歯科衛生士の求人用サイト3選とおすすめの採用方法

歯科衛生士は超売り手市場であり、2019年時点で有効求人倍率は20.7%まで上昇しているので、人材確保が難しくなっています。

1人の歯科衛生士を20軒の歯科医院が取り合う状況といえば、どれほど深刻なのか伝わるはずです。

そこで今回は、歯科衛生士の求人事情やよく使われている求人サイト、採用を成功させるための方法を解説します。

歯科衛生士はどうやって求人を探している?

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(画像=pixta)

厚生労働省の「平成27年転職者実態調査」によると、主要な業種における転職活動の方法(複数回答)は以下のような割合となっています。

  • 公共職業安定所(ハローワーク)等の公的機関:41.4%
  • 縁故(知人、友人等):27.7%
  • 求人情報専門誌・新聞・チラシ等:24.2%
  • 民間の職業紹介機関:18.8%
  • 企業のホームページ:13.6%

一方、日本歯科衛生士会の「歯科衛生士の勤務実態調査報告書」(令和2年3月)によると、現在離職中で歯科衛生士として再就職したいと考えている人が就職先を探す場合、以下のような方法が選択されています。

  • ハローワーク:68.7%
  • 友人・知人からの紹介:46.3%
  • インターネット:45.3%
  • 求人誌:32.1%
  • 歯科医師会・歯科衛生士会の無料職業紹介:26.7%

転職を検討する歯科衛生士は若年層が多く、求人を探す際にインターネットを活用するケースが増えているため、歯科医院のホームページや求人サイトでのアプローチに力を入れる必要があります。

とはいえ、ハローワークや求人誌など従来の方法で探す人も少なくないため、複数の媒体を並行して活用するのがおすすめです。

歯科衛生士が使う求人サイト3選

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(画像=paylessimages/stock.adobe.com)

最近は「歯科衛生士 求人」などで検索すると、歯科・医療系に特化した求人サイトが検索結果の上位に表示されやすくなっています。

そこで、歯科衛生士によく使われている求人サイトを3つ紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

歯科衛生士採用におすすめの求人サイト1.グッピー(GUPPY)

「グッピー(GUPPY)」は年間300万人が利用している、医療・介護・福祉に特化した求人サイトです。

掲載料金1万円、1回の閲覧ごとに100円という「閲覧課金型」の料金システムを導入しており、どれだけ費用がかかったのか把握しやすくなっています。

また、登録している求職者に直接アプローチできるスカウト機能、医院見学会などの告知ができるイベント掲載機能なども特徴的です。

新卒に特化した求人サービスも提供されているので、幅広く活用できるでしょう。

歯科衛生士採用におすすめの求人サイト2.ジョブメドレー(JobMedley)

「ジョブメドレー(JobMedley)」も医療・介護・福祉に特化した求人サイトです。

特徴は、初期費用や求人掲載費、スカウトメールの送信費用(200通まで)が無料となっていること。

採用が決定したら費用を支払うという完全成功報酬制(4万円~)を導入しているため、無駄なコストをかけずに求人を出せるのが大きな魅力です。

また、希望条件に合った求職者が登録されたら通知が届くサービスも提供しているので、求める人材に効率的にアプローチできます。

歯科衛生士採用におすすめの求人サイト3.クオキャリア(Quocareer)

「クオキャリア(Quocareer)」は歯科医師・歯科衛生士に特化した、歯科医院のための求人サイトです。

求人活動計画を1年単位でパッケージ化し、求人コンテンツの制作・流通まで担当者が一貫してサポートするという体制をとっています。

月額1万円のプランに申し込めば、求人サイトへの通年掲載および求人誌掲載・求人票作成および発送代行のサービスを受けることが可能です。

歯科衛生士学校と連携するなど、歯科専門ならではのサポートも充実しています。

歯科衛生士が働く上で重視するポイント

自院サイトがあるかどうか

求職者があなたの歯科医院の魅力を知る上で重要なポイントになるのが、自院のホームページです。

上記で紹介したような求人サイトであなたの医院に興味を持ったら、ほとんどの人が検索をしてホームページを見ると思ってください。

そこで、文字数に制限のある求人媒体には載っていないような様々な情報、例えば医院の雰囲気はスタッフはどんな人なのか、どのようなお知らせをしているのかなど細かくチェックします。

逆にいえば、ホームページは求職者に対しても絶好のアピールとなるのです。

院長の人柄や職場の人間関係が良好かどうか

歯科医院の多くは、「院長先生以外のスタッフは全員女性」という、女性ばかりの職場です。

院長先生の多くが経験があると思いますが、女性ばかりが数人集まるとどうしても様々なもめごとが起きやすいのです。

ましてや歯科医院には、歯科医師や歯科衛生士、歯科助手、受付と様々な立場の職員がいて、責任や給与なども異なるので、トラブルが起こりがち。

転職先を探している人の中にも「以前の医院は人間関係のトラブルでやめた」という人も多いため、医院の人間関係や、社長である院長の人柄には非常に敏感になります。

面接で伝えるのはもちろん、ホームページでスタッフ同士が楽しそうに話している写真や院長の笑顔の写真、またプライベートが垣間見えるブログを掲載するなどして、「人間関係が良好である」アピールも行いましょう。

