チェックポイントと質問例 歯科衛生士面接の掟

「歯科衛生士の求人をずっと出しているが、なかなか自院の求める人材を採用できない」とお悩みの先生も多いのではないでしょうか。せっかく応募があっても通り一辺倒の質問だけで何となく面接を済ませると、応募者が他院に流れたり、採用のミスマッチなどにつながってしまう恐れがあります。

この記事では、歯科衛生士の面接にあたり、どのようなことに気をつけるべきか、具体的なチェックポイントや質問例を解説します。

履歴書でチェックすべき項目とは?

選考の一番最初は履歴書の確認になります。応募者数によって「応募してくれた人と、とりあえず全員会ってみよう」という場合と、かなり絞った上で面接まで進む場合があると思いますが、この記事では書類選考をする場合の履歴書で確認すべき点をお伝えします。

履歴書でしっかりチェックすべきは転職回数と転職理由です。「転職回数が多い=マイナス」とは一概には言えませんが、一社に長期で勤めている人よりも離職しやすい傾向はあるかもしれません。

その場合に重要になるのは離職理由です。「配偶者の転勤」「出産」「パワハラ」など止むに止まれぬ事情の場合もありますし、「人間関係での短期間での転職」が何度も続いたら、トラブルを起こしやすい傾向があるのかもしれません。転職回数が多くても院長自身が納得できる理由かどうか、しっかりと確認しましょう。

また、どのような資格を持っているか、どのような条件を求めて転職しているのかなども分かればぜひ読み取ってください。

歯科衛生士の面接でチェックすべきポイント

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(画像=polkadot/stock.adobe.com)

コミュニケーション能力

ほとんどの職種に当てはまることですが、コミュニケーション能力や印象はしっかりとチェックするようにしましょう。歯科衛生士として患者さまに接するときはもちろん、歯科医院での業務はチームワークが求められるため、やる気やコミュニケーション能力は非常に重要です。

よく勘違いされがちですが、「話が上手い」からといってコミュニケーション能力が高いとは限りません。むしろ対話においては「聞く」能力が重要になってきます。面接での対話を通して、応募者のコミュニケーション能力をしっかりと見極めましょう。

転職・前職の退職理由

面接では転職理由や退職理由をしっかりと聞き、応募者の仕事に対する考え方や人物像を理解するよう努めましょう。

退職と一口にいっても、家族や環境にかかわるような止むを得ないことから給与・待遇への不満や人間関係のトラブル、さらなるスキルアップのためなど、人によってさまざまな事情があります。決してネガティブな理由での転職が悪いわけではありませんが、本人がその問題をどのようにとらえているのか見極めることがポイントです。

退職に至った原因は何かを聞いた上で、「その問題は前の職場では解消することはできなかったのか」「なぜ当院で働くことによってそれを解消できるのか」「同じことが起きた時の対策は?」といったように深堀りしてみましょう。

ここで前の職場を批判することに終始し、問題を自分で解決しようとした姿勢が見られない場合は、就職してもまた何か不満を理由にすぐに離職してしまうかもしれません。

身だしなみや言葉遣い

面接当日の身だしなみや服装、態度、言葉遣いなどの印象は細かく観察しておきましょう。基本的に面接での態度は、そのまま患者さまへの対応の仕方にあらわれると考えます。まずは目につきやすい情報から精査し、応募者の資質ややる気を見極めましょう。

また面接当日に至るまでの応募者の行動も重要です。メールの返信や電話での印象などには、その人の人間性やビジネススキルが反映されます。

歯科衛生士の面接で効果的な質問例

なぜ当院で働きたいと思ったのですか

まずは「どうして当院で働きたいと思ったのか」という志望動機の確認から行っていきましょう。定番の質問ですが、これには2つの意図があります。1つは就職のミスマッチを防ぐため、もう1つは応募者の意欲を推し量るためです。

採用活動する以上、応募者にはできるだけ長く前向きに働いてもらいたいものです。そのためには自院の理念や治療方針などに共感してくれているか、希望条件と合っているかは重要になります。

国家資格を持つ専門職である歯科衛生士は仕事にやりがいや誇りを持っている傾向にあり、SRPや予防管理などに専念したい、患者さまへの歯科保健指導に十分に時間をかけたいなど、仕事内容に明確な希望を持っていることも少なくありません。本人の希望条件や治療に対する考え方と、自院の求める人物像が一致しているか慎重に確認しましょう。

また、この質問に対して明確な答えが返ってくるのであれば、自院のことをきちんと下調べして実際に働くイメージができている、やる気があると考えられます。

前職での1日の業務の流れを教えてください

新卒でない限り、前職での経験を深掘りすることも重要です。医院によって業務内容や任される業務の範囲が異なる上、同じ歯科衛生士でも人によって想像以上に知識・技術レベルの差があるため、なるべく詳細に質問して能力を見極める必要があります。

