「歯科助手を採用したものの思うように使えない人材だった」というお悩みは多くの歯科医院から聞きます。
人手不足の歯科医院で歯科助手は貴重な人材のため、少しでも戦力になってもらいたいもの。
スタッフの力不足が原因でスムーズな診療が行えない状況は、院内だけでなく来院する患者にも影響します。
この記事では、使えないと感じる歯科助手の特徴と原因を解説するとともに、仕事ができる人材にするための対策も紹介しています。
歯科医院経営の参考になれば幸いです。
使えないと感じる歯科助手の3つの特徴とは?
「使えない」と感じる歯科助手には、仕事に対する姿勢や人間関係など共通した特徴が見られます。
ここでは、使えないと感じる歯科助手に見られる3つの特徴を紹介しましょう。
使えないと感じる歯科助手の特徴1.批判的な態度
使えないと感じてしまう歯科助手には、仕事に対する姿勢に問題がある場合が多く見受けられます。
歯科助手は、歯科医師や歯科衛生士などのサポート役であり、トラブルが起きた際に「自分は悪くない」ではなく、むしろ「誰かのミスをカバーしよう」という前向きな気持ちが求められるはずです。
職場への文句が多かったり、何か問題が起きた時すぐに責任転嫁をすることは、主体性・責任感が欠けている証だとも考えられ、自分本位な印象を持ちます。
このような言動は当人だけなく、他のスタッフへも悪影響を及ぼしかねません。
ちなみに、採用面接で前職の退職理由を尋ねた時に、前職に対してネガティブな発言ばかりする人物は要注意です。
使えないと感じる歯科助手の特徴2.協調性が欠ける
使えないと感じる歯科助手の2つ目の特徴として、協調性の欠如が挙げられます。
歯科医師や歯科衛生士のアシスタント以外にも、受付などの医療事務を担当することが多い歯科助手だからこそ周囲との連携が大切であり、自分の仕事だけをこなせばOKという立場ではありません。
スムーズな業務を行うためには、周囲への気配りや積極性、情報の共有が必要です。
あまりにもマイペースで自己都合をアピールするような人物は、歯科助手として使えないリスクが考えられます。
使えないと感じる歯科助手の特徴3.コミュニケーションがとれない
歯科助手は、歯科医院のチームスタッフの一員として、正確・円滑な意思疎通を図ることが求められます。
普段の会話でも仕事上の会話でも、レスポンスが遅かったり、質問意図とは異なる返答が頻繁に返ってきたりする場合は注意しましょう。
コミュニケーション不足はミスの発見が遅れ、業務に支障をきたすだけでなく、スタッフ間の人間関係にも影響を与えます。
また、患者への説明不足などが生じれば、クレームにつながる可能性もあるでしょう。
「報告」「連絡」「相談」の徹底は社会人の基本であるとともに、トラブルを未然に防ぎスムーズな業務進行をするうえで不可欠です。
歯科助手が使えない・仕事ができないと感じる3つの原因
使えないと感じる歯科助手の特徴を紹介しましたが、そもそもなぜそのような言動に至ってしまうのでしょうか。
使えない、あるいは仕事ができないと感じる歯科助手になってしまう「3つの原因」について解説します。
歯科助手が使えないと感じる原因1.業務を正しく理解していない
大前提として、歯科助手が業務内容をきちんと理解していなければ、必ずどこかでつまずきが生じます。
業務フローを誤解したり知識が欠けたりしていると、正しく仕事を進められない状態になってしまうからです。
また、指示や指導をする側と歯科助手との間で認識に相違がある時も、判断基準の明確化や勘違いを解消しないまま業務を行ってしまうことでミスが起こりやすくなります。
特に新人の歯科助手は、仕事の進め方以前に「どのタイミングで質問・確認すればよいのか」から迷う歯科助手もいるため、不安や疑問を解消していくことが大切です。
歯科助手が使えないと感じる原因2.仕事への取り組み方が悪い
歯科助手が使えないと感じる2つ目の原因として、仕事への取り組み方が挙げられます。
「積極的に知識・スキルを身に着けようとしない」「自分はできると思い込みミスを誰かのせいにする」など、仕事への主体性が欠如してはいないでしょうか。
歯科助手は歯科治療や歯科医院のオペレーションなど覚えることも多いため、能力の有無にかかわらず、このような態度だと仕事をスムーズに進められません。
