歯科医師のスキルアップの方法|開業に必要な知識・経験とは?

厚生労働省が発表した「医師・歯科医師・薬剤師調査」のデータによると、2018年時点で歯科医師の約85%は歯科診療所で働いており、そのうち開業医は55%と過半数を占めています。これから新規開院を目指しているなら、開業には何が求められるのか知りたい先生方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、歯科医師が開業で成功するために必要なスキルアップの方法を紹介します。

開業する歯科医師に求められる5つのスキル

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(画像=Paylessimages/stock.adobe.com)

歯科医院の開業を考えているなら、少なくとも以下のスキルを身に付ける必要があります。

1.治療スキル

治療スキルの高さは歯科医院の評価、および患者さまの信用に直結するため、開業後もスキルアップに向けて研鑽を積み重ねることが大切です。特に歯科医療は日々進歩しているので、最新の知識・技術について学ぶことを意識しましょう。

また、近年は歯科医院数に比べて歯科医師数が多くなっている状況です。勤務医が増えたことにより、歯科医院の集約化(医療法人化)が進んでいるので、今後はチーム医療が普及する可能性もあります。そのため、特定の領域において専門性を高めることも検討しましょう。

2.コミュニケーションスキル

昨今、歯科医院でもサービスの質が求められています。実際、歯科医師との信頼関係やインフォームドコンセントを評価基準にしている患者さまは多いため、コミュニケーションスキルもきちんと高めなければなりません。自分の話をよく聞いてくれる、話していて安心できる歯科医師が求められているのです。

また、歯科医院の経営を成功させるためには、スタッフや取引先業者と円滑なコミュニケーションがとれるスキルも必要となります。診療業務は決して院長一人では回らないのです。良好な人間関係を築くことができれば、経営に関する課題も解決しやすくなるでしょう。

3.カウンセリングスキル

患者さまにご満足いただける適切な治療を提供するためには、質の高いカウンセリングを行うことも大切です。特に自費率アップを目指す場合、治療前のカウンセリングで患者さまの悩みを聞き出したリ、不安を取り除いたりすることが必要不可欠となります。

信頼する歯科医師に勧められたから治療を受けた メインテナンスの重要性を伝えてもらって定期検診に通っている

このように考える患者さまは少なくないため、カウンセリングスキルもしっかり向上させましょう。

4.マネジメントスキル

歯科医院の経営は、基本的に一人だけで行うことはできません。歯科衛生士・歯科助手・受付といったスタッフの協力があって、初めて成立するものです。そして、院長は複数のスタッフを管理する経営者なので、マネジメントスキルも必須となってきます。

患者さまが「受診したい」と思う歯科医院を目指すなら、各スタッフが必要なスキルを習得できるよう教育すること、スタッフが自ら医院に貢献してくれるよう促す仕組みを作ることが大切です。そのためには、労働関連の法令や労務管理の方法についても把握しておかなければなりません。

5.マーケティングスキル

マーケティングとは、簡潔に言えば「売上アップにつながる仕組みを作ること」を指します。マーケティングと聞くと「新患獲得のためのプロモーション」をイメージする方が多いかもしれませんが、いたずらに広告を打ち続ける行為はかえって経営状況を悪化させかねません。

医院経営を成功させるためには、費用対効果の高い広告手法を検討しつつ、リコール率や自費率を高める施策を実施して安定した利益を確保する仕組みを作ることが大切です。診療圏や患者層なども分析しつつ、長期的な目線でマーケティング戦略を検討する必要があると覚えておきましょう。

歯科医師としてスキルアップできる勤務先の選び方

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(画像=fotofabrika/stock.adobe.com)

歯科医師としてスキルアップしたい場合、勤務先の選び方も押さえておきましょう。

院長の専門性や経歴が自分の目指す先と合致している

歯科医院と一口に言っても、治療メニューや診療の方向性はそれぞれ異なるので、身に付けられるスキルも変わってきます。そのため、勤務先を選ぶときは、まず院長に関する情報を確認することが大切です。

自分が身に付けたい治療を積極的に行っているか、極めたい分野の認定医・専門医資格を持っているかなどチェックしましょう。また、実際に治療を見たりアドバイスをもらえたりする機会があるか、診療理念や経営方針に共感できるかといったことも重要なポイントです。

来院患者数が多い

歯科医師がスキルアップを図るためには、より多くの症例に触れられるかどうかも重要となってきます。来院患者数が多く忙しければ、多くの患者さまの治療を任せてもらえる可能性も高まるため、結果として豊富な経験を積むことができるでしょう。

また、自費治療のスキルアップを目指すなら、医院の自費率をチェックすることも重要です。自費治療に力を入れていれば、インプラント・義歯・ホワイトニングなど、さまざまな治療に携わることで歯科医師としての幅を広げられます。

スタッフが生き生きと働いている

勤務先を見学できる機会があれば、各スタッフの様子もチェックしてみましょう。スタッフの仕事に対するモチベーションが高かったり、受付の対応が良かったりする場合、マネジメントが行き届いている何よりの証拠です。実際に勤務しながら、医院経営に欠かせないマネジメントのノウハウをしっかり学べる可能性があります。

また、インターネットを検索すれば、スタッフが投稿した口コミが見つかる可能性もあるため、そちらも要チェックです。

教育・研修制度が充実している

歯科医師は臨床のかたわら、日々スキルアップの研鑽を続ける必要があります。そのため、基本的な技術指導に加えて、さまざまな教育・研修を受けられる勤務先が理想的です。院内勉強会や症例検討会が行われている、学会や外部セミナーへの参加補助が出るなど、最新の知識・技術を学べる機会があるかどうかもチェックしましょう。

開業後は自分がスタッフを教育する立場になるので、有用な教材やセミナーがあれば、記録して残しておくことをおすすめします。

勤務歯科医師のスキルアップ支援のポイント

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(画像=Paylessimages/stock.adobe.com)

院長として歯科医師を雇うなら、勤務医がスキルアップできる環境を整えることも大切です。勤務医は治療技術に加えて、将来の開業を見据えて経営やマネジメントのノウハウを身に付けたいという人が少なくありません。その一方、開業率(歯科医院数に対する歯科医師数)は2018年時点で70%弱と減少傾向にあります。

また、近年の歯科業界を見てみると、個人医院は微減しているのに対し、医療法人の割合は増加している状況です。それにともない、勤務医を続ける・分院長になるという選択肢も増えています。本人の意向を確認しながら、キャリアプランを一緒に検討できるとベストです。

患者さまから見れば院長も勤務医も同じ「歯科医師」なので、担当者によって治療の仕上がりが異なったり、対応に差が出たりすることは望ましくありません。治療の質とモチベーションを高めるためにも、スキルアップは積極的に支援しましょう。

まとめ

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(画像=Mihai Simonia/stock.adobe.com))

歯科医師として開業を目指しているなら、治療スキルはもちろん、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルも高める必要があります。スキルアップの成否には勤務先が大きく影響してくるため、院長の資格や来院患者数、教育・研修制度などは事前にしっかりチェックしたいところです。

自分の目標も踏まえつつ、スキルアップに必要な取り組みを検討しましょう。

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