患者を増やす_あきばれ歯科経営 online編集部

「今までと同じ方法では患者が集まらなくなってきた」「患者を増やしたいけれどどうすれば良いかわからない」とお悩みの院長も多いのではないでしょうか。

実際に歯科業界では様々な理由から増患が難しい状況が続いており、この状況を切り抜けるには患者のニーズや流入ルートを正確に把握して施策を立てていくことが重要です。

この記事では、歯科医院(歯科診療所)を取り巻く現状と、患者を増やす方法・ポイントについて解説していきます。

歯科医院が集患に取り組むべき理由

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(画像=pixta)

歯科医院が集患に取り組むべき理由は、主に次の2点です。

  1. 歯科医院が増えすぎている
  2. 患者数が減少している

簡単に言えば、少ない患者を多くの歯科医院で取り合う状況になっています。

こうしたことから、患者に自院を選んでもらえるよう集患に取り組む必要があるのです。

上記2点について、具体的な状況を詳しく解説していきます。

歯科医院が増えすぎている

歯科医院が集患に取り組むべき1つ目の理由は、歯科医院が増えすぎていることにあります。

もともと、昭和40年代から50年代にかけては歯科医師が不足しており、人口10万人に対して歯科医師数を約50名にすべく歯学部が増やされました。

しかし、現在では以下の数字からもわかる通り、歯科医師・歯科医院が過剰な状態となっています。

よって、現在歯科業界は競合となる歯科医院が多くいる状況となっているため、集患に力を入れることが必要なのです。

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(画像=pixta)

患者が減少している

患者が減少していることも、歯科医院が集患に取り組むべき理由の1つです。

患者が減少している主な理由としては、虫歯の罹患率の低下があります。

かつて1960年~1970年にかけては、国民の間で虫歯が蔓延していたため、多くの人が治療のため歯科医院を訪れていました。

しかし、現在は人々の間に予防ケアが根付いており、虫歯の罹患率が下がっています。

日本では予防歯科へのニーズが高まりつつあるとはいえ、欧米に比べると虫歯治療以外の目的で歯科医院へ行く意識が低く、虫歯の減少が患者の減少につながっています。

さらに人口の減少も相まって今後も歯科医院の患者は減少すると予想されているため、患者を増やすために積極的に施策を打つことが重要なのです。

患者を増やす2つの方法

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(画像=pixta)

歯科医師が過剰かつ患者が減少している中、患者を増やす方法には以下の2つがあります。

  1. 新規患者を増やす
  2. リコール率を上げる

いずれも目新しい方法ではありませんが、患者が歯科医院を探す方法や、歯科医院へ行く目的を改めて確認することで、新たなアプローチができることもあります。

したがって、上記2つの方法について、詳しく解説していきます。

新規患者を増やす

患者数を増やすには、新規患者を増やすことが必要です。

まずは、歯科タウンが2018年12月1日~2019年2月1日におこなった、以下の調査内容をご覧ください。

来院のきっかけに使ったもの

  • ホームページ:47%
  • 口コミ:22%
  • 情報サイト:22%
  • 看板・電柱:4%
  • SNS:2%

上記の結果を見ると、インターネット上での情報と口コミが来院のきっかけのほとんどを占めていることがわかります。

現在、歯科医師数が過剰で近場に歯科医院が数件あることも珍しくありません。

そうした中で、多くの人々は事前にインターネットや口コミで複数の歯科医院に関する情報を収集・比較して、どこにかかるか決めているのです。

よって、インターネットでの情報発信、口コミ評価の向上を通して新規患者を増やしていくことが重要です。

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(画像=pixta)

リコール率を上げる

患者を増やすためのもう1つの方法は、リコール率を上げることです。

虫歯による来院数の低下と人口の減少、予防歯科へのニーズの変化を考えると、今後患者数を確保していくためには、1度来院した患者にリピーターになってもらうことが非常に重要です。

リコール率は以下の式で計算され、医院経営の安定化を目指している場合は、少なくとも50%以上まで引き上げることが1つの目標となります。

リコール率=定期検診で再来院した患者の人数÷リコール数(定期検診での再来院を促した回数)

公益財団法人日本歯科医師会による2020年の調査によれば、歯科医院で定期的なチェックを受けている人は、全体の33.8%です。まだ定期検診が定着していない人は多くいるため、リピーターを増やす余地は多くあるといえるでしょう。

リコール率を上げるための方法やポイントについて簡単に紹介します。

【関連記事】
歯科医院のリコール率の平均は?医院経営を安定化させるリコール率アップのヒント

定期的にハガキやメールなどでお知らせする

定期的にハガキやメールなどで、定期検診やメンテナンスをお知らせするのは基本的なことではありますが、リコール率をアップするために欠かせない施策です。

2011年に厚生労働省の研究チームが発表した「インターネットリサーチによる歯科定期受診行動に関わる要因についての調査」では、歯科医院を定期受診している人の理由の2位が「歯科医師や歯科衛生士にすすめられているから」となっており、歯科医院からのご案内が定期受診において重要な要素であることがわかります。

