メリットが大きな歯科衛生士のスキルアップは積極的にサポートしよう

定期検診や予防処置を中心に、ドクターと同じ目線で患者さまの治療にあたる歯科衛生士は、歯科医院の評価を左右する重要な存在です。自院で働く歯科衛生士のスキルアップを積極的にサポートするためには、どの様な手段があるのでしょうか。

今回は歯科衛生士のスキルアップのメリットを踏まえて、ぜひとも身に付けさせたいスキルについて徹底解説します。

歯科衛生士のスキルアップに取り組むメリット

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(画像=Paylessimages/stock.adobe.com)

治療の質・患者満足度が高まる

厚生労働省が実施する患者調査によると、う蝕での歯科への受診は減少傾向。その代わり以前に比べて患者人数が大きく増えているのは、「歯肉炎・慢性歯周炎」や「検査・健康診断(査)及びその他の保健サ-ビス」です。

この結果は、患者さまの歯科疾患への予防意識の高まりを示しているといえるでしょう。

歯周治療や予防・メインテナンスでは歯科衛生士の果たす役割が大きく、患者さまと接する時間も長いのが特徴です。つまり、歯科衛生士のスキルレベルは治療の質や患者さまの満足度に大きな影響を与えるということになります。

歯科衛生士のスキルアップはメンテナンス目的での来院増、ひいてはその医院の利益アップにつながるのです。

スタッフのモチベーションが向上する

歯科衛生士の多くは、自分の仕事に誇りとやりがいを持ち、スキルアップへの意欲も高いものです。日本歯科衛生士会が発表した「歯科衛生士の勤務実態調査報告者」によると、調査への回答者の約8割が仕事にポジティブな意識を持っていることが分かっています。

向上心を持つスタッフにスキルアップの機会を与える
→ スタッフのパフォーマンスが高まる
→ 医院への貢献・治療効果を評価して給与・待遇に反映させる
→ スタッフのモチベーションがさらにアップする

という仕組みを構築できれば、スタッフと自院双方にメリットをもたらす好循環が生まれるでしょう。

また、スキルアップしてモチベーションの高まった歯科衛生士は、新人教育をはじめ、他のスタッフへの見本となるという点でも良いパフォーマンスが期待できます。

求人の際のアピールにもなる

歯科衛生士のスキルアップへの取り組みは、求人の際のアピールポイントにもなります。

歯科衛生士は自院にとって不可欠な存在ですが、実は離職率が高いことで知られています。歯科衛生士そのものを辞めてしまう人も決して少なくありませんが、多くは今の職場に不満を持ち、他の歯科医院へ移ってしまうというのが実状です。

また、仕事への意欲が高い歯科衛生士ほど、

  • 十分な教育体制やスキルアップ支援がない
  • さらなるキャリアアップを目指したい
    という理由で転職を考えます。

向上心が高いやる気のある人材が欲しいのなら、求人ではスキルアップ支援が充実していることをアピールするのが得策です。

歯科衛生士に身に付けさせたい3つのスキル

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(画像=Mihai Simonia/stock.adobe.com)

具体的にどのようなスキルを身に付けてもらうべきなのか、詳しく見ていきましょう。

スキル1.コミュニケーションスキル

歯科衛生士にぜひ身に付けて欲しい能力の一つが、コミュニケーションスキルです。最近では歯科医療にもサービスの質が求められており、患者さまも歯科医院を選ぶ際にスタッフ対応の良さを重視する傾向にあります。

特に歯周治療や予防管理は、患者さまとの信頼関係が不可欠です。歯科衛生士は、患者さまが口腔内で悩んでいることや生活習慣などをしっかりと聞き出し、適切なケアに誘導しなくてはいけません。

「この人になら自分の歯を任せられる」という信頼なくては、セルフケアなどの協力も得られにくくなってしまいます。

自院の治療方針を踏まえつつ、患者さまと良い関係が築けるよう、院長からも歯科衛生士に役割の重要性を伝えることが大切です。

スキル2.テクニカルスキル

歯科衛生士の一番重要な要素であるテクニカルスキルも外せません。

歯周検査やスケーリング、TBIといった基本業務だけとってみても、注意深く観察すると、歯科衛生士一人ひとりのスキルレベルは院長が思っているより差があることが分かるでしょう。

