売上ランキング1位の筆者が伝授!歯科医院スタッフ採用のための成功マニュアル

歯科医院の経営において、安定した人材確保は重要な課題の1つです。

しかし、募集を行っても「応募や採用につながらない」「満足いくような採用につながるほど、割ける時間がない」といった悩みを持つ先生方も、多いのではないでしょうか。

このような背景から、開業医や開業準備中の先生方から高い支持を得ているのが、歯科医師やスタッフなど歯科医院における採用戦略をまとめた書籍「歯科医院のための採用マニュアル・ツール集」です。

2018年に初版が発売されてから、歯科専門書店「シエン社」のWEB販売ランキングで、1カ月半にわたり連続1位を記録するなど、多数の読者に支持されてきました。

2022年2月には、時代の変化に合わせて「Z世代」や「SNS」などへのアプローチを追加した改訂版も登場し、さらなる注目を集めています。

今回は、採用コンサルティング実績に定評があり、著者でもある伊藤祐子さんに、今後の歯科医院における採用戦略についてお話しを伺いました。

オリジナリティを打ち出すコンサルティング

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(画像=pixta)

コンサルティングのモットーやこころがけていることは?

弊社は、歯科医院の人財採用に特化したコンサルティングや募集サイトの制作などを行っております。

これまでご相談いただいた先生の中には、「歯科医院の規模や知名度がないとコンサルティングを引き受けてくれないと思っていた」という方もいらっしゃいました。

しかし、当社は医院規模や知名度ではなく、「良い歯科医院を目指したい」「良い治療を提供したい」といった想いを持つ先生方のお手伝いをさせていただくことをモット―としております。

募集サイトなどの制作時にこころがけているのは、案件ごとにゼロから作ることです。

テンプレートではなく、都度最適な手法を用いた制作により、歯科医院それぞれのオリジナリティを打ち出すことができると考えているからです。

歯科院長からはどのような相談が多いですか?

採用方法のトレンドや歯科医院経営についての戦略が知りたい、というご相談が多いですね。

「忙しくて採用に割ける時間がないので、丸投げで」という先生も多いです。

また、10年前にコンサルティングさせていただいた歯科医院などからのリピートも多く、とてもうれしく思っています。

採用がうまくいっていない歯科医院の特徴は?

先行投資ができていない歯科医院は、うまくいっていません。

「ホームページが10年以上更新されていない」「採用サイトにお金をかけたくない」など情報提供に消極的な院長先生は、採用に苦労されていることが多いように思います。

例えば、旅行や食事に出かける時を想像してみてください。

その際には、行先のホームページで情報を確認することが多いと思います。

しかし、情報が更新されていなかったり、写真が古かったり、画像が荒かったりわかりにくかったりすると、行く気が半減してしまうのではないでしょうか。

これは、歯科医院においても同様です。

また、社会保険未加入の歯科医院は、大変厳しい採用状況といえます。

中には、「試用期間中は社会保険に加入できない」という歯科医院が、残念ながら未だに存在しています。

「すぐに辞めてしまうから、社会保険は定着してから」という院長の考えとは反対に、応募者や既存スタッフからすると「社会保険にも入れないような仕事だから辞める」という明確な離職要因になります。

そもそも正社員雇用の場合、社会保険は試用期間中から加入する必要があります。

さらに弊社にご相談いただく段階で多いのは「募集しても、どうせ当院には来ないだろう」という消極的な院長先生です。

「どうせ来ないだろう」というのは、院長の”逃げ”でもあります。

応募者が来なかった際、「スタッフにカッコ悪く思われないように」という気持ちが表れています。

このネガティブな気持ちは、採用に結び付かないどころか、既存のスタッフにも悪影響を及ぼします。

モチベーションの低下を招き、離職のきっかけにもなり得るのです。

このような院長先生には前向きになるようなアドバイスをさせていただいています。

院長先生が「絶対採用する」という気持ちになると、不思議なことに採用がスパっと決まることも多いです。

採用戦略の基本がこの1冊に

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(画像=pixta)

書籍を出版した経緯や意図はどのような理由からでしょうか?

私自身、初めて歯科医院の開業に携わった際、採用に関する書籍を探してみたのですが、あるのは開業や経営戦略に関する本ばかりでした。

実際、当時は「忙しいから人を補充しよう」といった場当たり的な採用をしていましたし、採用計画もなかったので、多くの失敗を経験しました。

現在の歯科業界は、他院の成功パターンを取り入れるなど様々な経営努力をしていますが、その多くは売上に焦点をあてすぎているために人事が後回しになっている気がします。

このように、採用に関する書籍の必要性と歯科業界の現状、日本歯科新聞社様からの執筆依頼のタイミングが重なり書籍化につながりました。

また遠方に住まれていて、私のセミナーに参加できない先生など、多くの方に採用戦略について知っていただきたいという想いもありました。

このマニュアル・ツール集によって、採用での失敗が少しでも減ればうれしいです。

書籍制作の際に工夫した点は?

