(株)ビジブルのCEOの山上真司です。
私は住宅・保険の営業経験を活かし、現在は資産運用・保険・マイホーム購入のコンサルタントとして活動しております。
年間150件の新規相談、50回ほど開催しているセミナーでは、金融業界の裏話や営業マンの本音などをお伝えしてきました。
これまで中立的な立場からお客様の問題を解決してきた中で、多くの歯科医師の先生方からご相談もお受けしてきましたが、他の相談と比べても特に「もったいない」と感じることが多くありました。
今回はマイホーム購入の際に知っておきたい「住宅・不動産業界の裏事情」について解説します。
マイホーム購入を失敗へと導く業界の裏事情
前回は、「マイホームを購入する際に正しいステップを踏まなければ間違った買い物となってしまうリスクがあること」を解説しました。
また、これ以外にも歯科院長がマイホーム購入に失敗してしまうのは、住宅・不動産業界の仕組みも関係しています。
今回は、その業界の裏側に踏み込んで解説します。
知っておきたい住宅・不動産業界のウラ話
自社商品ありきの提案
マイホーム購入を検討する際に、ハウスメーカーや不動産会社の担当者に相談すれば、自分の希望に合わせた最適な提案をしてくれると多くの方が思っています。
ですが、(もちろん素晴らしい担当者が世の中に存在することは理解した上で)営業マンの仕事は「目の前の人にいかに高い物件を買ってもらうこと」です。
どうしても自社商品ありきの偏った情報提供になることが多いです。
固定給をもらっている会社員である以上、一定の営業成績を上げなければ会社での居心地は悪くなってきます。
ですので「契約」をゴールにしている営業マンが多いのは事実です(私自身、社会人2年目で年間契約ゼロの給料ドロボウ状態でしたので、よくわかります 笑)。
営業マンから話を聞いて「●●さんの要望の場合、弊社より●●社(他社)のほうがご意向に合ってますよ」と言われたことはありますか?
しかし、このように言われることはあまり多くないと思います。
言われたとしたら、その方は顧客本位の非常に優秀な方ですので、良い関係を築いたほうがいいと思います。
要するに、営業マンは「自社商品をセールスしてくる人」と理解して接するほうが、客観的な判断ができると思います。
「のっけ引き」人生で一番高い買い物なのに定価がない
特にハウスメーカーに多いのですが、実は「定価があるようでない」のがこの業界です。
お客様の要望に基づき図面を作成して金額を出すと3,000万円になる物件があるとします。
しかしお客様には「3,200万円になるのですが、上長に300万円くらい値引きできないか相談しますね」と伝えます。
これが業界でいうところの「のっけ引き」です。
値引き後は2,900万円になるのですが、実際には100万円しか値引きされていません。
このように売り手本位に演出された値引きが、頻繁に行われている業界なのです。
したがって、インターネットで「●●ハウス 値引率」などで検索すると、「15%値引きしてもらった」「我が家は20%値引きしてもらいました!」などの投稿を見ますが、全く参考にならない情報です。
建物価格はエリアによって工事費・人件費が異なり、全国一律ではありません。
もし1円でも安く買いたいのであれば、提示価格と相場価格をと照合し、競合もを入れて、3ステップで値引き交渉をするのが効果的です。(どうしても知りたい方はご連絡ください)。
後述しますが、1円でも安く買うことが最適かは別問題ですのでご注意ください。
キャンペーンチラシを信じていた新人の私
折込チラシなどで「期末決算キャンペーン」などの文字を見たことがあるのではないでしょうか。
私が新卒入社したハウスメーカーでは、入社直後にちょうどこのキャンペーンがありました。
チラシには「3棟限定!」と謳われており、お客様に少しでもお得に提案できるなら!と思い本社に「あと何棟残っていますか?」と問い合わせたところ、「君は素直だね~、限定なんてないよ~」と笑われてしまいました。
限定というのは嘘キャンペーンだったのです。
他にも不動産仲介の業界では、実際にはすでに契約済の条件の良い部屋をネットやチラシなどに掲載することも多々あります。
お得感を出して集客し、他の物件をあてがうことから「おとり物件」と呼ばれています。
さらには、売主と買主両方から仲介手数料を多く取れる物件のみを勧める業者もいます。