理念・方針に共感できるかどうか

院長先生は開業時に、形として残すか残さないかは別としても「このような医院をつくっていこう」という理念を考えているはず。

この理念にしっかり共感できるか、というのはお互いにとってとても重要です。

例えば「常に新たな技術を学んでいこう」という方針なのに、学ぶことを面倒がるようなスタッフが入ってしまうとお互いがとても不幸になってしまいます。

必ず面接で理念を伝えて、そこが共感できるかを確認しましょう。

条件面が良いかどうか

求職者は多くの場合、複数の医院に話を聞きに行ったり面接をしています。

今は20の歯科医院が一人の歯科衛生士を取り合うほどの売り手市場のため、多くの場合選ぶ権利は求職者側にあります。

そうなると、「条件が良い方を選ぶ」というのは当たり前です。

転職先・就職先を選ぶ際には以下の条件を重要視しているため、近隣の歯科医院に比べて見劣りがする条件になっていた場合は、検討が必要かもしれません。

  • 給与
  • 有給の日数
  • 社会保険
  • 研修制度
  • 交通費が全額支給かどうか
  • 社外の研修や資格取得などのサポートはあるか

求人サイトだけでは不十分、歯科衛生士を採用する5つの方法

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(画像=taka/stock.adobe.com)

歯科衛生士を採用したいなら、求人サイトに加えて以下のような方法も検討しましょう。

1.ハローワーク

全国各地にあるハローワークは、現在でも転職先・就職先を探す方法として最も多く利用されています。

無料で求人を掲載できるので、とりあえず求人票を登録しておいて損はありません。

厚生労働省が運営しているため、安心して利用できることもメリットです。

今までは、求人数が多く検索しづらい、掲載できる情報が限られるので自院の魅力を伝えづらいといったデメリットを指摘されることもありました。

しかし、最近はスマホやPCからの検索機能の強化や、よりイメージを伝えられるよう写真も掲載できるなど、その評価が見直されてきました。

2.民間の求人サイト

医療や歯科業界に特化していない民間の求人サイトでも、歯科衛生士の求人を掲載できます。

当然ながら掲載費用や成功報酬といったコストはかかってきますが、求人サイトによって金額には差があるため、あらかじめ費用対効果をよく検討してから利用することが大切です。

民間の求人サイトでは、エリアや待遇といった条件を絞り込んで検索されることが多いので、必然的に他の求人と並べて比較されやすくなっています。

そのため、自院の魅力をきちんとアピールすることが大切です。

3.歯科医師会・歯科衛生士会

各地域にある歯科医師会や歯科衛生士会には無料で求人情報を掲載できるケースがあります。

求職者登録した歯科衛生士とのマッチングを行ってくれるため、その地域で歯科衛生士として働きたいという人に対し、効率良くアプローチできることがメリットです。

ただし、求職者登録する人は現在離職中でブランクの長い人が多い傾向にあるので、あらかじめスキルや経験をきちんと確認する必要があります。

また、掲載できる情報量はあまり多くないため、ホームページで求人内容を充実させるなど対策を講じましょう。

4.歯科衛生士学校

歯科衛生士学校では卒業見込み者や既卒者向けの求人票、在校生向けのアルバイト求人票を登録できるため、意欲ある若い人をきちんと育てられる体制があるならおすすめです。

臨床実習先にそのまま就職するというパターンも多いので、学生の実習受け入れも検討する価値があります。

登録方法や実習受け入れの要件は学校ごとに異なるため、案内ページに書かれている内容をチェックしたり、担当者に問い合わせたりして確認しましょう。

5.自院のホームページ

歯科衛生士の求人を探している人の多くは、どこかで求人情報を見たら歯科医院のホームページにアクセスして、さらに詳しい情報を手に入れようとするのが一般的です。

そのため、自院のホームページで働くメリットや職場環境の魅力、院長の診療理念などを細かく伝えれば、求める人材の採用につながる可能性もグッと上がります。

逆にホームページ自体がない場合、詳しい情報を得られなくて不安に感じることから応募を躊躇するかもしれません。

ハローワークや求人サイトに情報を掲載する場合でも、きちんと求人用ページを制作し、最新の情報に更新しておきましょう。

歯科衛生士の採用を成功させるポイント

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(画像=beeboys/stock.adobe.com)

