歯科用マイクロスコープはなぜ必要か?メリットや活用方法、代表的な製品を紹介

歯科ユニットは設置方式や用途によって種類が分かれ、メーカーごとにさまざまな機能が搭載されているため、自院の診療スタイルに合ったモデルを選択することが重要です。

歯科ユニットは頻繁に買い換えられるものではないので、購入の際には慎重に比較検討したいところです。この記事では、歯科ユニットの種類や価格、選ぶ際のポイントやメーカーごとの特徴について解説します。

歯科用ユニットの構成

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(画像=pixta)

歯科ユニットは患者さまが座る歯科用椅子と治療用装置が一体になった歯科専用の設備です。

一般的には、

  • 歯科用椅子
  • メインテーブル(ドクターユニット)、
  • アシスタントテーブル、
  • ウォーターユニット、
  • スピットン、
  • ライト、
  • フットコントローラー などで構成されています。

さらに、用途・目的に応じてモニターや口腔内カメラ、マイクロスコープといったオプションを追加して好みの構成にカスタマイズできます。

また、タービンやハンドピースの動力として別途コンプレッサー(空気圧縮機)を設置するのが一般的です。

各種診療内容に特化したタイプもある

通常の歯科診療向けの製品以外にも、以下のように用途に応じたさまざまなタイプのユニットがあります。

・メインテナンス用
主に歯科衛生士が使用するメインテナンス用ユニット。

メインテナンス用ツールが搭載されたシンプルなケアユニットや、カウンセリング時に会話しやすい配置などの工夫が施されています。

・小児用
小児用の歯科ユニットは子どもの体型に合わせた比較的コンパクトなものが主流です。

手足をはさむ心配が少なく清掃も容易なフルフラットシートや、お子さんが怖がりやすい治療器具の目隠しなど、治療のストレスを軽減できるよう工夫されています。

・カウンセリング特化型
歯科においてもインフォームドコンセントが重要視されるようになったという背景から、カウンセリング時の利便性を重視したタイプも登場しています。

モニターやパネルが配置されたカウンセリングテーブルや、患者さまがストレスなく医師とコミュニケーションできるチェアの配置などが特徴です。

治療も兼ねられるユニットなら省スペース化にもつながります。

・訪問歯科用のポータブルユニット
今後さらに需要が増すと考えられている訪問歯科用のポータブルユニットは、スーツケースのようなコンパクトな見た目ですが、吸引機やハンドピースなど治療に必要なツールが一通り持ち運べます。

歯科用ユニットの種類

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(画像=grek881/stock.adobe.com)

歯科用ユニットは、ドクターユニットの設置方式やシートタイプ、用途に応じていくつかの種類に分かれています。それぞれについて解説します。

ドクターユニットの設置方式

ドクターユニットの設置方式は大きく以下の3つに分けられます。

ベースマウント
ユニット下部の基礎部分にアームが取り付けられているタイプ。患者さまの右側でテーブルが動かせます。

オーバーアーム
患者さまの左手側、スピットンやライト付近にアームが取り付けられているタイプ。患者さまの上方を横切り、自由に左右移動できます。

カート
キャスターが付いた独立型。可動範囲が広く、動線に応じて柔軟に動かせます。

また、国内メーカーのユニットでは、タービンなどのホースは吊り下げる形で固定するのが一般的ですが、上方に設置したアームに固定する「フライング(コンチネンタル)」という方式もあります。

フライング(コンチネンタル)タイプは、PLANMECA(日本ではジーシーが取扱い)、kavo、A-decなどの海外メーカーのユニットで選択できます。

ホースを下に垂らす従来のタイプに比べて衛生を保ちやすく、術者の手の負担も軽減されるのがメリットです。

シートタイプ

患者さまが座るシートにも2つのタイプがあります。それぞれ違った特徴があるので、腰掛けやすさや治療中の姿勢など、患者さま目線で選ぶのが望ましいでしょう。

・ステップ(足折れ)タイプ
日本で一般的なのがこのタイプ。ひざ、足首にあたる部分が垂直に折れるため、高齢者など足の動きに制限がある患者さまの着席も比較的スムーズです。

