかりと計算した上で利用を検討しましょう。

歯科技工士養成校

年々入学者が減ってはいるものの、歯科技工士養成校は現在も意欲ある若い人材を育て続けています。歯科技工士養成校に求人票を登録することで、アルバイトと正社員の両方を募集できます。

将来ある若い人材を採用できるのは良いですが、裏を返せば経験の浅い人材しか採用できないということになります。経験豊富でスキルの高い人材を求めているならば、別の方法を検討しましょう。

自院のホームページ

特にインターネットをよく利用する若年層は、自宅近くの歯科医院を検索してみたり、求人サイト経由でホームページにアクセスして、さらに詳しい情報を得ようとしたりするのが一般的です。

そのため自院のホームページをしっかりと整え、できれば求人専用のページも用意しておくのがおすすめです。その際は、なるべく職場環境を詳細に伝え、良いイメージを持ってもらうよう心掛けましょう。

まとめ

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(画像=Viacheslav Lakobchuk/stock.adobe.com)

歯科技工士は離職率が高く、養成学校への入学者も減っているため、人材の確保がとても難しくなっています。

採用にあたっては、とにかく魅力的な条件を提示する(そのために経営基盤を安定させる)ことが重要です。今回ご紹介したポイントを参考にして、歯科技工士の採用に役立てみてください。

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