リコール率アップの4施策 具体的なリコール施策を解説

リコール率向上のための施策に積極的に取り組めていますか?再診・定期検診の数を増やすリコール施策は新規集患のための広告などに比べて軽視されがちですが、患者さまからかかりつけ医としての信頼を得て、医院の経営を安定化するために重要な要素です。再診や定期検診などのリピーターを増やさない限り、エンドレスにコストのかかる新規集患に追われることになります。

今回は、リコール施策がなぜ重要なのか、具体的には何をすればリコール率アップにつながるのかを徹底解説します。

歯科医院経営においてリコール施策が重要である理由

歯科医療は治療から予防にシフトしている

近年では、フッ化物応用(フッ素入り歯磨剤など)の普及や患者さまの意識の高まりによる歯磨きや生活習慣の改善によって、う蝕有病率は減少傾向にあります。「削って詰める」という従来型の治療ニーズは低くなっているのです。

一方で、厚生労働省が実施している患者調査によると、う蝕の代わりに以前に比べて患者人数が大きく増えているのは「歯肉炎・慢性歯周炎」や「検査・健康診断(査)及びその他の保健サ-ビス」です。

つまり、現在の歯科医療は治療から予防・メインテナンスにシフトしているといえます。予防処置などは歯科衛生士に任せられる部分も大きく、治療効率や回転率が高くなる点からも、リコール施策に力を入れることは医院の経営の安定化につながるといえるでしょう。

メインテナンスでの再診は利益率が高い

近年は都市部を中心に歯科医院の競争が激しくなっており、新患獲得にかけた広告費の元が取れるとは限りません。また、せっかく新規の患者さまにご来院頂いても、再来院されることが無ければ広告費のコストと利益が釣り合わなくなり、いつまでも広告費をかけなければならない悪循環に陥ってしまいます。

一人当たりのLTV(生涯顧客価値)を高めれば経常利益率を持続的にアップできるという考え方は、歯科医院の経営を担う院長や事務長も知っておくべきことです。また、予防・メインテナンスは問診にかける時間や材料代・技工代がかからないので、粗利も大きいのもポイントです。

患者さまの口腔ケアへの意識が高まり、歯周病が口内の問題にとどまらず全身のさまざまな疾患に結び付く恐れがあることが知られるようになった今、歯周外科治療や唾液検査・細菌検査など自費治療の提案もしやすくなっています。

歯の定期検診に関する患者さまの意識は高まっている

厚生労働省が行った国民健康・栄養調査によると、20歳以上で過去1年間に歯科検診を受けた人は2004年には32.2%であったのに対し、2016年には52.9%と年々高くなっていることが分かりました。

さらに、2018年の歯科医師会が発表した「⻭科医療に関する⼀般⽣活者意識調査」の結果によると、う蝕・歯周病予防のために歯科受診をしている人は全体の約30%となっています。「健康への不安を解消したい」「高齢になっても自分の歯をなるべく残したい」というのが主な理由でした。この調査では、予防のための定期健診に通う人の80%以上がかかりつけ医を持っていると回答したことは注目すべき点です。

患者さまからの信頼を得て定期的に通ってもらうための経営努力が、長期的に見て大きなメリットが得られることが、こうしたデータからも読み取れます。

リコール率の計算方法|自院の数値を把握していますか?

まずは、自院のリコール率を計算して現状を把握することが大切です。リコール率は以下の計算式で算出できます。

リコール率=再来院した患者数÷メインテナンスが必要な患者数

他院からの専門治療を目的とした紹介を受けた場合などを除き、定期管理が不要な方は基本的にいないので、リコール率の母数は自院のほぼ全ての患者さまと考えてよいでしょう。

経営指標として目標値を設定した上で定期的に現状のリコール率を確認しながら、より効果的な施策を検討・実施することが求められます。リコール率向上に対するスタッフの貢献度を人事評価に反映するなど、医院全体で積極的に取り組むための仕組みの構築も不可欠です。