・カンタータイプ
海外の歯科で多いのが、ひざ下が一体化したカンタータイプ。患者さまが足を伸ばしてゆったりと座れるため、長時間の治療にも向いています。

歯科用ユニットの価格

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(画像=pixta)

歯科用ユニットの一般的な価格相場は、1台につき、おおよそ200万~500万円です。しかし最近では、海外メーカーから100万円程度の低コストモデルも登場しています。

購入の際には、ユニット本体に加えてコンプレッサーなどの周辺機材、モニターなどのオプションの総額を確認しましょう。

重要なのは長期的なトータルコスト

歯科ユニット購入の際にまず考えたいのは長期的なトータルコストです。

イニシャルコスト(初期費用)が高い印象があるユニットですが、数年でリプレイスするものではないため、長く使うほどコストを抑えられます。

そのため、イニシャルコストよりも維持費を重視し、5~10年のトータルコストを判断基準にするのがおすすめです。

購入後に機能やオプションを追加できるか、保守・メンテナンスについて手厚いサポートがあるかも大切です。

また、耐用年数も視野に入れておきましょう。新品のユニットの場合、法定耐用年数は7年。

歯科機械メーカーのヨシダでは、耐用期間を「製造の日から、正規の保守点検を行った場合に限り、10年間とする」と明記しています。

ユニットの購入後は適正なメンテナンスを徹底し、耐用期間を超えての使用には注意が必要です。

メーカーと交渉するのが基本

ユニットには定価があるものの、購入の際はメーカーと価格交渉するのが基本です。

購入台数や他の器材の導入に応じて価格を相談できるケースが大半ですが、メーカーによって割引率は異なります。

そのため、購入候補をいくつかピックアップした上で、複数のメーカーから相見積もりを取って比較検討するのもよいでしょう。

高価なユニットと安価なユニットの違い

どのメーカーにもベーシックモデルとハイエンドモデルがありますが、一般的に高価なユニットには以下のような特徴があります。

  • 本来オプションとなる機能が標準搭載
  • ドクターユニットがタッチパネル式
  • チェアの素材が上質で座り心地が良い
  • 清掃性・メンテナンス性が高い(パーツを取り外して洗えるなど)
  • 拡張性が高い(マイクロスコープやモニターをマウント可能など)

ユニットにかける予算を抑えたい場合、メーカーではなく商社から安価な海外製品を購入するという選択もありますが、品質やアフターメンテナンスに満足できない恐れがあることは考慮に入れておきましょう。

歯科用ユニットを選ぶポイント

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(画像=pixta)

サイズ(占有面積)

ユニットを選ぶ際、まずチェックしたいのはサイズです。

歯科医院の坪数や想定ユニット数から、診療スペースにユニットが問題なく納まるかどうかを算出してみましょう。

物件選びの段階なら、希望するユニット数や製品のサイズから広さを決めるのもおすすめです。

また、このときギリギリ納まるサイズを選んでしまうと、患者さまのご案内や、歯科衛生士・歯科助手と一緒に診療するときの動線に問題が出る可能性もあります。

患者さまや歯科医師、医院のスタッフがストレスなくスムーズに治療にあたれるかどうか、しっかりとイメージすることが大切です。

デザイン

患者さまに与える印象を考え、内装に合ったデザインのユニットを選ぶことも重要です。

ユニットの多くはチェアのカラーが選べるので、院内のインテリアに合わせてみましょう。

また、最近ではサロンのようなおしゃれなデザインのモデルや、ドクターユニットのタービンやホースを隠して治療への緊張感を和らげる工夫をしている製品もあります。

従来の歯科に抱かれがちなマイナスイメージを遠ざけ、患者さまがリラックスできるデザインのユニットを導入することで、歯科が苦手な方の通院のハードルを下げることも期待できます。

歯科医院への好感度が上がることはリコール率向上の助けにもなるでしょう。

必要十分な機能

過不足のない、必要十分な機能のユニットを選ぶことも大切です。

開業に際して最初にユニットを選ぶときにありがちなのが、「とりあえず多機能なハイエンドモデルを導入したものの、実際には使わない機能やオプションが多く無駄になってしまった」というケース。