ただ、歯科助手自身が主体性の欠如を認識していない場合もあり、意見交換の場や周囲からの問いかけなど、問題や課題に気づくきっかけ作りも必要です。
歯科助手が使えないと感じる原因3.経験やスキルが不足している
新人に多い原因として、経験やスキルの不足により業務の手順を覚えきれていないことが挙げられます。
歯科助手は業務範囲が幅広く、一人前に仕事をこなせるようになるにはある程度の経験・スキルが不可欠です。
しかし、経験やスキルが不足していると、焦りや余裕のなさも加わり、どうしてもミスが発生しやすくなります。
さらに、同じミスが続けば「使えない」と感じてしまうのもの。経験やスキルはすぐに身に着くものではないため、ミスは仕方ないものとして「周囲にチェックをしてもらう」「作業のコツをアドバイスする」などの対応が必要です。
使えないと感じる歯科助手を仕事ができる人材にするための方法
使えないと感じる歯科助手を採用してしまったとしても、諦める必要はありません。
工夫をすることで円滑な業務進行を実現できます。
また、上で述べたような歯科助手の性質ではなく、教育環境が整っていない、伝え方が悪いなど医院側に原因がある場合も十分あります。
仕事ができる人材にするための方法を紹介しましょう。
業務マニュアルを整備する
歯科助手に対して「期待通りの仕事をしていない」と感じる場合、業務フローやノウハウなどを丁寧に周知・教育することで解決につながることがあります。
歯科助手は専門性と幅広い業務知識が求められますが、国家資格などは必要なく未経験での採用もよくある職種です。
その業務内容は歯科医院によって異なることも多く、能力に差が出やすい傾向にあります。
手順や方法を分かりやすく記載した業務マニュアルを作成することで、迷うことも減り仕事の指針として活用できるでしょう。
また、業務マニュアルを整備するのに加えて、勉強会や資料の配布、OJTなど、教育の仕組みを整えることも大切です。
人事・育成方針を見直す
必要に応じて採用基準や教育制度、人事評価制度の見直しを行いましょう。
人手不足を理由に「使えないかもしれない」と感じながらも、採用基準を甘くしてしまってはいないでしょうか。
即戦力を期待して経験やスキルの高さを重視しがちですが、人間性や仕事に対する姿勢もチェックすべきポイントです。
また、忙しさを理由にして業務の解説やフィードバックが疎かになっていないかも点検する必要があります。
理想のスタッフ像や業務レベルを明確にし、人材育成や研修の時間を確保しましょう。
スタッフのモチベーションアップのために、人事評価制度の整備も忘れてはいけません。
職場環境・風土を整える
歯科助手の仕事がスムーズにいかない場合、本人だけに問題があるのではなく、「質問しにくい」「コミュニケーションがとりにくい」など、職場環境にも原因があるケースが見られます。
スムーズな意思疎通は、ミスなく素早く仕事を進めるうえで必要不可欠です。
コミュニケーション不足は情報の非共有、不統一を引き起こすだけでなく、職場ストレスにもつながります。
「指示を出した際に一緒に質問も受け付ける」「いつでも質問をしやすいように声かけする」など、コミュニケーションがとりやすいような環境・風土を院長が率先して作ることが重要です。
まとめ
「歯科助手が使えない」と感じる背景には、本人の問題だけでなく、採用基準の甘さ、マニュアルや職場環境の不整備なども原因として考えられます。
「人材教育に取り組んでも芳しい成果がでない」と悩んでいるなら、採用セミナーへの参加を検討してみてはいかがでしょうか。
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歯科衛生士でもある「あきばれホームページ」歯科事業部長の長谷川愛が編集長を務める歯科医院経営情報サイト「あきばれ歯科経営 online」編集部。臨床経験もある歯科医師含めたメンバーで編集部を構成。
2021年5月14日「あきばれ歯科経営 online」正式リリース。全国1,100以上提供している「あきばれホームページ歯科パック」による歯科医院サイト制作・集客のノウハウを元に、歯科医院経営を中心とした歯科医院に関する様々な情報を経営に役立つ観点からお届けする。