スタッフの定着率UP こんな医院はすぐ辞める
(画像=pixta)

「せっかく採用してもスタッフがすぐに辞めてしまう」と悩んでいる先生は多いでしょう。

スタッフの離職率が高い場合は、職場の労働環境に課題があることが少なくありません。

今回は、スタッフが辞めてしまう歯科医院の特徴や、定着率とモチベーションを上げるための工夫について解説します。

スタッフがすぐ辞める歯科医院の6つの特徴

pixta_82241275_M_歯科衛生士と子供_600_400
(画像=pixta)

スタッフが辞める医院の特徴1:院長やスタッフがいつも不機嫌で院内の雰囲気が悪い

スタッフにとって職場環境や雰囲気はとても重要です。

特に「人間関係」は、歯科医療従事者の退職理由として上位に挙げられやすい項目です。

歯科医院の業務はチームプレイです。常にイライラしているようなスタッフがいたり、院長自身がいつも不機嫌だったりすると、それが他のスタッフにも伝染してしまいます。

このような状況はスタッフ全員にとって望ましくないだけでなく、患者さまからの印象も悪くなります。

人間関係については当事者同士の問題だからと考えているなら大きな誤りです。

スタッフが気持ちよくいきいきと仕事ができる体制を整えたり、スタッフ同士が円滑にコミュケーションを取れるよう働きかけたりするのは、管理者たる院長の責務です。

スタッフが辞める医院の特徴2:新人の研修・教育体制が整っていない

勤務するスタッフの知識や技術レベルは人それぞれです。

他の医院で経験を積んできた人もいれば、まったくの未経験あるいは新卒で採用されるようなケースもあります。

特に未経験や経験の浅い人の場合、新人研修や教育体制が整備されていないと不安や不満を持つことがあります。

もちろん、指示を待つのではなく主体的に動いていく姿勢を求めることは重要です。

しかし入職直後に放置されたり、十分な教育を受けられなかったりすると本人のモチベーション低下につながります。

スタッフが辞める医院の特徴3:スキル・キャリアアップに対するサポートがない

予防管理やメインテナンスなど本来の業務に専念したい歯科衛生士や、自分の得意とする分野の専門性をさらに高めたいと考える歯科医師は多くいます。

「自分のやりたい治療ができない」「ここにいても成長できない」という不満は、特に意欲の高いスタッフの離職につながります。

実際、歯科医師や歯科衛生士は、スキルアップやキャリアアップを目的に転職するケースも少なくありません。

このようなスタッフは、院内勉強会や外部研修の参加支援制度がある医院や、知識・経験豊富な院長が専門性の高い自費治療を積極的に提供している医院などに魅力を感じるでしょう。

スタッフが辞める医院の特徴4:仕事ぶりや成果が適正に評価されない

基本的にどの職種にも当てはまることですが、「成果が適正に評価されない」職場の離職リスクは高くなる恐れがあります。

歯科医院も例外ではありません。優秀なスタッフは、より良い仕事をしようと、日々試行錯誤を重ねています。

それがきちんと評価されず給与にも反映されないとなれば、スタッフのモチベーションはどんどん低下していきます。

特にこれが問題である理由は、成果を出してくれる優秀なスタッフの離職を招いてしまう点です。

売り上げはもちろん、患者様の満足度向上につながる仕事をしっかりと評価するシステムが必要でしょう。

【関連記事】
・歯科衛生士がすぐ辞める?退職理由TOP5と退職対策
・評価の仕組みが離職を防ぐ 歯科助手の評価項目と制度

pixta_84550738_M_院内研修_600_400
(画像=pixta)

スタッフが辞める医院の特徴5:人手不足でスタッフごとの業務負担が重すぎる

歯科業界は慢性的な人手不足であるため、思うように人材確保ができずに悩んでいる先生も多いでしょう。

人手が足りないとスタッフ一人ひとり一人の業務負担が重くなり、「仕事量が給与に見合わない」として離職につながってしまうことがあります。

また、院長が回転率と利益率を高めるために、最小限の人員でより多くの患者さまの対応をしようとしてスタッフの反発を招くケースも少なくありません。

「落ち着いた環境で患者さま一人ひとりに十分な時間をかけて丁寧に治療したい」と考えるスタッフもいるため、より働きやすい環境と求めて人材が流出してしまう可能性があります。