労働環境や福利厚生を改善する

歯科衛生士の離職理由トップ5は以下の通りです。

  • 「結婚・出産・育児のため」
  • 「給与・待遇への不満」
  • 「院長・同僚・先輩との人間関係」
  • 「仕事内容に対する不満」
  • 「勤務時間や勤務形態に対する不満」

これらの問題を解決できる用意がないと、いくら求人に力を入れても応募がこない、あるいは採用してもすぐ辞めてしまう、という結果を招きます。

まずは、求職者が「ここで働きたい!」と思えるような魅力的な職場づくりを目指しましょう。

今頑張ってくれている自院のスタッフに課題をヒアリングしながら労働環境の改善に努めれば、スタッフの定着率やモチベーション向上にもつながります。

特に、「産休・育休」「有給休暇」「時間外労働時間」などは、働きやすさに直結する要素であるだけでなく、適切な運用に努めないと違法になってしまうため注意が必要です。

【関連記事】 歯科衛生士・歯科助手の採用成功に必須の「産休・育休」。産休のない歯科医院は違法!

条件面は細かく提示する

自院の魅力をきちんと伝えるため、また採用のミスマッチを防ぐためにも、求人票の内容はなるべく詳しく分かりやすく記載することが重要です。

特に重視される以下のようなポイントについては、漏れなく、魅力的に伝える意識を持ちましょう。

  • 給与(基本給はもちろん手当や賞与、昇給の有無):残業手当・資格手当あり、賞与年2回(昨年実績○ヶ月分)、昇給年1回(平均○円アップ)など具体的に記載する。
  • 勤務時間(早く帰れるか、残業はあるか):残業○○時間程度/月など。
  • 産休育休制度:取得実績や復帰後の働き方(時短勤務可能か、
  • 休日:年間休日○○日以上(昨年実績○○日)など。有休消化率や休暇の種類と日数(夏季休暇●日など)も求職者が気になるポイント。
  • スキルアップ支援制度の有無:院内勉強会や外部研修補助など。仕事に熱心(=経営への貢献度が高い)な人ほど成長意欲が高い。

圧倒的な売り手市場の今、職場を選べる立場にある歯科衛生士の求職者は、求人票の条件を見ながら比較検討します。

歯科医院側も周辺で同じように求人をしている他院の条件を確認して見比べることで、求人における自院の課題=労働環境の改善点を発見することが可能です。

職場の雰囲気や仲の良さをしっかり伝える

働きやすさという点では、人間関係が良好か、楽しく働ける職場か(スタッフが生き生きと働いているか)というのは求職者にとって重要なポイントです。

条件面の提示ばかりに気を取られて軽視されがちですが、求人情報を掲載する際は職場の雰囲気や働くイメージについても、できる限りポジティブに伝えることが重要です。

例えば、診療や休憩中、飲み会などの院内イベントの様子を写真を交えて伝えたり、スタッフからのコメントや求職者へのメッセージなどを記載したりするのが効果的と言えます。

院内見学会やスタッフと交流する場を設ける

お互いのことをよく知るためには、実際に会ってみるのが一番。とは言え、とりあえず話を聞くために応募というのはハードルが高いため、求職者向けに院内見学を随時受け付けるのもおすすめです。

診療の様子を見学したり、診療の合間にスタッフとコミュケーションを取る機会を作ったりすれば求職者としても働くイメージがつきやすく、スタッフからその人の印象など採用可否の参考になる意見を聞けるでしょう。

面接よりも気軽な雰囲気を作れるので、本音を聞き出しやすいというメリットもあります。

フランクな院内見学でアイスブレイクした上で、そのまま面接を始めるのも一つの方法です。

まとめ

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(画像=buritora/stock.adobe.com)

自院に合った歯科衛生士を採用することは、現状を踏まえると決して簡単とはいえません。

しかし、受け身の姿勢で待っているだけでは求める人材が応募してくる可能性は高くないため、歯科医院側でも積極的に対策を講じる必要があります。

今はインターネットやスマートフォンで求人を探す人が多いため、歯科衛生士がよく使う求人サイトの活用を検討しつつ、自院のホームページで職場の魅力を余すことなく伝えられる求職者向けページを用意するのがおすすめです。

引用元:
公益社団法人 日本歯科衛生士会「歯科衛生士の勤務実態調査 報告書(令和2年度)」

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あきばれ歯科経営 online編集部

歯科衛生士でもある「あきばれホームページ」歯科事業部長の長谷川愛が編集長を務める歯科医院経営情報サイト「あきばれ歯科経営 online」編集部。臨床経験もある歯科医師含めたメンバーで編集部を構成。

2021年5月14日「あきばれ歯科経営 online」正式リリース。全国1,100以上提供している「あきばれホームページ歯科パック」による歯科医院サイト制作・集客のノウハウを元に、歯科医院経営を中心とした歯科医院に関する様々な情報を経営に役立つ観点からお届けする。