歯科衛生士の離職率は高い!その理由を知って定着率を高める対策を

「なかなか歯科衛生士が定着しない」「歯科衛生士の離職率が高い」という悩みは多くの院長先生から聞かれます。実際、歯科衛生士の離職率は高く、慢性的に人手不足の状態が続いているのです。

この記事では、歯科衛生士の離職率が高い理由を説明した後で、歯科衛生士の定着率を高めるためのポイントをご紹介します。

歯科衛生士の離職率はどれくらい?

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(画像=paylessimages/stock.adobe.com)

まずは歯科衛生士の離職事情を見ていきましょう。日本歯科衛生士会会員を対象としたアンケート調査(※1)によると、約8割以上の人が転職を経験しています。さらに、2回から4回と、複数転職している人も少なくありません。

実際、歯科衛生士は、売り手市場とも言われており、令和2年度の新卒歯科衛生士の有効求人倍率は19.4倍(※2)です。つまり「1人の求職者に対して約20の求人がある」という状態になっています。歯科衛生士は勤務先を選べる立場にあり、優秀なスタッフを雇用するための競争は激化しています。

歯科衛生士の離職率が高い理由

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(画像=taka/stock.adobe.com)

結婚や出産を理由に続けられない

歯科衛生士はほとんどが女性です。そして、歯科衛生士の働き方としては「20代後半から30代にかけて結婚や出産を機に一度離職し、30代後半から40代前半以降に非常勤として復職する」というパターンが多くなっています。

歯科医院では産休・育休制度が十分に整備されていないケースも多く、歯科衛生士としては「働きたくても働けない」現実があるのです。こういった制度の不備が、歯科衛生士の離職率に影響を与えるケースも多く見受けられます。

給与や待遇に不満がある

転職を検討している人の理由として特に多いのが給与・待遇面です。歯科衛生士の年収のボリュームゾーンは300万円以上400万円未満ですが、実際の給与に満足している人は全体の約40%となっています。

歯科業界は超売り手市場であり、歯科衛生士は勤め先を選べる立場にあります。つまり、今の職場よりも良い待遇を求めて転職するインセンティブが強いため、歯科衛生士の離職率が必然的に高くなってしまうのです。

職場での人間関係

歯科医院の約80%は個人経営であり、平均従業員数は5人未満という小規模な職場です。そのため、一度職場でのコミュニケーションで失敗すると問題を解決することが難しく、誰にも相談できずに職場に居づらくなって離職してしまうというケースも少なくありません。

同僚や先輩はもちろんですが、歯科衛生士の多くが悩んでいるのが院長(経営者)との人間関係。「考え方が合わない」といった軽度の問題だけでなく、院長は男性がほとんどなので、パワハラやセクハラなどのトラブルも起こりやすくなるのです。

スキルを身に付けられない

思うようにスキルを身に付けられない、というのも歯科衛生士の離職理由としてよく挙げられます。歯科衛生士の多くは誇りを持って前向きに仕事に取り組んでいます。

「診療補助ばかりやらされる」「受付などの雑事に忙殺される」「やりたい分野の施術ができない」など、歯科衛生士としての本分を全うできない環境では物足りなさを感じてしまうことも少なくありません。さらなるスキルアップのために、専門性の高い治療を行っていたり、研修制度が充実していたりする歯科医院に転職する人も一定数いるのです。

また経験の浅い歯科衛生士は、十分な教育を受けられず、技術を習得できない環境に不満を覚えるケースが多くあります。

歯科衛生士の定着率を高めるヒント

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(画像=naka/stock.adobe.com)

女性が長く働きやすい環境を整える

現在離職している歯科衛生士を対象とした調査(※1)では、再就職の意向について、「すぐにでも再就職したい」「条件が合えば再就職したい」と回答した合計は47.6%にも上りました。一方で、何らかの障害があって実際には再就職に至っていないのが現状。最も大きな問題として挙げられているのは「勤務時間」(57.2%)です。

歯科衛生士の離職理由はさまざまですが、実際に離職するきっかけとして最も多いのは「結婚・出産・育児」です。産休や育休制度の整備は重要ですが、休暇を経て復職しても、ライフスタイルが変化するとそれまで通りに働くのが難しくなることが多くあります。

復職後しばらくはパートや時短勤務で落ち着いたら正社員に復帰する、子どもの病気や学校行事の参加などに伴う休暇取得に対応する、などフレキシブルな働き方ができる環境を整えるのが理想です。

教育体制を整える

歯科業界は慢性的な人手不足に悩まされています。そのためにも新卒や経験が浅い人などを積極的に採用し、しっかりと育てていくという体制が求められてきます。また、15万人とも言われる休眠歯科衛生士に活躍してもらうために、ブランクのある人を受け入れてフォローアップする仕組みも不可欠です。

同時に、モチベーションの高いスタッフがさらにスキルアップをするためのサポート体制も重要です。質の高い医療サービスを提供するためにも「外部研修補助」や「資格取得支援」などの導入を検討してみましょう。

スタッフときちんとコミュニケーションを取る

歯科衛生士はさまざまな原因でストレスを感じています。例えば「仕事内容」「将来への不安」「仕事の負担」「やりがいや目的意識」などです。一方、歯科衛生士の転職・離職行動を分析した研究によると、こうした不満によって離職を検討していても、実際には行動に移さないケースが多いことが指摘されています。

つまり、一見問題なく働いてくれているスタッフであっても、知らず知らずのうちに不満を溜め込んでいる退職予備軍が多いことが推測されます。そのため、院長やチーフがスタッフと定期的に面談をして意見を吸い上げ、問題の解決を試みる姿勢が重要です。相談できる相手がいる、不満を吐き出せる機会があるだけでも、スタッフにとって大きな支えになります。

医院への貢献をきちんと評価してスタッフに還元する

歯科衛生士は基本的に自分の仕事に誇りを持っており、誠意を持って働く人の割合が高いといえます。そうしたスタッフの貢献をしっかりと評価し、待遇などに反映させる仕組みづくりも大切です。ここをしっかりと評価しないと、歯科衛生士の離職率が上がってしまいます。

せっかく頑張ったのに努力が評価されないのであれば、スタッフのモチベーション低下を招き、最終的に離職につながるのは当然と言えます。業績連動のボーナスで還元したり、医院負担で日頃の貢献をねぎらう食事会を開催したりするなど、スタッフのモチベーションをうまく管理するようにしましょう。

まとめ

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(画像=Mihai Simonia/stock.adobe.com)

歯科衛生士は離職率の高い職種であり、定着率を高めるためにさまざまな対策を講じる必要があります。特に歯科衛生士はほとんどが女性なので、女性特有のライフプランや要望に寄り添った労働環境の整備を心掛けましょう。働きやすい職場は今いるスタッフの定着率アップにつながるのはもちろん、求職者に対してのアピールにもなります。

<出典>
※1 公益社団法人 日本歯科衛生士会「歯科衛生士の勤務実態調査 報告書(令和2年度)」
※2 一般社団法人 全国歯科衛生士教育協議会「歯科衛生士教育に関する現状調査 令和3年度調査報告」

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