歯科医院スタッフの「急所」を外さないコミュニケーションによる10のメリット

スタッフに「理解、共感、好意」を持ってもらう事が、スタッフマネジメントにおいては絶対に外せない「急所」です。前回は、アクションプランを明示し、実行に移すためのヒントに触れました。今回は、「急所」を外さないことで得られる10のメリットを解説します。

急所を外さないことによるメリットとは?

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(画像=naka/stock.adobe.com)

メリット1. 患者が集まりやすくなる

スタッフと院長がお互いを思いやる良い雰囲気は、患者にも伝わります。全員が同じゴールを目指すことで、接遇に「芯の通った一貫性」が生まれ、患者への好意的な行動をスタッフが自発的に取るようになるからです。

すると患者からスタッフへの信頼感が増加し、ひいては院長、歯科医院全体への信頼につながっていきます。結果的に評判が良くなり、患者の口コミなどでかかりつけの患者が集まりやすくなります。

メリット2. 自由診療・高額診療が成約しやすくなる

患者からすると、「先生」は少々怖く感じるもので、聞きたいことがあっても気おくれするケースもあります。その際は、歯科衛生士などへの相談が増えますが、院長とスタッフの関係が良好なら、「うちの先生なら大丈夫!」と太鼓判を押してくれるでしょう。

また、多額の治療費を投下する決断は患者にとって勇気が必要ですが、スタッフが背中を押してくれるので、自由診療や高額診療が決まりやすくなるのは当然の流れです。

メリット3. スタッフの採用や教育が楽になり定着率が向上する

採用

  • 院長が自分自身を理解していれば、面接時に「私は〇〇な歯科医師で、当院は〇〇な歯科医院ですが、ついてこれますか?」と聞けるので、ミスマッチングがなくなります。
  • 歯科衛生士は横のつながりがとても強く、良い・悪いの情報が拡散されやすいものです。スタッフが良い噂を流すと、院内の雰囲気も良くなり、見学に来た人も入りやすくなります。

スタッフ教育

  • 意思疎通が取れていると、スタッフ教育も任せられるようになります。タスクのみならず「イズム」まで伝えてくれるため、本質的な教育ができます。

定着率

  • スタッフ全てが、院長を中心に信頼で結ばれているのなら、院内の雰囲気は悪くなろうはずがありません。居心地の良い職場はスタッフの定着率を向上します。
  • 妊娠や出産、育児など、女性特有のライフイベントの際も、育児がひと段落した後の復職や緊急時のヘルプなどが期待できます。

患者教育

  • 患者教育を任せられるようになると、スタッフはやりがいを感じます。その前向きな仕事ぶりに、患者から感謝の気持ちが寄せられると、さらにモチベーションがアップするという好循環が生まれます。
    →上記のような好循環により、採用、教育、定着に効果をもたらします。

メリット4. ストレスなく診療に集中できる

スタッフに院長の「イズム」が伝わっていると、あれもこれも院長自身が行う必要がなくなります。多少難しい判断を迫られる場面でも、院長の意を汲んで判断をしてくれるようになり、報告を受けるだけという環境になります。

些事や雑事に煩わされることもなく、歯科医師本来の仕事に集中できるため、質の高い歯科医療の提供が可能になります。

メリット5. 忙しさから解放され、時間に余裕ができる

院長は一人で4役をこなしています。

  1. 歯科医師
  2. 医療現場の責任者
  3. 経営責任者
  4. オーナー

の4つです。信頼できるスタッフならば、このうちのいくつかを任せることができます。さらに院長への共感や理解が深いほど、任せられる領域は広がります。

当然、それまで費やしていた時間は院長のものとなります。最新の知見を学ぶ、趣味に没頭する、家族とのひとときにする、など人生が充実します。知識や技術の向上と精神的な安定が、診療の質をさらにステージアップさせてくれるでしょう。

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(画像=milatas/stock.adobe.com)

メリット6. 優良、良質な患者が増える

院長とスタッフがゴールに向かって仕事をするようになると歯科医院の「カラー」が鮮明になります。その医院のカラーを好む患者は通院を続け、治療後もメンテナンスや定期健診などで関係を保とうとします。一方、カラーを好まない患者は自然に淘汰されていきます。

つまり、院長の価値観に共感し、好意的に受け止める「優良患者」の数と割合が向上します。また優良患者の医院に対する期待は、スタッフに対する適度なプレッシャーとなり、高いパフォーマンスにも繋がります。

メリット7. 収益性が向上する

以上のような「急所」を外さないことで、収益が倍増したという例は珍しくありません。私が関わった医院の中には5倍近く跳ね上がったという先生もいらっしゃいます。

雑事はスタッフが引き受ける 
  →好意的な患者が増える
  →診療に集中できる状況が構築される
  →自由診療が成約する

という好循環により、これまで無駄に費やされていた時間が高収益の時間へと変化します。

メリット8. 得意な治療、行いたい治療に邁進できる

経済的に困窮する可能性が低くなった歯科医院では、今まで敬遠していた治療や興味のある治療などにも積極的に取り組めるようになります。

一般的に、新たな治療を院長に勧められても、患者には価値が分からず、踏み出す勇気が湧きません。しかし、距離感の近いスタッフが説明やアピールをしてくれると、患者も安心できます。

スタッフの協力とサポートがあれば、新たな治療も比較的短期間で採算ベースに乗るものです。

メリット9. 味方ばかりになりストレスが減る

このようなプロセスがうまくいけば、これまで問題行動に悩まされていたのが嘘のように、スタッフは院長に信頼を寄せるようになります。スタッフだけではありません。患者、外部業者など医院に関わる全ての人が敬意と信頼をもってあなたに接するようになります。

そして経済的な依存が消失すれば、敵対する人物とも付き合う必要はなくなります。「類は友を呼ぶ」「朱に交われば赤くなる」ということわざのように、ポジティブな感情の人とは付き合いが深まり、ネガティブな感情の人は疎遠になっていくのです。

メリット10. スタッフにも患者にも幸せのお裾分けができる

歯科医師は、幸せを分け与えることが出来る素晴らしい職業です。収益が向上すれば、スタッフには賃金や福利厚生、労働環境の改善などの形で還元できます。患者には質の高い歯科医療が提供できます。

つまり「急所」を外さなければ、院長、スタッフ、患者間でwin-win-winの関係が構築できるということです。さらにリピート患者が増えれば、外部業者への発注も増加し、良好な関係になります。こうした好循環により、ストレスが減り、周囲の人々みんなを幸せにできるのです。

まとめ

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(画像=Paylessimages/stock.adobe.com)

昔に比べると、歯科医院経営は難しくなりました。しかし、「超イージーモード」ではないだけで、工夫をすればまだまだ伸びしろの大きいビジネスです。

今後、AIやITのさらなる発達や、グレートリセットなどの混沌を予測する方もいますが、たとえ先行きに困難があっても、スタッフとの信頼関係があればきっと乗り越えられるはずです。

この連載を歯科医院経営の基礎を固める良い機会と捉え、ぜひ実行してみてください。

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