患者様が通いたくなる歯科医院を作る 8つのステップ

より多くの患者さまに来院いただくためには「他院との差別化が大事だろう」と考えている歯科院長は多いと思います。

しかし、差別化をするとなるとなかなか良いアイデアが浮かんでこないものです。

そんな方にぜひ試していただきたいのが、健康観教育による患者さまをファン化する取り組みです。

患者さまが歯科医院のファンになると、売り上げはもちろん、リコール率も高まるため、経営の安定につながります。

本記事ではセミナー開催実績や無料メルマガ1,500名以上の登録者を持つ歯科医師・伊勢海信宏が、患者さまをファン化させる方法をシリーズでお伝えします。

今回は健康観教育をするための8つの方法について具体的に解説します。

連載を通してお伝えしてきた「通いたくなる歯科医院のつくり方」は今回で最終章です。

より理解を深めたい方はバックナンバーもぜひチェックしてみてください。

健康観教育8つのステップ

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(画像=pixta)

健康観教育の基本的な3つの手段

健康観教育を成功させるためのポイントは、患者さまが来院されてからお帰りになるまでに「会話」「資料」「動画」の3つの手段を活用することです。

ただし、それだけでは足りません。患者さまに正しく伝え、行動に移してもらうためには、分かりやすい流れをつくることも重要です。

正しい流れと行動変容の動機となる内容がないと、院長個人の才能に左右されやすくなってしまいます。

この流れについてわたしのクリニックでの取り組みを例に挙げて紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

ステップ(1) 興味誘導のポスター

伊勢海先生健康観教育
(画像=伊勢海信宏)

健康観教育において「説明しよう」と思うのは間違いです。

説明をしようと意気込むと、学校の授業のようになってします。

そこでわたしの医院ではビジュアルで視覚的に伝えるために、エントランスに「歯のかぶせ物が出来上がるまで」という興味誘導ポスターを貼っています。

実際、歯にかぶせ物をしている人は多いでのすが、どのようにつくられているかを知っている人は少ないと思います。

そのためポスターで分かりやすく説明して、患者さまに興味を持ってもらおうという意図で貼っています。

これだけでも患者さまは「すごく分かりやすくて良い情報。患者のことを大切にしていそう」と思ってくれますし、なかにはスマホでポスターの写真を撮ってSNSで広めてくれる方もいます。

ステップ(2) 待合室の動画で教育

伊勢海先生健康観教育
(画像=伊勢海信宏)
伊勢海先生健康観教育
(画像=伊勢海信宏)
伊勢海先生健康観教育
(画像=伊勢海信宏)

当クリニックでは動画を待合室で見られるようにしています。

動画の内容は患者さまが歯に関する質問を投げて、歯科医師が答えるという会話形式のものです。

このような動画にしている理由は、歯科医師に成り代わって説明してもらうためです。

治療中、歯科医師が直接患者さまと話をして伝えられる情報量はたかが知れています。

そこで伝えきれない部分を動画に補ってもらうというわけです。

ステップ(3) 歯科医院の取り組みチラシで教育

伊勢海先生健康観教育
(画像=伊勢海信宏)

こちらもステップ(2)と同じく、歯科医師が伝えきれない情報をチラシに補ってもらうのが目的です。

人間が介在せず、患者さまに情報を伝えていくという意識が大切です。

ステップ(4) ユニットに座ってポスター

伊勢海先生健康観教育
(画像=伊勢海信宏)

わたしのクリニックのユニット周りには「年齢と口の状態」や「砂糖で虫歯になる理由」など、6枚ほどポスターを貼っています。

特にはじめて来院された患者さまがユニットに座ると、まず周囲を見渡す方が多いように思います。

ユニットに腰を下ろすと、自然とポスターが目に留まり、読んでくれるという仕掛けです。

患者さまが能動的に読んでくれるため、情報の理解度が高まりやすいですし、読んでみて疑問に思ったことや、より知りたいことを質問してくれるので会話のきっかけにもなっています。

