歯科医院の差別化7つのアプローチ|他医院にはない価値を提供しよう

昨今の歯科医院経営において特に重要となっているのが「差別化戦略」です。強みを生かした、他にはない「自院ならではの価値」を提供することで、優位なポジションを獲得できます。

そこで今回は、歯科医院における差別化戦略の重要性や、差別化を実現する7つのアプローチを紹介します。

歯科医院が差別化戦略を重視すべき理由

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(画像=milatas/stock.adobe.com)

歯科医院の数はコンビニより1万以上多い

厚生労働省が発表したデータ「医療施設(動態)調査・病院報告の概況」によると、歯科医院の施設数は2019年時点で68,500となっています。2011年以降は微減傾向にありますが、2019年時点のコンビニの店舗数が55,620なので、歯科医院はコンビニより1万以上も数が多いということです。

このような現状を鑑みて、歯科医院は供給過剰であるという意見も出てきています。実際、都心部や駅前周辺などを見てみると、狭い範囲に歯科医院が密集しているため、競争が激しくなっているエリアも多いのです。

また、日本の人口減少問題を踏まえると、来院する患者さまが今後減ってしまう可能性も考えられます。そうなると競争はさらに激化するため、今のうちから差別化戦略に取り組むことが大切です。

患者さまのニーズは多様化している

近年、人々のライフスタイルやワークスタイルが多様化していますが、それにともなって患者さまの治療ニーズも日々変化しています。

例えば、歯科治療というと以前は「虫歯を削って詰め物を入れる」といった内容が当たり前でした。しかし、現在はう蝕の有病率自体が減少しており、患者さまは「できるだけ削らず自分の歯を残せる治療」や「予防歯科」を求めています。

つまり、従来の歯科治療を提供するだけでは、患者さまのニーズに応えられないということです。

また、価値観の変化や医療テクノロジーの進化にともない、「お金をかけてでも良い治療を受けたい」という人が増え、自費治療へのニーズも高まっています。多様化するニーズをしっかり捉えつつ、差別化戦略に取り組みましょう。

歯科医院の差別化を実現する7つのアプローチ

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(画像=Paylessimages/stock.adobe.com)

差別化戦略における具体的なアプローチを以下にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

歯科医院の差別化戦略1.診療圏分析を行う

患者さまが歯科医院を選ぶに当たって、優先的に考慮されるポイントが「場所(立地)」です。

日本歯科医師会が発表した「歯科医療に関する生活者調査」によると、かかりつけ歯科医を選んだ理由の第1位は「通院に便利な場所にあるから」となっています。つまり、患者さまの多くは通いやすい場所にある歯科医院を選ぶということです。

歯科医院の経営戦略を考えるときは、まず「当該エリア内にいる患者層(年齢・家族構成・年収など)」および「現在、他にどのような歯科医院が存在するか(競合)」を調査・分析する必要があります。

その結果を踏まえた上で、当該エリアでニーズが高く、なおかつ競合にはない自院ならではの価値を提供しましょう。

歯科医院の差別化戦略2.特定の領域に特化する

患者さまに選ばれる歯科医院を目指すなら、自院の強みや得意分野を生かした特化型の経営スタイルを確立させるのがセオリーです。

これを実現するためには、診療圏分析で得られたデータをもとに、「提供する治療(技術)」×「患者層」という視点から自院のコンセプトを明確化することが大切です。

例えば、小児歯科を専門としている場合、子育て世代やファミリー層が多いエリアを選んで、「お子さまも親御さまも安心して通える歯科医院」といった目標を設定します。そうすれば、託児サービスの提供やお子さま向けのイベント開催など、実施すべき具体的な施策も見えてくるでしょう。

自院のコンセプトや方向性が明確になれば対象となる患者層も絞られ、マーケティング戦略や広告戦略も立てやすくなります。

歯科医院の差別化戦略3.ニーズの高い治療に対応する

差別化を実現するなら、ただ単に治療の幅を広げるのではなく、患者さまのニーズが高い治療に対応することが大切です。

特に以下のような歯科治療は近年ニーズが高まっているので、しっかりチェックしておきましょう。

  • 予防歯科
  • 審美歯科(セラミック治療・マウスピース矯正・ホワイトニングなど)
  • インプラント治療
  • 訪問診療
  • ドライマウス治療
  • 口臭治療

