採用成功のポイントを解説 歯科衛生士の採用単価

本記事では歯科診療所を経営する歯科医師向けに、歯科衛生士を採用する際の単価の目安について説明します。求人サイトや人材紹介会社など、採用方法別に単価の目安は異なります。

その後に歯科衛生士の採用費用が高くなる理由をお伝えした後、採用をスムーズに成功させるポイントについても詳しく解説していきます。

歯科衛生士の採用方法と採用単価の目安

歯科衛生士の主な採用方法として、以下の5つがあります。

  • 求人サイト
  • 人材紹介会社
  • 求人検索サービス
  • 医院ホームページ
  • 学校への求人票

採用単価の目安もそれぞれ異なるので、順番に解説します。

求人サイト

医療業界専門の求人サイトに歯科医院の情報や求人情報を登録する方法です。歯科衛生士が仕事情報を検索するために集まるサイトに求人を掲載すると、目に留まり応募が見込めます。

費用の目安は、1〜2ヶ月でスムーズに採用できた場合は数万〜20万円程度です。一般的には、掲載料金の他、自院の求人ページのクリック数や応募、採用といった成果に応じて費用が発生します。具体的な費用は各求人サイトによって異なりますが、例えば以下のようなサイトがあります。

  • 「GUPPY」:1閲覧あたり100円、1応募あたり約1.5万円
  • 「ジョブメドレー」:成約時4万円から

スマートフォンの普及により、一般的に求人サイトは利用される機会が多いため、歯科衛生士の採用にも効果的です。

人材紹介会社

転職エージェントを介して候補者をリサーチ・打診し、面談調整や条件交渉を行う方法です。高度なスキルや専門的な技術を持った歯科衛生士を採用したい場合に適しています。

基本的には歯科衛生士の紹介を受け、採用が決まった段階で報酬の支払いが必要になりますが、着手金の有無や成功報酬の割合は人材紹介会社によって異なります。

費用の目安として、最低でも採用する歯科衛生士の想定年収の1割、相場は30〜40%程度です。歯科衛生士の想定年収が400万円なら、100万円ほどになると考えておくとよいでしょう。

歯科衛生士の紹介で実績がある人材紹介会社を選ぶことがポイントです。

求人検索サービス

医院ホームページや求人サイトなどに掲載されている求人情報を取得し、仕事を探している歯科衛生士が仕事を検索した際に、適切な求人情報を表示するのが求人検索エンジンです。

代表的な求人検索エンジンには「Googleしごと検索」や「Indeed」があり、掲載自体は無料です。「Indeed」は、「スポンサー求人」という有料オプションを利用し、求職者にクリックされた場合に100〜500円ほどの課金(需給で変動)が発生します。仮に順調に行ったケースとして、クリック単価100円で、クリックしたうちの応募率を1%、うち採用率を50%とすると、費用の目安は1人当たり2万円以上となります。

具体的な「Indeed」の採用単価の相場として、採用支援会社の試算では、東京12.5万~25万円、愛知6.5万~12.5万円、長崎4.5万~9万円という結果でした。

医院ホームページ

自院のホームページに採用情報を掲載する方法です。「経験者向け」、「未経験者向け」で採用情報ページの内容は変わりますが、共通する求職者のニーズとして「働きやすさ」が挙げられます。

勤務時間が明確で休日・休暇が充実している、かつ歯科医師やスタッフ間の雰囲気が良好な歯科医院のニーズが高いため、採用情報ページでアピールしましょう。そのようなアピールが難しい場合は、シフト制にして勤務体系を再検討するなどの工夫が必要かもしれません。

自院のホームページが何年も前の状態のまま放置されていないかチェックしてみましょう。人材を募集するにあたって、定期的な見直しは大切です。

Web制作会社にホームページ制作を依頼する場合の費用は安ければ10万円以下、写真やインタビューなどの情報も充実させるなら、数十万円ほどかかります。ホームページは、一度作成すればリニューアルや記事の追加などをしない限り初期費用のみで仕事を探している歯科衛生士にアピールし続けられるのが魅力です。

学校への求人票

歯科衛生士を養成する大学や専門学校の就職課に求人票を送付する方法です。求人票の受付や掲載は無料なので、採用コストは郵送や資料作成といった事務費用のみ(その後の面接や説明会などは除く)となります。

まずは歯科医師自身の出身大学や、自院スタッフの出身大学の就職課に問い合わせるとよいでしょう。就職課にとっても、卒業生が働いている職場は学生に勧めやすいようです。

なお、学校によっては新卒向け求人だけでなく中途向け求人も受け付けて、卒業生に情報を共有している場合もあります。中途人材を探している場合は学校に確認してみましょう。

歯科衛生士の採用費用が高くなる理由

歯科衛生士の採用費用が高くなる理由として、「慢性的な売り手市場」、「歯科衛生士の獲得競争」が挙げられます。それぞれ解説します。

慢性的な売り手市場で求人倍率は20倍

厚生労働省「衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、歯科衛生士の数は2018年時点で約13.2万人で、2008年度の9.6万人と比べて増えています。