機能が多いほどメンテナンスの手間や故障リスクが増える可能性があることも考慮に入れておきましょう。

また、必要になれば後から機能やツールを追加できる製品も少なくありません。

メーカーの営業や割引提案に惑わされず、本当に必要な機能をよく検討することが重要です。

ユニット内の消毒・除菌システム

新たにユニットを購入する際は、消毒・除菌システムも重視するべきポイントです。

歯科ユニット内の給水系システムは、タービンなどに付着した汚物や切削粉が吸気停止時に逆流してしまう「サックバック現象」による汚染のリスクがあることが近年問題となりました。

ユニットによっては、サックバック防止機能や内部に殺菌水を流すことで給水系を清浄に保つ自浄機能を搭載しているものもあります。

院内感染を防ぐためにも、こうした衛生システムが充実したユニットを選択肢に入れることも大切です。

歯科用ユニットのメーカー別特徴

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(画像=pixta)

モリタ

国内トップクラスのシェアを誇るモリタは、創業100年以上の歴史を持つ老舗歯科医療機器メーカーです。

モリタのユニットの主なラインナップはシグノT500、スペースラインEX、ソアリックなど。

世界的権威のあるデザイン賞を受賞するなど、機能美を追求した製品作りが特徴です。

ほかにも、訪問診療用ポータブルユニットや車椅子タイプのチェアなど患者さまに合わせた機能性の高い製品が充実しています。

■詳しくは こちら

ヨシダ

1906年創業のヨシダも100年以上の歴史を持つ老舗メーカーです。

上位モデルのエクシードシリーズは、上質さを感じさせるデザインと直感的に使える優れた機能性が特徴。

手入れしやすい形状や、外して洗浄可能な各パーツなど、感染予防にも配慮した高い清掃性を兼ね備えています。

歯科医療機器の価格は要問合せのケースが多い中、ヨシダは無料会員登録をすればホームページで製品の標準価格を確認できます。

■詳しくは こちら

タカラベルモント

タカラベルモントは医療機器事業だけでなく美容事業も展開しているメーカー。

患者さまの快適性を意識した設計や、スタイリッシュなデザインが特徴です。

歯科衛生士のケア専用ユニットや、患者本人と家族も交えた3者でのコミュニケーションを考慮した配置のユニットなど、時代に即したコンセプトの製品もリリースしています。

■詳しくは こちら

ジーシー

歯科材料から大型機器まで扱うジーシーは、国内の自社工場での生産にこだわった世界最高水準の品質を誇るメーカーです。

ベースマウントのテーブルがチェア横をすべるように移動するスライドデリバリータイプのユニットをはじめ、術者ごとにチェアオート・マイクロモーター・タービンの組み合わせ設定を記憶してボタン一つで呼び出せる「ドクターキー」、フレキシブルに可動できるアシスタントユニットなど、かゆいところに手が届く機能が充実しています。

■詳しくは こちら

kavo

kavoは100年の歴史を誇るドイツ発のグローバルメーカー。ドイツらしい人間工学に基づいたスタイリッシュなデザインが魅力のユニットは、カラーバリエーションも豊富です。

インスツルメントとスピットンに低濃度の過酸化水素水を使用し水路管を衛生的に保つ常時水消毒システムや、より高濃度の過酸化水素水を30分滞留させる集中水消毒システムを全てのユニットに搭載しているなど、標準機能が充実しています。

■詳しくは こちら

A-dec

A-decはアメリカ・カナダの歯科教育機関の85%が導入するメーカーです。 日本ではまだ導入数は多くはないものの、シンプルな設計や故障の少なさ、厳しいアメリカの衛生基準(Guideline for Infection Control in Dental Health-Care Settings-2003)を満たした実績を持ちます。

5年保証付きで、故障時も迅速に修理対応できるサポート体制を整えているのもポイントです。 ■詳しくは こちら

まとめ

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(画像=Prostock-studio/stock.adobe.com)

価格が高いだけでなく治療の快適性や質を左右するユニットは、自院の診療方針や患者さまの年齢層、院内のインテリアなどさまざまな角度からじっくりと比較検討することが大切です。

今回解説したポイントをふまえて、最適なユニットを見つけてください。

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