歯科医院の院長として自分の「強みを見つける」 自分を知るための7つの質問

「99%の歯科医院が知らない パーソナルブランディング入門」をお読みになった院長先生は、「パーソナルブランドの大切さは理解できた。ではどうやってパーソナルブランディングをすればいいのか」と気になったことと思います。

そこで、パーソナルブランディング実現の具体的なステップを説明します。

最初のステップは「自分を知る」です。 パーソナルブランディングは他でもない自分自身のブランディングですから、いったい自分が何者なのか、歯科医師としてどのような考え方で仕事をするのかを明確にしておくのです。

歯科医師になると決めた当時の自分の想いを振り返り、また現在の自分の気持ちと照らし合わせながら、読み進めてみてください。

パーソナルブランドで最も重要な「自分を知る」

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(画像=pixta)

パーソナルブランドとは「自分ならではの価値」のこと。したがってパーソナルブランドは、無理やりひねり出すものではありません。

すでに自分の中にある価値を見つけて表現する工程がパーソナルブランディングなのです。

「99%の歯科医院が知らない パーソナルブランディング入門」で解説したように、パーソナルブランドを構築する一連のステップは、以下の3つです。

  • ステップ1 自分を知る(自己肯定)
  • ステップ2 言葉にする(言語化)
  • ステップ3 人に伝える(情報発信)

ステップ1の「自分を知る(自己肯定)」とは、自分の理念(ミッション・ビジョン・バリュー)を見つけることと言い換えられます。

ステップ2の「言葉にする(言語化)」とは、ステップ1で知った自分の理念をステップ3で人に伝えるために言語化することです。

ステップ3の「人に伝える(情報発信)」とは、 ステップ2で明確に言語化した自分の理念を人に伝えることだと理解してください。

3つのステップのエッセンスをまとめて表現します。
「自己を知り、自己を磨き、自分ならではの価値を他者に伝える一連のプロセス」
これが私の考えるパーソナルブランディングの定義です。

ただし、パーソナルブランディングで最も大切なのは、ステップ1「自分を知る(自己肯定)」です。

「自分を知る(自己肯定)」とは、「自分だけの理念(ミッション)を見つけること」と言い換えることができます。

私が院長先生のパーソナルブランディングをお手伝いする際も、自分のなかにある理念を見つけて確立することに多くの時間を割いていただきます。

自己肯定の有無がパーソナルブランディングの成否を決める

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(画像=ponta1414/stock.adobe.com)

パーソナルブランディングの成否は、自己肯定感の有無で決まります。

では、自己肯定感の有無はどのように確認すればいいのでしょうか。

そもそもあなたはパーソナルブランディングを望んでいますか?

私が院長先生のパーソナルブランディングをサポートするときに投げかける質問があります。

質問1 あなたは成功して豊かさを手に入れたいですか?
質問2 あなたは誰にどんな価値を提供する人ですか?
質問3 あなたは自分の市場価値を高めたくないですか?
質問4 あなたはまだ集客や競争に悩まされたいですか?
質問5 あなたは「選ばれる自分」になりたくないですか?
質問6 あなたはどんなキーワードで検索されたいですか?
質問7 あなたはどんな言葉でタグ付けされたいですか?

この7つの質問は、パーソナルブランディングの前に行う適性検査のようなものと考えてください。

たとえば、「質問1 あなたは成功して豊かさを手に入れたいですか?」は、自分の夢や意図が明確になってるかを確認するための質問です。

「質問2 あなたは誰にどんな価値を提供する人ですか?」では、自分が提供できる価値を理解しているか、その価値を誰に提供したいかを確認します。

もうお分かりだと思いますが、これらの質問には「パーソナルブランディングを望んでいるか?」を確認する意図があるわけです。

質問にまったく答えられない人は、まだ自分のことをよく分かっていない可能性が高いです。

自分という存在、自分が持っている価値やブランドが分からないのですから、自己肯定感が低くて当然です。

自己肯定とは「自分だけの強み」を認めること

歯科医院の経営者として、歯科医師として、あなたの強みはなんですか?