この本の内容は、日本歯科新聞での連載内容や私の開催するセミナー資料をもとに制作しています。

セミナーを開講した当初、受講者から「わかりにくい」という厳しいご意見も頂戴しました。

試行錯誤しているうちに、わかりにくさの原因は、私が受講者の方々に一方的に伝えるというセミナー形式であることに気づき、受講者参加型の実践形式に改善すると、成果が得られるようになりました。

こうした経験を生かして、本書は“書き込むだけ=記入したらすぐに使える”という内容をめざしました。

具体的には、記入するだけで求人広告ができるようになっています。

また、院長先生ご自身が書き込むことによって、ノウハウの理解度を深めることにもつながると思います。

さらに、院長先生だけでなくスタッフにも利用してもらえると、医院の現状把握や情報共有ができるというメリットもあります。

実際にスタッフ用として、複数冊を購入いただいている歯科医院も多いですね。

書籍で特にこだわった点は?

超採用難時代といわれる今日でも、ローコスト採用ができる点です。

歯科医院の採用には、紹介会社や派遣会社が関わるケースが多いですが、紹介料は数十万〜100万円以上と高額です。

紹介されたスタッフが長期間勤務してくれれば「人財」として大きな財産になりますが、平均勤続年数が3年という現状では、高額な紹介料は経営を圧迫しかねません。

当社のお客様には紹介会社を介することなく、人材確保に成功している歯科医院が数多く存在します。

サイトの構築や、動画などの初期投資を行った後は、特に高額なコストをかけることなく、長期にわたり優秀な人財確保を維持することができています。

これら当社が提供している基本的なサービスを1冊に凝縮したのも、本書のこだわりです。

貴社のサービスの根幹を書籍化するにはリスクもあったと思いますが?

出版によって、事業が揺らいでしまうようでは、そもそも企業として成り立たないと思っています。

当社には、本書に記載した以上に培ってきた経験とコンサルティングノウハウがあります。

当社の採用実践セミナーには、歯科院長だけでなく、歯科業者やコンサルティング会社などの競合他社も参加してくれています。

当社のノウハウを提供することで、歯科業界の採用問題が改善できればうれしい限りです。

2018年に発売された初版はWEB販売ランキングで1位でしたね。

この結果は、本当に多くの先生方が採用に困っていること、採用に特化した書籍のニーズが高いことを実感しました。

本書を読まれた医科の先生からのコンサルティング依頼もあり、歯科業界に限らず医療界全般として、採用戦略に対する不安を抱えていることも分かりました。

本書の利用によって、「初めてスタッフの拘束時間や勤務時間を知った」「問題点の洗い出しや整理ができた」という院長もいらっしゃいました。

現状把握ができると自院の強みが明確になり、他院との差別化ができるようになります。

結果として、オリジナリティのある採用募集へとつながると思います。

まとめ

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(画像=pixta)

「求人に応募がない」「採用に結び付かない」「離職者が多い」といった、人材に関する悩みを抱える歯科院長がたくさんいます。

このような歯科医院には、院長の消極的な姿勢、社会保険の不備などの特徴がありますが、現状把握・整理をして、1つずつ改善すれば、効果的な採用を望むことができます。

採用に関して漠然とした不安を感じている先生や、今後開業を視野にいれている先生にとって「歯科医院のための採用マニュアル・ツール集」は安定した歯科医院経営に必読の書籍です。

次回は、コロナ禍における採用形式の変化や、Z世代の採用ポイントについて、伊藤先生に解説していただきます。

伊藤 祐子さんの書籍紹介


求人広告の作り方から、見学・面接のポイント、定着のヒント、離職トラブル対応までを網羅

シートに記入するだけで求人広告などが完成します。
初版に比べ、Z世代対応や、ハローワークの新サービス・インスタグラムを活用した最新の採用テクニックを大幅にアップデート。
「超」求人難時代の現在において、ローコストで採用できる秘策を知ることができます。

伊藤 祐子

株式会社グランジュテ 代表取締役

兵庫県生まれ。東洋英和女学院大学卒業後、シンガポール航空客室乗務員として勤務。その後、スイス系プライベートバンク勤務を経て、10年間歯科医院の理事を勤め、従業員2名から40名以上の大規模医療法人設立に携わる。

人材が集まりにくい地域にて人材を安定して採用するノウハウが注目され、セミナー講師、雑誌連載の依頼を多数受ける。

2014年(株)グランジュテ創業。

医療機関の人材採用に特化したコンサルティングは全国300医院以上に及び、9割以上のクライアントが3ヶ月以内に希望職種の採用に至っている。

今回、歯科医院の採用課題を解決し、コロナ時代の先を見据えた採用戦略を寄稿頂く。

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