これは全てのポスターやチラシで言えることですが、イラストを多用するなど、気軽に面白く読めるような工夫が大切です。

ステップ(5) 価値観トークで患者教育

価値観トークとは、患者さまに「ちゃんとケアしなきゃダメだな」といった気づきを与えるイメージのトークです。

ここで重要なのが独自性です。他の医院でも行っているような当たり前の説明だと、患者さまはもうお腹いっぱいです。

「これは聞いておいたほうがよさそう!」と思ってもらえるような話を用意しておきましょう。

また、この価値観トークには気をつけなければならない点があります。

それは自分と相手との認識のズレを否定したり、強引な言葉で埋めてしまったりすることです。

たとえばクラウンが取れてしまって治療に来た患者さまがいるとします。

これは患者さまの立場からすれば「取れちゃったから、はめてもらおう」くらいの気持ちでしょう。

しかしクラウンが取れてしまうということは、歯科医師の見地からすれば非常に良くない状態です。

だからといって「かなり良くないですよ」と言ってしまったら、患者さまは不信感をいだきます。

生じているギャップを如何にして否定せずに埋めていくかが大切です。

ここは非常に重要な要素ですが、コツなどを文面で説明するのは難しいため、ご興味があればわたしのセミナーや塾に来ていただければと思います。

ステップ(6) 小冊子で教育

伊勢海先生健康観教育
(画像=伊勢海信宏)

こちらもステップ(2)と同じく、歯科医師が伝えきれない情報を冊子に補ってもらうことが目的です。

また、冊子のメリットは家に持ち帰れるという点です。

口頭での会話は、その瞬間がやる気のピークとなり、その後は気持ちが減衰していく一方です。

しかし冊子は、読み返した際に、再度意欲を高められるのです。

患者さまが家族から治療について聞かれたときに、説明するためのツールにもなります。

ずばり冊子のポイントは「渡し方」にあります。伝えたい部分を2個くらいに絞り、そこに付箋をつけて渡すのです。

さらに「○○さまの状態ですと、この2箇所がポイントなので次回までにぜひ読んでみてください」と一言加えるだけで、患者さまは「自分にとって重要な情報なんだ!」と認識し、「2個所くらいなら読んでおこうかな」という心理状態にもなるため、かなりの確率で見てくれます。

ステップ(7) ユニットでも動画教育

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(画像=伊勢海信宏)

こちらも目的はステップ(2)と同じです。24時間365日、一切の文句を言わずに働き続けてくれる優秀なスタッフです。

来院されるすべての患者さまに向けて健康観教育をしてくれます。

ステップ(8) 新しい情報を院内新聞で教育

伊勢海先生健康観教育
(画像=伊勢海信宏)

院内新聞の目的は、「前歯が黄ばむ理由」や「歯ぎしりが起こる理由」など、患者さまにとって新しい情報を定期的に伝えることです。

人間はすぐに飽きる生き物です。いくらお寿司が大好物だからといって、毎日お寿司ばかりだと飽きてしまいますよね。

健康観教育も同じです。たとえばリコールでは歯に関する情報を数回に分けて説明すると思いますが、毎回同じ資料ばかりでは患者さまも飽きてしまいます。

情報提供する際は、定期的に新たな内容に変えていくことが大切です。

また院内新聞は作り続けて刊数・ナンバーを増やしておくと、単純に説明資料にもなります。

まとめ

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(画像=pixta)

ここまで8つのステップについて解説しましたが、最後に一番考えて欲しいことがあります。

突然の質問ですが、あなたには心に残っている恩師やメンターはいますか?もしいたとすれば、その人を誰かに紹介するときに、どのように紹介しますか?

答えは見つかりましたでしょうか?誰しも「いまの自分がいるのはこの人のお陰だ」と思える人が一人はいると思います。

その恩人を家族や友人に説明するときに「この人は教えてくれた人だよ」とは言いませんよね?

「〇〇で、わたしの人生を変えてくれた人」ともたらされた結果を伝えたいのでは無いでしょうか。

つまり患者さまに治療説明だけしていては、健康観教育は成功しないし、ファンにもなってもらえないと私は考えています。

ただ情報を伝えるだけの歯科医師では、患者さまのファン化は難しいと思います。

「あなたの人生をより良くしたい!」という思いを伝え、さらにこの連載でお伝えした健康観教育をカタチにして、患者さまに届けていただければ、ファン化を進めることができると思います。

すると自然に、治療の上手さや、通いやすさといった基準を度外視にして、患者さまから「選ばれる医院」になっていくはずです。

健康観教育について、より具体的に、より実践的に知りたいという院長先生は、私のセミナーに参加いただければ幸いです。

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伊勢海 信宏

歯科医師
一般社団法人 歯の寿命をのばす会 代表
歯科医『開業成功バイブル』運営

歯科経営の悩みを解決する為に、無料でメルマガやLINE@で経営情報を発信。すでに登録者は2000名を超える。

また早く結果がでることにフォーカスした、セミナー(自費150万セミナー・行動心理学!歯周病説明セミナー)やシステム(歯の年齢診断プロ・手間なし動画くん・歯科開業医ネットワーク)を提供をしている。

患者さんと歯科医師の両方に価値がある医療人の心を大切にした方法を提供するのがモットー。