このような歯科治療をメニューに導入すれば、多様化するニーズにも応えられます。

ただし、どの治療に対応するかは、開業するエリア(患者層)に合わせて検討することが大前提です。例えば、高齢者が多いエリアなら訪問診療、平均年収が高いエリアなら審美歯科やインプラント治療を取り入れると、集患につながりやすいでしょう。

歯科医院の差別化戦略4.院内環境を整える

歯科医院を選ぶ理由として、院内環境も重要なポイントの一つです。院内の清潔さや快適性はもちろん、雰囲気もチェックされているので、普段から院内環境をしっかり整えておく必要があります。

また、自院でのコンセプトに合わせた内装設計とすることで、差別化した価値を分かりやすく訴求できます。

  • 審美歯科など自費メイン:高級感のある内装、待合室にゆったりとしたソファを設置、女性に嬉しいパウダールームの設置など
  • ファミリー向け小児歯科特化:温かみのあるポップな内装、充実したキッズスペース、ベビーカーも入れるようにバリアフリー設計など

さらに、近年重視されている安全性や院内感染防止、リスクヘッジに関する取り組みも重要です。

オートクレーブや超音波洗浄器といった基本的な滅菌設備の導入はもちろん、緊急時を想定してAEDを設置するなどの対策も検討したいところです。新型コロナウイルス感染症対策として、医療機関用空気清浄機や口腔外バキュームなどの設備もニーズが高まっています。

患者さまの安全に配慮した取り組みは、「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」「歯科外来診療環境体制」で定められている施設基準を満たすことにもつながるのでおすすめです。※これらの認定を受けることで、診療点数が加算できます。

歯科医院の差別化戦略5.スタッフのスキルアップを図る

患者さまの満足度は歯科医師による治療だけではなく、他のスタッフの対応によって左右される部分も大きいので、各スタッフの教育に注力することも大切です。

メインテナンスで重要や役割を担う歯科衛生士のスキルアップはもちろん、印象に残りやすい受付スタッフの接遇・コミュニケーションスキルも向上させる必要があります。

スタッフのスキルアップ支援にはコストもかかりますが、患者さまの満足度アップという結果につながることを考えれば、投資対効果は非常に高い施策といえます。スタッフのモチベーションアップにも目を向けながら、教育に取り組みましょう。

歯科医院の差別化戦略6.DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する

インターネットの利用が当たり前となっている現在、あらゆる業界でITが活用されています。しかし、歯科業界のデジタル化・IT化は他の業界より遅れているといわれており、業務用システムなどの導入もあまり進んでいません。

このような状況下で先立ってIT活用に取り組めば、それだけで差別化につなげられます。

例えば、オンライン診療に対応したり、WEB予約システムや診察券アプリを導入したりするなど、患者さまの利便性を高めるDX(※)(デジタルトランスフォーメーション)の推進は、集患施策としても有効です。患者さまが気軽に予約・受診しやすい環境を作れば、結果として自院の利益アップも実現できます。

※DX=デジタルトランスフォーメーションとは、デジタル技術を用いて、人々の生活をより良いものに変化させること。ビジネスにおいては、ITツールなどを活用してビジネスモデルを変革したり、業績を改善させたりすることを指す。

歯科医院の差別化戦略7.ホームページで積極的に情報発信する

最近はインターネットを使って情報収集する人が急増していますが、歯科医院の患者さまも例外ではありません。特に歯科医院のホームページは、受診に当たって必ずチェックされるといっても過言ではない重要なツールなのです。

そのため、ホームページを通じて、患者さまの利になる自院ならではの差別的価値を分かりやすく伝えることが大切です。

また、日々の診療風景や症例紹介に関するブログ記事を発信したり、SNS(Twitter・Facebook・Instagramなど)を使って宣伝したりするのも効果的です。

ホームページ・ブログ・SNSなど各媒体を連携させれば、さらなる効果が見込めるでしょう。こうしたマーケティング手法は低コストで、情報の伝達性や拡散性にも優れているため、ぜひ有効活用したいところです。

まとめ

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(画像=Paylessimages/stock.adobe.com)

現在、歯科医院はコンビニを上回るほど数多く設立されています。それにともない、歯科業界の競争も激しさを増しているため、経営安定化を図るためには差別化戦略に取り組むことが大切です。

  • 患者さまのニーズに合っている
  • 他院(競合)にはない
  • 自院だけが提供できる

上記のような差別的価値を提供できるようになれば、グッと集患しやすくなるでしょう。

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