いまさら聞けない 事務長をうまく活用する「3つのポイント」

前回お話した「歯科経営を変える鍵は『事務長』にあり。事務長活用こそ歯科経営を変えるカギと断言できる理由とは?はお読みいただけましたか。事務長の必要性と事務長活用が難しい理由を理解していただけたかと思います。

とはいえ実際に自院でも雇用すべきか、規模的には採用した方が良いとは思いつつも、まだ踏ん切りのつかない院長も多いことでしょう。何事も新しい試みに挑戦するときは不安を伴うものです。

そこで今回は、悩める院長の背中を押すべく「事務長を使いこなすための3つのコツ」を詳しく解説します。

事務長に活躍してもらうポイント1:自院に必要な「事務長のタイプ」を把握する

事務長を使いこなす1つめのコツは、事務長のタイプを的確に理解し、自院の求める事務長像と合致した人材を雇用することです。

事務長には以下の通り3つのタイプがありますので、それぞれ解説していきます。

事務長の3つのタイプとは

1)経営パートナー型 院長と対等の立場で経営に関わる事務長です。院長は治療に専念し、それ以外の部分はすべて丸投げできる……そんな万能型の事務長だと言えるでしょう。

ただし私の知るかぎり、経営パートナー型事務長は非常に稀です。全国でも数名いるかどうかでしょう。

2)マネージャー型 組織作りやスタッフ全体のマネジメントを担当する事務長です。人事や組織のマネジメントだけでなく、ホームページやSNSの運用、広告を使ったマーケティング業務など、医院を成長させるための外部向けの業務も含めて、単なる作業者ではなく管理職として業務を推進します。

3)事務兼秘書型 雑務全般に加えて、院長のスケジュール管理のような秘書的業務も担当するのがこのタイプです。一般の会社では総務に当たる仕事と言えます。

「期待外れ」の原因は事務長像をイメージできていない院長にあり?

事務長を使いこなすためには、3つのタイプを理解するだけでは足りません。実際に事務長を採用した後には、「事務長を使う」という院長側の技術が必要です。

事務長にやってもらいたい仕事が、「院長自身もやろうと思えばできる」というものであれば、基本的には事務長を使うことは可能です。

院長自身が苦手と思う領域を事務長に代行させる場合でも、その仕事のポイントや留意点は理解しており、仕事の出来不出来の判断はできる程度に、自身の見識を上げていくことも必要でしょう。

よくある話の一つに、メーカーやディーラーの営業マンを雇用し、マネジメント領域での活躍を期待していたのに、「言われたことしかできない」というケースがあります。

そんなとき院長は「期待していた事務長じゃない!」と強い不満を抱くでしょう。できることなら「できの悪い事務長をすぐに解雇して、新しい有能な事務長を採用したい」と考えるかもしれませんが、後の祭りです。

院長の裁量で事務長を解雇することは違法

残念ながら、他の職種と同じように、一度雇用した事務長を、カンタンに解雇することは認められません。日本の労働法には「解雇権濫用の法理」があり、雇用者が被用者を解雇するには相応の条件が必要だからです。

このような不幸なミスマッチが起きるのは、自院の課題、必要とする事務長がどのタイプなのか、どのように事務長に仕事を代行させるのかを、院長自身が熟知できていないからです。自院の規模やビジョンから逆算し、組織に必要な事務長像を上の3つのタイプから具体的にイメージできていれば、院長、事務長ともに不幸なマッチングを減らすことができます。