即答できなくても大丈夫です。ほとんどの人は「自分に強みなんてない」と思い込んでいます。

先ほど「7つの質問に答えられなかった人は、自己肯定感が低い」と説明しました。しかし、自己肯定感が低いからといって、強みがないわけではありません。

強みは、「これが自分の強みだ」と認めた瞬間から強みになるのです。

「こんなの他の歯科医院でもやってること。

うちの強みでもなんでもない……」と、他者と比べて決めるものではありません。

「ほとんどの人は、自分は何が得意かを知っていると思っている。しかし、たいていは間違っている。...それでもなお人は、強みによってのみ何かを成し遂げることができる」というマネジメントの父と言われるピーター・ドラッカーの言葉をご存知でしょうか。

強みがない人はいません。まだ見つけられていないだけなんです。

自分のなかにある強みを探し、見つけ出してください。そして、認めてあげましょう。

そうすれば、少しずつ自己肯定感が芽生えていきます。

たとえばある先生が、「自分は治療のスキルが低いから予防歯科に力を入れている」と考えていたとしましょう。

予防歯科に注力することは、決して「逃げ」ではありません。

予防歯科に取り組む想い自体が強みなのです。

強みが一つあれば、パーソナルブランディングは可能です。

強みと理念は不可分の関係

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(画像=Paylessimages/stock.adobe.com)

歯科医師という仕事を選んだときのことを覚えていますか。

あなたはなぜ歯科医師の道を選んだのでしょうか。

なにか強い動機があったはずです。

「強い動機なんてない。親父が歯科医師だったから、後を継いだだけだ」という人もいることでしょう。

しかし、たとえ歯科医師になった動機が弱かったとしても、現在は歯科医院を経営し、地域医療に貢献しているわけです。

そこにはなんらかの動機があるはずです。

例えば、なぜ自分はこの街で開業したのか。

なぜ競合の多いインプラント専門歯科医院を開業したのか。

なぜあえて予防歯科に取り組んでいるのか。

……等々。

こうして自分の足元を見つめなおすと、いったい自院がなぜ存在しているのかという使命が浮かんでくるはずです。

その使命こそが、あなたが歯科医師である理由であり、自院の経営理念なのです。

強みの背後には必ず理念がある

ここでもう一度ドラッカーの言葉を振り返りましょう。

「強みによってのみ何かを成し遂げることができる」

弱みを克服するには、人生はあまりにも短すぎます。

もしインプラントが苦手だとしたら、自院の看板やホームページに「インプラント」の文字は存在していません。

つまり、あなたの今の生き方や仕事において、「弱み」はすでに排除されているのです。

勘のいい先生はもう気づきましたね。

理念を実践することの背後には、必ずあなた自身の強みが存在していることに。

開業した場所、標榜する診療科目、ターゲットとする患者さんの属性。

自院を構成するあらゆる要素・条件を一つひとつ確認しましょう。

そのすべての選択はあなた自身の理念を反映しています。

しかし、なんの根拠もなくそれらを選択したわけではありません。

吟味を重ねたうえで、「よし、これならいける!」と意思決定してきたはずです。

あなたの意思を支えているものは「強み」なのです。

強みがあるからこそ、このロケーションで、この診療方針で、この患者さんを対象に、この設備で開業する……と意思決定したのではないでしょうか。

理念と強みが見つかれば、パーソナルブランディングは成功したも同然

あなただけの強みは、すでに目の前にあります。

その強みはあなただけの理念によって支えられています。

この事実に気づいてください。

自分なりの理念と強みが見つかればもう大丈夫。

あとはそれを言語化し、人に伝えようという気持ちになります。

「何がなんでもパーソナルブランディングを成功させたい!」と渇望するはずです。

今回はここまでとします。

次回取り上げるのは、パーソナルブランディングのステップ2「言葉にする(言語化)」です。

理念を言語化するとはどういうことか、分かりやすく解説します。

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廣田 祥司

株式会社オール・デンタル・ジャパン 代表取締役

1973年生まれ。立教大学大学院ビジネスデザイン研究科修了(MBA)。 現在10社の経営に携わる起業家であり、何度も倒産の危機を乗り越えた体験をもとに、起業家をビジョン実現に導く「ビジョナリーコンサルタント」として活動。

コンサルティングを提供する中で改善が持続しないケースを目の当たりにし、持続的成長を実現する起業家には「パーソナルブランド」があると気づく。

仮説、検証を繰り返すことで再現性の高い独自メソッドを生み出し、様々な専門家や起業を目指すビジネスパーソンを真の豊かさに導く活動を始める。

医療分野では300名以上の医師・歯科医師の人生を「パーソナルブランディング」を通じ総合的に支援。