前職での1日の業務の流れを話してもらう中で、「その仕事をする上でどのような工夫をしていましたか」「具体的にはどのようなことを意識して業務に当たっていましたか」といった仕事に対する気持ちなど、一歩踏み込んだ質問をしてみるのがおすすめです。
またそれが自分の医院と大きく違った場合、就職してから違和感を抱く可能性も高いのでしっかり説明してあげましょう。

治療に非協力的な患者さまにはどのように対応しますか

これは、歯科衛生士として仕事に取り組む上での姿勢やコミュニケーション能力を見極めるための質問です。患者さまの中には、何かと理由を付けて治療に非協力的な態度を取られる難しい方もいます。

こうした質問は、普段から業務に対して真摯に向き合っていたり、自分なりの対策がなければ答えられないものです。例えば、「院長は次の患者さまの治療もあったため、一旦その方の治療は中断し、私がカウンセリングルームで改めてご希望をお伺いした上で他の選択肢もご提示することでご納得いただきました」といった具体的な答えが返ってくるのが理想です。

今後どのような歯科衛生士になりたいですか

「どのようなキャリアプランを描いているか」「歯科衛生士として長く働いてくれるかどうか」を見極めるための質問です。歯科衛生士という仕事に対して真摯に向き合っている人は、具体的なかつ長期の展望を持っているケースが多いです。せっかく採用するなら、そういうやる気ある歯科衛生士に就職してもらいたいですね。

歯科医院側としては、せっかく採用したスタッフにはなるべく長く生き生きと、気持ちよく働いてもらいたいはずです。何度も採用活動にコストを割かないためにも、応募者の思い描いているビジョンを詳しく聞いた上で、自院でその希望を叶えられるか、それが医院経営にプラスに働くか、お互いにとってミスマッチにならないかどうかを見極めましょう。

歯科衛生士の面接で院長が意識したいこと

なるべく話を深く掘り下げて深掘りして本当のことを聞く

聞きたいことは山ほどあると思いますが、「広く浅く」で終わってしまっては、応募者のことを十分に知ることができません。面接はどこでも大体同じようなことを聞かれますから、応募者も紋切り型の答えを事前に用意して対策していることも少なくありません。

人となりをきちんと知るためには、なるべく深掘りして用意された回答から一段深く掘り下げてその人の本質を見る必要があります。もちろん圧迫面接のようになってはいけませんから、気になった箇所については質問を重ねて、相手の印象を見ながらそれとなく本音を引き出してみましょう。

また歯科衛生士も、患者様と接する以上印象がとても大切です。院長先生が初めて面接で会って感じた印象は、ほとんどそのまま患者様の第一印象とも言えます。清潔感や服装、話し方の印象なども必ずチェックしましょう。

お互いを知ってマッチングする場だと心得る

歯科衛生士の面接を行う上で避けたいのが「優秀な歯科衛生士を選別している」という意識を持つことです。長期的なトレンドでいえば歯科業界は売り手市場であり、今や応募者側が条件を見て働く医院を選べる状況です。

応募者がこちら側の求める人物像に合致しているかどうかを確かめるのはもちろん、希望の給与や勤務スタイルなどを聞いて条件面も面接の段階ですり合わせておきましょう。あくまでも面接は「お互いを知ってマッチングする場」だととらえることが重要です。

自院の魅力をきちんと伝える

面接は応募者が自分をアピールする場だと思われがちですが、医院側が自院の魅力を伝える場でもあります。特に昨今はワーク・ライフ・バランスが重視され、条件や給与などの待遇面はもちろんのこと、休日や残業、職場の印象なども細かく見られています。

歯科衛生士は女性がほとんどであり、「スタッフの仲が良く、いい雰囲気か」という点を気にする人も少なくありません。人間関係が原因で退職するケースは多いため、職場の雰囲気が良好なら具体的なエピソードを交えながら積極的にアピールしましょう。

また、経験が浅い人や若い人にとっては「研修制度がしっかり整っているか」「ステップアップしたり資格が取得できる制度はあるか」「気持ちよく就職できる環境か」も重視されるポイントです。面接の場はもちろんホームページなどでも自院の魅力を余すことなく伝えることが重要です。

まとめ

歯科衛生士は圧倒的な売り手市場であり、求職者が職場環境に求める質が上がっています。何もせずに手をこまねいていると、応募者が他院に流れてしまうことになるでしょう。
今回ご紹介したポイントを実践し、採用活動に役立ててみてください。

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