歯科医師のスキルアップの方法|開業に必要な知識・経験とは?

歯学部生の女性比率は、2021年現在40~50%と言われています。高度経済成長からバブルを経て、さまざまな分野で女性の社会進出が進み、女性歯科医師の数も増えています。

しかし現在の歯科医院に女性が活躍できる環境がしっかり整っているかと言われれば、まだまだ課題は山積みです。

毎年誕生する新人歯科医師の半分近くが女性であることを考えると「女性の働きやすい環境づくり」は最優先の課題の一つとも言えます。

今回の記事では、女性歯科医師の働き方の現状や、働きやすい職場づくりのポイントについて解説します。

女性歯科医師の働き方の現状

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(画像=fotofabrika/stock.adobe.com)

女性歯科医師の比率は年々高くなっている

2018年時点では、日本の歯科医師のうち24.1%が女性です。おおよそ4人に1人が女性歯科医師ということになります。

もう一つ注目すべきポイントは、「年齢階級が低くなるほど女性比率が高まる傾向がある」点です。

例えば29歳以下の女性比率は46.2%になっています。歯学部生の女性比率も40~50%となっており、これからも増えていくことが予想されています。

数十年後には「女性歯科医師の方が多くなっている」ということもあり得るかもしれません。

開業を選択する女性歯科医師は少ない

女性歯科医師の比率が年々増えていますが、院長が女性である歯科医院はまだまだ多くありません。

女性歯科医師は男性と異なり、当初から開業よりも勤務医として働くことを想定している傾向があるからです。

男性歯科医師の7割が開業しているのに対して、女性は2割程度とされています。

臨床研修修了時の研修歯科医を対象として行われたアンケートでは、自身の10年後に予想される働き方として男性では72%、女性では29%の歯科医師が「歯科診療所を開設または管理」を選択していました。

また、男性については「歯科診療所を開設または管理」が660人、「歯科診療所に勤務」が251人という結果になっています。

このように、男性に比べて女性歯科医師は開業する人(開業しようとする人)が少ない傾向にあります。

結婚や出産・育児との両立に悩む女性歯科医師が多い

現役で歯科医師国家試験に合格して臨床研修を終えた場合、年齢は26歳になっています。一方、日本においては女性の平均初婚年齢は29.4歳であり、第1子出生時の平均年齢は30.7歳です。

26歳でキャリアをスタートさせ、30歳前後で出産・育児というライフプランを想定すると、キャリアを積むための十分な時間を確保できません。

これは歯科医師に限った話ではありませんが、仕事と結婚・出産や育児などの両立に悩む女性は多いでしょう。

この点も、「開業を選択する女性歯科医師が少ない」という結果につながっていると考えられます。

診療における女性歯科医師のメリット

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(画像=taka/stock.adobe.com)

女性歯科医師が思うようにキャリアアップすることが難しい現状がある中で、現場では女性歯科医師の重要性が再認識されつつあります。

例えば女性の患者さまは、男性歯科医師に対して少し相談しにくいようなことでも、同性の歯科医師なら気楽に打ち明けられることが多いでしょう

一般的に女性歯科医師は、子供や保護者から親しみを得やすく、小児歯科でも活躍しやすいと言われています。

高齢化によりニーズの高まる訪問診療でも、女性歯科医師の存在は求められています。

また、女性を中心に需要の増加している審美歯科分野での活躍も見込まれています。

このように女性歯科医師が生き生きと活躍できる環境を整えることは、歯科業界にとって重要な課題の一つと言えるのです。

女性歯科医師の働きやすい職場づくりのポイント

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(画像=AdobeStock_294521628_milatas)

女性歯科医師の働きやすい職場づくり1:産休・育休制度を整備する

女性歯科医師の働きやすい職場づくりを目指すに当たってまず重要なのが、産休・育休制度をしっかりと整備することです。女性がキャリアと出産・育児を両立するためには、職場環境の改善が不可欠です。

出産や育児の後も仕事を続けたいと考えている女性歯科医師は多くいます。産休・育休制度をしっかりと整え、キャリアブレイクせず安心して働き続けられる環境を用意しましょう。

女性歯科医師の働きやすい職場づくり2:勤務日数や勤務時間の希望に柔軟に対応する

結婚・出産を経て復職しても、育児をしていると、どうしても急に休まなければならなくなる場面が出てきます。勤務日数や勤務時間が調整できる制度が整っていれば、女性歯科医師も安心して仕事を続けることができるでしょう。

また育児や介護などを抜きにしても、女性はワークライフバランスを重視する傾向があります。そのため、有給休暇を始めとする休暇制度や、残業への対策も必要です。

女性歯科医師の働きやすい職場づくり3:教育・研修体制の充実

ご存じの通り、歯科医師は臨床研修を終えた後も医局や診療所に勤務しながら、一人で問題なく患者さまを担当できるようになるまで知識・技術を高めなければなりません。

出産などでキャリアが中断してしまう可能性のある女性は、早くステップアップしようする意識がより強いでしょう。

意欲ある歯科医師が希望する分野のスキルを十分に磨けるような制度を整えることがポイントです。

また、産休・育休制度が整っているのはもちろん大事ですが、重要なのはそのブランクをしっかりと埋められるかどうかです。

教育・研修システムをしっかりと整備することで、女性が安心して復職できます。

行政や歯科医師会も女性歯科医師の活躍を後押ししている

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(画像=taka/stock.adobe.com)

女性歯科医師の重要性が高まっていることを受けて、歯科医師会など歯科界全体もその活躍を後押ししています。

例えば歯科医師会は、eラーニングによる生涯研修制度の整備を行ったり、女性歯科医師専用の求人サイトを立ち上げています。

この求人サイトは、「出産前後や育児、介護、病気療養などにより歯科医療から一旦離職した女性歯科医師で、復職を希望する会員及び入会希望者」と「さらなる研鑽を目指す女性歯科医師の会員及び入会希望者」を対象にしています。

一方で、「女性歯科医師が活躍できる環境が整っているか」と問われると、まだ十分と言えないのが現状です。

歯学部におけるキャリア教育や、各学会による専門医取得の推進など、歯科界全体として女性歯科医師の活躍に関する意識改革をしていくことが必要です。

まとめ

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(画像=Mihai Simonia/stock.adobe.com)

この記事では女性歯科医師の働き方について解説していきました。女性歯科医師の数は増えており、重要性が増しているものの、いまだに十分な環境が整っているとは言えません。

そもそも歯科医院は歯科衛生士や歯科助手など、女性が多く活躍する職場です。「産休制度や育休制度の整備」「休暇制度の整備」「教育システムの充実」といった職場環境の整備は、女性歯科医師はもちろん、歯科業界で働く全ての人材の活躍を後押しする施策と言えるでしょう。

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引用元:

厚生労働省 平成30年医師・歯科医師・薬剤師統計 ※参照:性、年齢階級別にみた医療施設に従事する歯科医師数

厚生労働省 女性歯科医師の現状 ※参照:研修歯科医が予想する10年後の働き方

日本歯科医学会 歯科医師等の働き方改革に関する答申書 ※参照:女性歯科医師の子育て中の就労支援対策

厚生労働省 平成28年人口動態調査 ※参照:平均初婚年齢、第一子出生時の母の平均年齢