マイホーム購入を検討する際は、このような悪徳業者に騙されないように注意してください。
お得に買うことよりも大切なこと
マイホーム購入の際に大切なのは「納得感」と「担当者と良い関係を築くこと」です。
本質的に価格以上の価値を感じていたら、値引きを求める必要はないはずです。
もちろん同じものを買うなら安いに越したことはありませんが…、値引きを求める時点で、期待以上の提案をしてもらえていない可能性があります。
また、特に注文住宅であれば契約がゴールではありません。
契約後、引き渡しまで約1年。引渡し後も付き合いは続きます。
契約時にゴリゴリに値引交渉をすると関係性が悪くなり、丁寧にフォローしてくれないなど、損が発生するかもしれません。
そもそも「値引きして欲しい」と思う時点で、ハウスメーカーや担当者を変えたほうがいいかもしれません。
契約時の納得感より「住んでからの満足感」が最大になるマイホーム購入を心がけましょう。
また、「この担当者に任せていいのか?」「どちらの担当者も良くて選べない」などのケースもあると思います。
良い担当者を見抜くのにお勧めの方法は、営業マンや担当者に「なぜこの仕事をしているんですか?」とシンプルに聞くことです。
優秀な人は、必ず想いや使命を持って働いています。
そこで返ってきた答えに納得できる人ならば、良い仕事をしてくれるはずです。
マイホーム購入の際、まず何からすべきか
マイホームの購入は、ほかの買い物と性質が異なります。
購入を検討する前に、まずはその性質を把握することが大切です。
性質1 感情が優先される
マイホームの購入は「論理だけでは判断できない」という性質があります。
ライフプランではマンションを購入すべきと分かっていても、「ずっと一戸建てに憧れていたから」と感情を優先してしまう方が少なくありません。
性質2 決定権が複数人にいる
「決定権者が複数いる」という点もマイホーム購入ならではの性質です。
そもそも意見が完全に一致しているという夫婦を私は見たことがありません。
2世帯住宅ともなれば、親の意見も加わり、それぞれの意図や願望が複雑に入り組みます。
あまり仲の良くないご家庭ではなかなか話がまとまらず、図面の打ち合わせだけで約4ヵ月、100回程度図面を書き直したこともありました。
性質1や性質2によって、家族で意見がまとまらない場合にお勧めの方法は、各自がマイホーム購入の際に「譲れないことBEST3」を書き出し、みんなで持ち寄り、家族のBEST3を決めます。
それを基にすると、軸がブレずに検討できます。
性質3 失敗のリスクが高く、気軽に乗り換えられない
金融商品であれば「この商品はちょっと失敗だったからA社からB社に切り替えよう」と、好きなタイミングで気軽に損切ができます。
しかし住宅はそうはいきません。
人生で一番高い買い物で失敗しないためには、早い段階で信頼できる「顧客本位のセカンドオピニオン」を探すこともひとつの方法です。
不動産会社やハウスメーカーと提携せずに活動する、独立した住宅コンサルタントやファイナンシャルプランナーを探してみましょう。
まとめ
残念ながら、不動産・ハウスメーカー業界には未だに理不尽がまかり通っています。
マイホームを間違った買い物にしないためにも、まずは顧客本位のセカンドピニオンと出会うことが大切です。
「悪徳業者に騙されないか心配」「何から始めてよいか分からない」などマイホーム購入に不安のある方は、当方までお気軽にご相談ください。
次回は知らないと損をする「住宅ローン」についてお伝えします。
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株式会社visible 代表取締役|歯科てっぺん塾 主宰
1986年生まれ。中央大学商学部を卒業後、大手ハウスメーカー、外資系生命保険会社、乗合保険代理店にて営業に従事。住宅業界・金融業界ともに販売がゴールである「業界の在り方」に疑問を抱く。
顧客にとって目に見える(=visible)わかりやすい業界に変えたいという想いで、2019年株式会社visibleを設立。
「知らずに損する人をゼロに」をコンセプトで業界のウラガワを伝え、クライアントと最適な答えを繋いでいる。直近1年でセミナー参加・個別相談頂いた歯科医師は延べ300名を超える。