どうする?コロナ禍で実施する2022年度の新卒採用

はじめまして。株式会社グランジュテの伊藤祐子と申します。

私はシンガポール航空入社後、外資の信託銀行、医療法人の理事として10年勤めたあと、株式会社グランジュテを立ち上げました。

主に歯科医院の採用コンサルティングを行なっており、お手伝いさせて頂いた歯科医院様は日本全国約300院となります。

昨年はコロナにより、あらゆる業界で対面での説明会や面接ができない、見学にもほとんど行けない、など未だかつて無い、新たな採用活動を余儀なくされました。

そんな手探りの一年を経て、あっという間に次の採用活動が始まります。

このコラムでは、この一年間様々な医院様の採用活動を手伝ってきて感じたこと、2022年度の採用を成功させるポイントなどをお話させて頂きます。

2021年の新卒採用でできなくなったこと・変わったこと

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(画像=taka/stock.adobe.com)

昨年は3月という「さあこれから採用活動が本格化する」という時期に緊急事態宣言が発令され、今まで通りの活動ができなくなりました。

一番大きく変わったのは、今までのように気軽に見学に行けなくなり、「医院の見学は3つまで」「面接は1院のみ」など、学生が学校側から厳しい規制を受けたことです。

今までは5~10院くらいの説明会に参加したり見学に行っていたのが、まず見学に行く院から厳選しなければならなくなりました。

この結果、SNSやホームページなどでしっかりと情報発信をしていたり、フォロー体制が整っていた院が人気となりました。

医院の方は限られた時間の中で院の特徴や魅力を伝えなければなりませんでしたが、果たしてどれくらいの医院が短期間でその準備ができたでしょう。

2022年度の採用活動も、ほとんど昨年に近い状況になることは避けられません。

2022年の新卒採用はこうなる

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(画像=naka/stock.adobe.com)

一年間を通した衛生士の採用スケジュールの中で、いちばん最初の重要なポイントは、7月に衛生士学校にの求人票を送るというところです。

4月から6月の3ヶ月は、この求人票の作成が最も重要な作業となります。

「来年度はこういう衛生士が欲しい」「医院の魅力や特徴はこのように伝えたい」ということをしっかりと練って、本命の衛生士の募集には代行を頼らず自らできちんと想いを伝えるようにしましょう。

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2020年度の採用成功事例1

どこの医院も突然のコロナに見舞われたため戸惑いの多かった2020年度の採用。

その中でも、しっかりと良い採用を実現した医院もたくさんあります。早速そのポイントをご紹介しましょう。

●リファラルブックが採用成功の鍵に●
リファラルブックを作成した医院が、後輩にリファラルブックを見せたところ、即見学希望者が。その見学がきかっけで、採用に至りました。

この医院では、長年新卒が採用出来ていなかったのにも関わらず、このようにして2021年4月に1名の新卒DHが入社しました。

2020年度の採用成功事例2

二つ目の採用成功事例は、自分たちで作成した求人票やちらしがきかっけでした。

何もプロに依頼して美しいチラシをつくったからといって効果が出るわけではなく、自分達で一生懸命に作成した求人票、チラシは効果があります。

2021年度の採用の傾向は

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(画像=naka/stock.adobe.com)

この特別な一年を振り返ってみると、歯科医院の採用はどうだったのでしょうか?私がコンサルをしている医院様では以下のような印象があります。

  • 有資格者は売り手市場
  • 若手歯科医師の採用が非常に難しい
  • 管理栄養士は30人ぐらい応募が来る
  • 保育士も採用がしやすい
  • 有名大学卒の歯科助手を採用できた
  • 優秀な事務スタッフ、事務長の採用も好調
  • クリーンスタッフ層が薄い
  • 緊急事態宣言下では歯科助手の応募が鈍る

このように、若手歯科医師や有資格者の採用が非常に難しかった一方で管理栄養士や保育士は採用がしやすかったり、緊急事態宣言歯科では歯科助手の応募が鈍るなど、職種により違いが見られました。

「過去何年も続けてきたような採用活動が難しい」というのは2022年度も継続すると思われるので、歯科医院の方も「今までと違う募集や医院紹介」が求められます。

内定辞退を防ぐポイントは

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(画像=naka/stock.adobe.com)

学生から見たコロナ禍の就職活動は、活動自体も非常に限られ、「見学は3院まで」のような少ない情報の中で決定しなければならず戸惑うことも多かったはずです。

せっかく内定をもらっても実習や見学も満足にできない状態では、「ここで本当に良かったのか」と不安を感じることも多いでしょう。

この時に役に立つのがSNSです。

SNSは説明会や面接などと違いもっとフランクに医院の雰囲気や様子が伝わり、親近感を感じられるツールです。

応募を検討している学生はもちろん、内定をもらった学生がその後もフォローしている可能性は十分ありますので、内定者が働くのが楽しみになるようにしっかりSNSを活用してください。

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伊藤 祐子

株式会社グランジュテ 代表取締役

兵庫県生まれ。東洋英和女学院大学卒業後、シンガポール航空客室乗務員として勤務。その後、スイス系プライベートバンク勤務を経て、10年間歯科医院の理事を勤め、従業員2名から40名以上の大規模医療法人設立に携わる。

人材が集まりにくい地域にて人材を安定して採用するノウハウが注目され、セミナー講師、雑誌連載の依頼を多数受ける。

2014年(株)グランジュテ創業。

医療機関の人材採用に特化したコンサルティングは全国300医院以上に及び、9割以上のクライアントが3ヶ月以内に希望職種の採用に至っている。

今回、歯科医院の採用課題を解決し、コロナ時代の先を見据えた採用戦略を寄稿頂く。