特にメインテナンスの肝となるスケーリングについては、インスツルメントの持ち方、ポジショニングなど基礎的な部分から質の高い技術を身に付けたいところです。

スキル3.マネジメントスキル

歯科衛生士によるマネジメントスキルの習得も、歯科医院にとっては大きなメリットです。新人教育、人員配置、予約管理、売上管理などの知識・スキルを持ち、院長の考えを理解しつつ采配を振るってくれる歯科衛生士がいれば、歯科医院運営の大きな手助けになります。

チーフ(マネージャー)としてのスキルを身に付けさせたい歯科衛生士には、待遇面も併せて院長の希望やビジョンをしっかりと伝えましょう。

次からは、こうしたスキルをどのようにして向上させるのか、詳しい方法をお伝えします。

歯科衛生士のスキルアップ 3つの方法

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(画像=polkadot/stock.adobe.com)

方法1.院内教育制度の充実

  • 実技トレーニング スケーリングをはじめとする実技は、マネキンを使ったトレーニングや相互実習による技術の底上げが必要不可欠です。基礎をしっかりと身に付けてもらうためには、院内教育制度を充実させることが大切です。

  • OJT 指導カリキュラムやマニュアルを用意し、必要に応じて信頼できる先輩衛生士や歯科医師の力を借りて、定期的なコーチングでテクニカルスキルの向上を図りましょう。新人歯科衛生士も、このような充実した教育システムがあれば、安心して業務に就くことができます。

  • 院内勉強会 さらに、院長が学会で得た最新の知識の共有や、症例検討などを目的とした院内勉強会の開催もおすすめ。意欲の高い衛生士にとってはモチベーションアップの良い機会になります。

また、こうした勉強会はスタッフ同士の連帯感を高めるだけでなく、教える側のマネジメントスキルを育てる上でも有効な手段です。

方法2.外部セミナーの活用

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(画像=taka/stock.adobe.com)

外部で開催されるスキルアップセミナーの活用もおすすめです。歯科衛生士会をはじめ、コンサルティング企業や学会、歯科材料メーカーなどが歯科衛生士向けのセミナーを開催しています。

  • 歯周治療やメインテナンスなどの衛生士業務のスキルアップ
  • 自費率アップのためのカウンセリング
  • セルフケア用品販促のコツ

など、近年は歯科医院経営にとってもプラスになる多彩なテーマのセミナーがあります。自院の方針に合わせて利用すれば、歯科衛生士に院長と同じ視点を持ってもらえる良いチャンスとなります。

また、こうしたセミナーの参加費は個人が負担するには高額なものもあるので、歯科医院負担にするなど積極的に参加をサポートしたいところです。モチベーションの高い衛生士ならば、かけたコストを上回る利益をもたらしてくれることが期待できます。

方法3.資格取得を奨励する

認定歯科衛生士の資格取得も、おすすめの方法の一つです。

認定歯科衛生士は、「特定の専門分野において高度な業務実践の知識・技能を身に付けた」ことを証するもの。日本歯科衛生士会による認定資格と、各学会が主催する認定資格の大きく2つに分かれます。

認定を取得するためには、

  • 日本歯科衛生士会による生涯研修制度専門研修の受講
  • 各専門分野での実務経験
  • 対象の学会の正会員になる

といった要件を満たさなくてはいけません。

歯科衛生士は、認定を目指す過程で特定分野の専門性を身に付けることができます。

例えば、在宅医療への取り組みを推進したい歯科医院でスキルアップを目指すならば、摂食嚥下リハビリテーションや在宅療養指導・口腔機能管理コースの受講で、その道のスキルの習得が可能です。

認定歯科衛生士が在籍し、専門性の高い医療サービスを提供できることは、患者さまに対するアピールにもなります。自院の歯科衛生士にはこうした認定制度の存在を知らせて、ワンランク上のスキル獲得への意欲を促しましょう。もちろん、取得のためのサポートや資格手当の用意も併せて検討してください。

まとめ

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(画像=ponsulak/stock.adobe.com)

今回は歯科衛生士にぜひ身に付けて欲しいスキルや、スキルアップのメリット・方法を解説しました。

歯科衛生士のスキルアップの大きなメリットは本人のモチベーションアップにつながるだけでなく、経営する歯科医院全体に良い影響をもたらす点にあります。

患者さまから「継続してメインテナンスに通いたい」と思っていただく歯科医院を作るためにも、紹介した歯科衛生士のスキルアップの方策を実践してみてはいかがでしょうか。

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