新規獲得のための歯科医院経営における上手な広告の考え方とは

はじめまして。のぶ歯科クリニックを経営している丸橋伸行です。当院は地域人口の少ない神戸市の下町にあり、開業1年目の患者数は1日10人程でした。

しかし、その4年後には年商1億円になり、現在は年間新患数2,000人、年商2億円の歯科医院へと成長することができました。

スタートでつまずいた当院が、短期間で一定規模の売上を上げられたのは広告を活用したからです。

本連載では、「歯科医院における広告の考え方や活用法」を私の経験を元にご紹介します。今回は「そもそも歯科医院における広告とは?」というテーマでお話しさせていただきます。

歯科医院における広告とは?

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(画像=Paylessimages/stock.adobe.com)

歯科医院における広告は「新患獲得装置」

多くの歯科医師は紹介と口コミを好みます。しかし、これらは他人の感覚に頼るため「自分では対策を立てにくい宣伝」と言えます。

一方、対策を立てやすいのがホームページ、SNS、予約サイトなどの広告です。

広告を出す際には様々な媒体がありますが、そのどれもが数字で評価するため現状を客観的に分析でき、速やかに対応ができます。

語弊があるかもしれませんが、歯科医院における広告とは「新患獲得装置」だと私は考えます。

広告が軌道に乗れば診療圏は拡大し、患者さまからご指名いただけるようになります。

広告をうまく活用し新患を獲得することで、限られた診療圏のパイを奪う競争から脱却できるため、立地と競合の問題を同時に解決することができるのです。

では次に広告にはどのような効果があるのか、メリットを解説します。

広告による3つのメリット

1.立地の不利を逆転
広告で診察圏を拡大することができれば、十分な数の潜在患者さまにご指名いただけるようになります。

当院のように歯科医院が裏通りに立地していても、患者さまは自らスマホで地図を見ながら来院してくださいます。

立地のマイナス面は、効果的な広告によって、大部分が解決できるのです。

2.近隣医院の動向を気にしなくてよい
いくら患者数の多い歯科医院でも、近隣に新規の歯科医院ができれば新患数は減少します。減少した新患数を元の水準に戻すのはとても難しく、時間もかかります。

しかし広告で診察圏を拡張し、患者さまに指名される医院であれば、近隣に新たな歯科医院が開院しても影響を受けません。さらに新患数の安定は、歯科医師に精神的安定をもたらしてくれます。

3.マネジメントの負担を軽減できる
近年の歯科医院はマネジメントブームです。マネジメントに苦手意識を持っている歯科院長が多い証ではないでしょうか。

しかし、マネジメントの問題はマネジメントでは解決できません。なぜなら商流(仕事の流れ)において、下流の問題は上流で解決することが鉄則であるからです。

川の流れで例えると、上流のゴミは下流に流れます。

下流でゴミ拾いをがんばっても、上流のゴミを減らさなければ、ゴミ拾いは終わりません。

歯科医院の商流は上流が集患、下流がマネジメントです。

したがってマネジメントの問題に見えても、実は集患の問題に起因しているのです。

広告がうまく回って売上が一気に上がってしまえば、マネジメントの負担も軽減できるのです。

広告を打つ際に陥りがちな思考(落とし穴)

前章では広告のメリットをお伝えしましたが、それでも広告に懐疑的な先生方も多いかと思います。

ここでは広告を打ち出す前の落とし穴と、広告を打ち出したが故の落とし穴について解説します。

これらはどちらも考え方の問題です。多くの先生方が陥りがちな「思考の落とし穴」について見ていきましょう。

1.紹介と口コミで集患したい
腕に自信がある先生ほど、紹介と口コミを好まれます。

しかし、先述した通り、これらは戦略や数字ではなく感覚的なもので、集患のコントロールが難しい方法といえます。

上流である集患のコントロールが難しくなると、下流のマネジメントを含め川の流れ全体が乱れてしまいます。

2.目立つのが恥ずかしい
シャイな先生は、広告を打ち出す際に目立つことを心配されます。

しかし実際は、自分が思っているほど他人は注目していないものです。大げさなくらいに、まずはやってみてください。

先生の認知度が高まる頃にはご自身のメンタルが強く育っているので、やはり心配には及びません。

3.現実からかけ離れた表現をしたくなる
広告を打つ際には自院を良く見せようと、つい現実とかけ離れた表現をしたくなるものです。

しかし現実と広告のイメージが大きく異なれば、患者さまは失望してしまうので注意が必要です。

4.他の歯科医師からゲリラ扱いされるのが嫌
「横並びが強い業界なので、広告を打ち出すとゲリラ(奇襲・攪乱戦法)扱いを受けてしまい耐えられない」という声をよく耳にします。残念ながらこれは受け入れるしかありません。

広告を出していても、いなくても、目立つ歯科医院は何かととやかく言われるものです。

また、悪口ではなく本当は「その歯科医院のことを知りたいだけ」というケースもあります。ゲリラ扱いも最初だけです。

関心があるからこそ、数年経てば「その方法でやっていけるのか!」など情報として扱ってもらえるようになります。

5.歯科医師向けの表現で発信したくなる
歯科医院の広告には、集患目的であるにも関わらず、医師ウケする言葉を使っているものもありますが、それでは患者さまに響きません。

ターゲットである患者さま目線で言葉選びをしましょう。

6.お金をかけたくない
今まで口コミに頼ってきた医院は「広告費」という概念があまりないでしょう。

ましてやweb広告の予算など、取っていないはずです。そうなると余計な出費に感じてしまう先生も多いことでしょう。

これは私の持論ですが、家賃は広告費に含まれます。集患できるような好立地は家賃も高くなるからです。

目立つ歯科医院の外観も、見方を変えれば広告費の先払いです。

集患するためには、やはりお金が必要なので「お金をかけずに集患する」という幻想は早めに捨てたほうが良いでしょう。

まとめ

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(画像=Paylessimages/stock.adobe.com)

多くの歯科院長は集患方法として、紹介や口コミなどを好みますが、これらは感覚に頼るので対策を立てにくい宣伝といえます。

反対に広告は数字で評価するため対策を立てやすい宣伝といえます。

広告には、

  1. 立地の不利を逆転できる
  2. 近隣医院の動向を気にしなくてもよい
  3. マネジメントの負担を軽減できる

というメリットもあります。

次回は広告のより具体的なメリットやデメリット、費用対効果について解説します。

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丸橋 伸行

のぶ歯科クリニック 院長

1999年 広島大学卒、2006年 神戸市でのぶ歯科クリニックを開業。

立地と紹介に頼らない歯科医院作りをテーマに、広告を中心とした集客で歯科医院を運営。看板とホームページを活用してショボい立地で年間新規患者数2,000人となる。

その経験をもとに、チェアーが埋まらない院長に対してシークレットコンサルを行う。

一方でマネジメントで悩む院長に対しては『マネジメント熱心な院長が医院を破壊する』『スタッフとの距離を詰めるな』『マネジメント問題の8割はマーケティングに問題がある』と独自の切り口でアドバイスを行っている。