スタッフが辞める医院の特徴6:福利厚生や休暇制度が用意されていない

現代はワーク・ライフ・バランスの時代であり、仕事と生活の調和が望まれています。

そのため、福利厚生や休暇制度の有無はスタッフの離職率に大きな影響を及ぼす重要な要素です。

特に女性スタッフの多い歯科医院においては、「女性が働きやすい職場環境の整備」は喫緊の課題となります。

スタッフにより長く働いてもらうためには、産休・育休をはじめ、福利厚生や休暇制度を充実させる必要があります。

スタッフがすぐに辞める医院の離職率を下げるためのポイント

AdobeStock_50238220_naka_600_400
(画像=naka/stock.adobe.com)

院長がスタッフと定期的に面談する

スタッフと定期的にコミュニケーションを取ることは、離職率低下に大きく貢献します。

スタッフは一人ひとり考えが異なりますし、何の問題もなく働いているように見えていても、知らず知らずのうちに不満を募らせていくものです。

定期的に院長がスタッフと面談をするなど、一対一で要望や不満をヒアリングをする機会を設けましょう。

定期的に面談を行うことによって、離職される前にスタッフの不安や不満を吸い上げて改善のために動くことができます。

院内でのコミュニケーションを促進する

人間関係の問題は歯科医院において最も多い離職理由の一つです。

この問題を解消するためにマネジメント側としてできるのは、院内でのコミュニケーションを促進し、スタッフ同士の絆を深める工夫をすることです。

具体的な施策としては、院内での定期的なミーティングや食事会の開催などが挙げられます。

日々の業務の中でもちょっとした雑談を挟むなど、院長自身がさりげなくコミュニケーションの取っ掛かりを作るように意識しましょう。

生産性を向上させる

日々の業務に忙殺されてスタッフの不満が蓄積する状況を改善するには、業務フローを見直してスタッフの負担を減らしたり、生産性をアップさせたりする工夫も重要です。

例えば、予約・患者管理のためのITツールを導入する、歯科助手やクリーンアップスタッフを雇って歯科医師や歯科衛生士が本来の業務に集中できるようにする、といった方法が考えられます。

利益率をアップさせる

離職率を下げるために最も効果的な対策の一つは、給与・待遇を改善することです。

そのためには、医院が原資となる利益を十分に上げている必要があります。

利益率をアップさせるためには、インプラントや矯正、審美など自費治療の比率を高める、予防歯科に注力するといった施策が挙げられます。

積極的な施策を実行し、利益をスタッフに還元するような仕組みづくりを目指しましょう。

ただし、利益率を高めようと意識するあまり、スタッフの負担が増えてしまわないように留意しましょう。

スタッフ自身が前向きに取り組める体制を整えることが「スタッフが辞める医院」からの脱却の第一歩です。

まとめ

AdobeStock_61119644_Sebastian Duda_600_400
(画像=Sebastian Duda/stock.adobe.com)

歯科業界は売り手市場であり、労働者が求める職場環境の質は年々上がっています。

採用にお金をかけるのも重要ですが、魅力的な職場環境の整備にもリソースを割かなければ、離職率の上昇を抑えることができません。

自院のスタッフを大切にすることを通して、患者様により良い医療を提供できるよう意識しましょう。

【おすすめセミナー】
・【無料】たった4ヶ月で歯科衛生士276名の応募獲得! 歯科衛生士・歯科助手採用セミナー
・【無料】矯正治療が得意な先生に贈る マウスピース矯正集患セミナー

あきばれ歯科経営 online編集部

歯科衛生士でもある「あきばれホームページ」歯科事業部長の長谷川愛が編集長を務める歯科医院経営情報サイト「あきばれ歯科経営 online」編集部。臨床経験もある歯科医師含めたメンバーで編集部を構成。

2021年5月14日「あきばれ歯科経営 online」正式リリース。全国1,100以上提供している「あきばれホームページ歯科パック」による歯科医院サイト制作・集客のノウハウを元に、歯科医院経営を中心とした歯科医院に関する様々な情報を経営に役立つ観点からお届けする。