定期検診やメンテナンスの重要性を伝える

リコール率を上げるためにも、治療で来院された際に定期検診やメンテナンスの重要性を伝えるようにしましょう。

定期的に歯科医院に通う習慣がない人は、定期検診やメンテナンスの必要性を感じていない場合もあります。

必要性を感じていなければ、治療後や後日ハガキ・メールなどで案内しても再来院してもらえる可能性は低いでしょう。

口頭で伝えるのはもちろん、帰り際にリーフレットを渡すなど定期検診・メンテナンスの大切さや必要性が伝わるように工夫を行うことが重要です。

集患のための3つのポイント

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(画像=pixta)

最後に、集患のための3つのポイントを解説していきます。

新規患者を増やし、リピーターになってもらうためには、以下の3点が重要です。

  1. 患者から信頼してもらえる歯科医院づくりをおこなう
  2. ターゲットを設定する
  3. 定期的な結果測定と改善をおこなう

上記の3点がなぜ重要なのか、具体的にどのようなことをすれば良いのか、見ていきましょう。

患者から信頼してもらえる歯科医院づくりをおこなう

集患施策に取り組む前に、まずは患者から信頼してもらえる医院づくりをすることが重要です。

新規患者が増えても、信頼される歯科医院でなければ再来院はしてもらえませんし、良い口コミも広がらないからです。

公益財団法人日本歯科医師会による2020年の調査によれば、歯科医師・歯科医院に満足する理由の上位5項目は次のようになっています。

  1. 治療が丁寧で上手
  2. 治療前の説明がわかりやすい
  3. 予約時間通り治療を受けられた・待ち時間がなかった
  4. 受付・スタッフの対応が良かった
  5. 歯や口に関するアドバイス・指導をしてもらえた

上記のような項目を満たしていると患者に信頼してもらいやすいため、スタッフの教育などを通して歯科医院としての質を高めていきましょう。

ターゲットを設定する

集患施策をする際には、ターゲットを具体的に設定しましょう。

どのような層をターゲットとするかによって、必要な施策に次のような違いが出てくるからです。

  • ホームページの充実、SNSでの情報発信、広告やチラシなどどの手法を用いるか
  • SNSを使う場合はTwitter・Facebookなど、どの媒体を使うか、どの時間帯に投稿するか
  • どのような内容をどのようなテキスト・イラストで伝えるか

ターゲットを明確にしないまま広い層に情報発信しようとすると、かえってどの層にも刺さりにくくなり、集患効果が期待できません。

自院の立地や強みも考慮して、誰にどんな内容を伝えるべきか、どんな患者に来院してもらいたいか、改めて考えてみましょう。

定期的な効果測定と改善をおこなう

集患の施策を始めたら、定期的な効果測定と改善をおこないましょう。

定期的な効果測定と改善が必要な理由は、次の通りです。

  • 施策が初めから上手くいくとは限らず、試行錯誤していく必要があるため
  • 効果のない施策を続けてしまうと費用対効果が悪くなるため
  • 世間や業界の流れによって必要な施策が変化することもあるため

効果測定の方法は施策の内容によって違いますが、例を挙げると次のようなものがあります。

  • 施策を打つ前後での患者数の比較
  • ホームページへの流入数、SNSのフォロワー数・インプレッション数などと患者数との関連性を調べる
  • 来院のきっかけや感想を患者に聞く

施策の効果を安定させたり、さらに高めたりするためにも、定期的な効果測定と改善は必要です。

【関連記事】
歯科医院の集客でやるべき8つの施策(オンライン・オフライン)
歯科医院の集患・増患 守るべき5つの鉄則

まとめ

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歯科医院の患者を増やすには、新規患者を呼び込むとともに、リコール率を上げて定期的な来院を促すことが重要です。

人口の減少や競合医院の多さを考えると厳しさを感じるかもしれませんが、歯科医院への定期通院をしていない人はまだ多くいるため、増患の余地は十分にあります。

患者が求める施術・サービスや来院に至るまでの患者の行動を踏まえて施策を打ち、定期的に振り返り・施策の改善をすることで、効率的に患者を増やしていきましょう。

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あきばれ歯科経営 online編集部

歯科衛生士でもある「あきばれホームページ」歯科事業部長の長谷川愛が編集長を務める歯科医院経営情報サイト「あきばれ歯科経営 online」編集部。臨床経験もある歯科医師含めたメンバーで編集部を構成。

2021年5月14日「あきばれ歯科経営 online」正式リリース。全国1,100以上提供している「あきばれホームページ歯科パック」による歯科医院サイト制作・集客のノウハウを元に、歯科医院経営を中心とした歯科医院に関する様々な情報を経営に役立つ観点からお届けする。