一方、厚生労働省「医療施設(動態)調査・病院報告」によれば、歯科診療所の数は2019年時点で6万8,500件で、10年以上横ばい傾向が続いています。

しかし、全国歯科衛生士教育協議会「歯科衛生士養成教育に関する現状調査」によると、2019年度に歯科衛生士養成校を出て就職した歯科衛生士6,298人に対する求人は約13万人分で、求人倍率が20倍に上っているのです。

求人倍率20倍という数値は非常に高く、この傾向は5年ほど続いているため、慢性的な人手不足といえます。そのため中途採用の転職市場においても、歯科衛生士の引き合いは強い可能性が高いでしょう。

優秀な歯科衛生士の獲得競争

歯科衛生士は単なる歯科医師のサポートにとどまりません。「治療がスムーズに進むかどうか」、「患者に満足してもらえるか」、「高度な治療ができるかどうか」などは歯科衛生士にかかっている面があります。

優秀な歯科衛生士がいれば業務がスムーズに進むため、歯科医院のなかには、想定年収800万円という高い待遇で募集しているケースもあります。特に東京や大阪などの都心エリアで繁盛している歯科医院や富裕層の患者が多い歯科クリニックなどが、好条件で歯科衛生士を募集しているようです。

転職を考えている歯科衛生士もまた、求人サイトなどを利用して魅力的な求人を比較していると予測できるので、優秀な歯科衛生士を獲得するための競争は激しいといえるでしょう。

歯科衛生士をスムーズに採用するためのポイント

歯科衛生士をスムーズに採用するポイントには、以下の3つが挙げられます。

  • 求める人材の明確化
  • 自院に合った採用方法
  • 自院の魅力の発信

どれも大切な要素なので、しっかりと理解しましょう。

求める人材を明確にする

まずは自院が提供しているサービスや運営方法などを考慮し、求める人物像を明確にすることが大切です。そのためにはペルソナの設定が効果的です。

ペルソナとは架空のターゲット像を意味します。例えばコミュニケーション力が高い人材を採用したいと考えるなら、以下のようなペルソナになるかもしれません。

「学生時代にクラス全員と積極的にコミュニケーションを取っていて、最初に働いた歯科医院でも歯科医師やスタッフとの関係は良好、患者様からの信頼も厚く、笑顔を絶やさず自然な接遇ができる歯科衛生士」

あくまでも一例ですが、このようにペルソナ設定をすることによって、漠然としていた求める人材は明確になります。

医院に合う採用方法を選ぶ

ペルソナによってターゲットが明確になったら、ターゲットにアプローチするのにふさわしい採用方法を選びましょう。

例えば高度・専門人材なら転職エージェント(人材紹介会社)、学生が対象なら大学への求人票、それ以外なら求人サイトや求人検索エンジンといったイメージです。自院のホームページの充実化に関しては、ペルソナにかかわらず進めるとよいでしょう。

医院の魅力を発信する

どのようなターゲット・採用方法であっても、現代の仕事探しでは、ほとんどの人がインターネットで検索します。特に候補となる職場のホームページを見るのは普通です。

自院のホームページを充実させればアピール材料になりますし、SNSの活用も大切です。特に女性は職場の雰囲気などを重視する傾向にあるため、ホームページやSNSを活用して自院をアピールしましょう。

例えば顔写真付きで院長・スタッフのメッセージをホームページに掲載したり、自院の雰囲気が分かる写真を数多くホームページやSNSに載せたりするといった方法が考えられます。

あなたの医院の求人は、多くの他の歯科医院の求人と必ず比較されています。その上で20の医院からたった1つを選ぶというのが現状です。「20倍の倍率を勝ち抜くことができるのか」、「他の歯科医院と比べて福利厚生や給与が劣っていないか」などをチェックするためにライバル調査も大切です。

まとめ

歯科衛生士は慢性的な売り手市場で獲得競争が激しいため、ペルソナ設定によって求める人材を明確にした上で、自院に合った採用方法を選ぶことが大切です。

主な採用方法には求人サイト、人材紹介会社、求人検索サービス、自院のホームページ、学校への求人票がありますが、どの採用方法を選択するにしても、自院のホームページやSNSは職場のアピール材料になるので充実させるとよいでしょう。

《情報収集で参考にしたサイト》
引用元:厚生労働省 医療施設(動態)調査・病院報告 2就業歯科衛生士・歯科技工士及び歯科技工所

引用元:厚生労働省 令和元(2019)年 医療施設(動態)調査・病院報告の概況 図1 医療施設数の年次推移

引用元:全国歯科衛生士教育協議会 歯科衛生士養成教育に関する現状調査 歯科衛生士養成校入学定員・志願者数 等の動向経年調査 2020

引用元:GUPPY 中途採用

引用元:JobMedley 求人掲載・採用・料金について