リコール率アップ施策の4つのポイント

まずは口頭で再診を促す姿勢が重要

2011年に行われた『インターネットリサーチによる歯科定期受診行動に関わる要因についての調査』では、定期検診を受診していない人の約75.0%が受診の必要性を感じていることが明らかになりました。

また、定期受診をしている理由として「安心感があるから」に次いで高かったのは「歯科医師や歯科衛生士に勧められているから」(52.6%)です。

この結果を見ると、第一に定期検診受診への働きかけを積極的に行うことがリコール率向上のためにすぐできる効果的な施策であると考えられます。

対面での会話なら、予防・メインテナンスがなぜ重要なのか、その患者さまの状況に合わせて詳しく丁寧に説明できます。また、来院の頻度や費用、施術内容など定期検診における患者さまの疑問をその場で解消できるのもメリットです。

診療後に次回来院の予約を取る

来院時に定期検診の必要性について納得できても、帰宅して時間が経てば、次回予約の電話を入れたり予定を調整したりすることが後回しになってしまう患者さまも少なくありません。来院する気はあっても、電話をかけることそのものが億劫・苦手だという方もいます。

より確実にリコール率を上げるためには、治療が終了した時点で患者さまごとに3ヶ月ごと・6ヶ月ごとなど予防プランを提示し、先に次回メインテナンスの予約を取ってしまいましょう。

とはいえ、何か月も先の予定は忘れられてしまいがちなので、予約日の1~2週間前にハガキやメールで再確認(リマインド)することも大切です。また、患者管理システムと連動させて予約日のリマインドメールを自動で送信してくれる便利なツールもあるので、活用を検討してみましょう。

患者さまがまた来たくなる院内環境を作る

定期的に受診している患者さまの多くは、その歯科医院をかかりつけとして信頼し、治療に満足していることが分かっています。定期的に受診していない人と比べてみても、治療内容やスタッフの対応、院内環境に対する満足度は高い傾向が見られます。

リコール率を上げるためには治療やサービスの質を高く保つことで患者さまの信頼を獲得し、再来院したくなる院内環境を作ることが大切です。

基本的なことですが、治療を丁寧に行えているか、治療の内容や病状を分かりやすく説明し、患者さまから質問があればきちんと答えられているか、定期的に見直してみましょう。

また、

  • 極力お待たせしないように予約管理を最適化する
  • 院内を常に清潔に保つ
  • 受付対応を礼儀正しく親切にできるよう指導を徹底する

など、患者さまの満足度を高める工夫が不可欠です。

リコールのお知らせは全員に送付する

定期管理が不要な患者さまは基本的にいないので、リコールのお知らせは全ての患者さまに送りましょう。これまではハガキが一般的でしたが、最近では高齢の患者さまでもスマホを使いこなす人が多いので、手間も費用もかからないメールやSMS、LINEなどでのお知らせも効果的です。

日々の診療で忙しく、ハガキやメール送付にまでなかなか手が回らないという場合は、仮予約・本予約の管理や日時のリマインド、DM作成を自動で行ってくれる患者管理システムの利用も検討しましょう。DM送付の成果を分析してくれるなどマーケティング支援機能の搭載されたツールもあるので、リコール施策のPDCAを回す上でも有用です。

まとめ

リコール率が高いということは、

  • 安定した経営が行えている
  • 患者さまの満足度が高く口腔内の健康維持に貢献できている

という証でもあります。

忙しい日々の診療の中でも、リコール率向上のためにできることは多くあります。ご紹介したポイントを踏まえ、積極的にリコール施策に取り組んでみてはいかがでしょうか。

引用元
厚生労働科学研究費補助金(地域医療基盤開発推進研究事業研究事業) 分担研究報告書  インターネットリサーチによる歯科定期受診行動に関わる要因についての調査 参照C.研究結果
厚生労働省 国民健康・栄養調査 参照歯科検診の受診状況
公益社団法⼈⽇本⻭科医師会 ⻭科医療に関する⽣活者調査 参照⻭科医師・⻭科医院との付き合い⽅

参考サイトURL
https://www.jacp.net/perio/effect/
https://www.jdha.or.jp/aboutdh/
https://www.mdcshigoto.com/shinkan-huyashikata/

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