歯科医師が抱くコンプレックス_歯科医のやりがいと難しさ_あきばれ歯科経営 online編集部

歯科医師はやりがいがある職業である一方、難しさもあります。

また、世間からのイメージと実際の歯科医との違いなどを感じるケースもあるでしょう。

この記事では、歯科医の難しさや世間のイメージとの違いなどを紹介します。

「歯科医師」のイメージ

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(画像=pixta)

「医師」と「歯科医師」は、同じ「医師」という名称がついているため比較されやすい職業です。

学部の偏差値だけを比較すると、医学部のほうが全体的に高い傾向にあるため、世間では「医学部に入るのが難しい人が歯学部に入る」というイメージを持っている人もいるようです。

しかし、歯科医師という職業に憧れて、歯学部を志す人も数多くいます。

中には、「医学部を諦めて歯学部に入学した」という人もいると思われますが、初めのうちはコンプレックスを感じていたとしても、歯科医師として多くの患者と関わるうちに、歯科医師であることの誇りを持ち、やりがいを感じるケースも多いようです。

歯学部は学費が高い

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(画像=Monster Ztudio/stock.adobe.com)

歯学部の学費は高く、ハードルが高いという実態もあります。

全国には歯学部が29あり、その中には国公立大学もあります。

しかし、歯学部のある国公立大学は12校しかなく、定員数も少ないため狭き門だと言えるでしょう。

また、人口の多い首都圏の国公立大学は、「東京医科歯科大学」のみとなっているため、首都圏で歯科部の国公立大学を目指す場合はさらにハードルが高くなります。

国公立の場合には6年間で350万円程度の学費で抑えられますが、私立だと学費はさらにかさみます。

学校によって違いはありますが、2,000~4,000万円程度かかるケースもあるなど、学費が重い負担になりがちです。

学費面で歯学部を目指すことが難しいという場合には、奨学金制度を利用するという方法もあります。

大学ごとに奨学金制度を設けており、条件を満たすことで奨学金による支援を受けることが可能です。

歯科医師国家試験の難化

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(画像=pixta)

歯科医師は国家試験の1つですが、試験は年々難しくなっており、合格率も低下しています。

歯科部の学費は高額になりがちですが、高い学費を払って6年間かかって勉強しても、国家試験に受からなければ意味がない、お金と時間の無駄になってしまうのではという不安や懸念を抱えている人も多いようです。

実際、厚生労働省の発表によると、2022年の歯科医師国家試験の合格率は61.6%と前年よりも3.0ポイント下がっています。

新卒合格率に限定すると3.1ポイント、既卒合格率は1.3ポイントダウンとどちらも下がっており、2年連続ダウンする結果となるなど国家試験が難化していることがわかります。

また、大学ごとの合格率には、かなり差があります。

大学によっては成績が悪いと国家試験自体を受けさせてもらえない場合もあるようで、試験を受けるための努力も欠かせません。

参考:厚生労働省「第115回歯科医師国家試験の合格発表について」

職人的要素が強い

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(画像=pixta)

歯科医師は、職人的要素が強い職業でもあります。

もちろん、歯科医師として活躍するためには、歯学部に入学して歯科医師国家試験に合格するだけの学力が必要です。

また、患者だけではなく歯科衛生士などと良好な関係を築くためのコミュニケーション能力なども必要ではありますが、手先の器用さなども必要になります。

これは、歯科医師だけではなく外科医などにもいえることですが、治療や処置、手術などには手先の器用さが求められるでしょう。

歯科医師には、歯科放射線医などのように直接患者に治療しない科もありますが、開業医として治療に携わる場合は器用さが必要です。

働き方の選択肢が少ない

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(画像=pixta)

歯科医師は働き方の選択肢が少なくなりがちです。

一般的に、歯科医師の勤務パターンとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 大学の職員
  • 病院の勤務医
  • 個人医院の勤務医
  • 自分で歯科医院(歯科診療所)を開業

これらが主な働き方となります。

若いうちは勤務医としての需要があり、さまざまな場所で働くチャンスがあるでしょう。

しかし、年をとるにつれて需要は減っていきます。

これは、歯科医院は開業医が多く、年上の歯科医師を採用をためらう院長が多いことも原因です。

そのため、開業するか定年まで働ける場所を探すかという選択肢になります。

歯科医師過剰問題

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(画像=ponta1414/stock.adobe.com)

歯科医師過剰問題も深刻化しています。

昭和40年代から50年代にかけて、歯科医師不足が叫ばれていました。

そのため、人口10万人に対して歯科医師数をおよそ50名程度になるようにという目標を立てて歯学部を増加し、その結果として2022年現在では人口10万人に対して80名を超えるほどに歯科医師は増加しています。

当初の目標よりも大幅に歯科医師数が増えたことで、歯科医師が多すぎるという問題が起こってしまいました。

厚生労働省の調査データ(「Ⅰ 医療施設調査」)によると、2018年時点の歯科医院の数は68,940件でコンビニの数よりも多いと言われています。

このような現状から、新規の開業も減っていくだろうと考えられています。

参考:厚生労働省「Ⅰ 医療施設調査」

まとめ

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(画像=pixta)

歯科医師は人々の歯の健康を守る大切な仕事です。

歯科医師としての仕事に楽しさややりがい、誇りを感じている方も多いでしょう。

一方、歯科医師には難しさもあります。

歯学部の学費の高さや国家試験の難化、歯科医師過剰問題などがあり、今後は新規の開業が減少していくと予測されています。

このように、歯科業界を取り巻く現状は厳しくなっているため、安定して歯科医院を経営するには対策が必要です。

働きやすい環境を構築する、サービスの質を向上させるなど日々の取り組みが重要となってくるでしょう。

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あきばれ歯科経営 online編集部

歯科衛生士でもある「あきばれホームページ」歯科事業部長の長谷川愛が編集長を務める歯科医院経営情報サイト「あきばれ歯科経営 online」編集部。臨床経験もある歯科医師含めたメンバーで編集部を構成。

2021年5月14日「あきばれ歯科経営 online」正式リリース。全国1,300以上提供している「あきばれホームページ歯科パック」による歯科医院サイト制作・集客のノウハウを元に、歯科医院経営を中心とした歯科医院に関する様々な情報を経営に役立つ観点からお届けする。